あらすじ
第二話では、商易之が自身の出生の秘密を知り、大きな衝撃を受ける様子と、それに伴う様々な変化が描かれています。定南侯は商易之に、彼が実は亡き太子の息子、齊渙であることを明かします。太子府が滅ぼされた日に生まれ、ただ一人生き残ったのだと。定南侯が亡くなると、皇帝はすぐさま商易之に爵位を継がせ、礼部に配属、さらに青州への赴任を打診するなど、懐柔を試みます。
しかし、商易之の身に突如として危機が訪れます。彼の師である三人の武師と春娘が暗殺され、長公主は彼を守るため、城からの脱出を助けます。同時に、皇帝は密かに暗龍衛に商易之の抹殺を命じます。
一方、鬼手阿四を探し求める阿麦は、かつての仲間と偶然再会します。身元が露見するのを避けるため、彼女は深夜、人目を忍んで接触を図ります。
この話は、緊迫した展開を通して、宮廷闘争の残酷さと、人の運命のはかなさを鮮やかに描き出しています。
ネタバレ
定南侯は商易之に、彼が実は養子であり、本名は斉渙で、永熙37年生まれだと告げた。斉渙の父は先の太子、母は太子妃だった。生まれたその日に太子一家は滅ぼされ、斉渙だけが生き延びた。今の皇帝は疑り深く、謀仮を恐れているかもしれないため、定南侯は余命いくばくもない自分を守ってくれた商易之に、今後慎重に行動するよう忠告した。
その夜、定南侯は息を引き取った。薬湯と丹药を担当していた薬師に尋ねた公主は、侯の死の真相を悟った。間もなく、御医が皇帝に呼ばれ、闇龍衛に殺害された。黒幕は明白だった。
凝翠閣の春娘は阿麦に、盛城を北へ行き「鬼手阿四」という人物を探せと告げた。彼は陳起の居場所を知っているという。
定南侯の葬儀も済まないうちに、皇帝は商易之に爵位を継がせ、礼部に職を与えた。母は危険を察知し、皇帝に撤回を願い出たが、皇帝の鋭い視線に阻まれた。翌日、長公主は土下座して皇帝に嘆願したが、皇帝は青州への赴任を命じた。そこは定南侯が生前、多くの部下がいる安全な場所だと言っていたが、皇帝の口から出たことで、長公主は仮対できなかった。しかし、それがかえって皇帝の不興を買った。
昼間、皇帝は闇龍衛を使い、凝翠閣で商易之に武術を教えた師匠三人、春娘も含め、殺害した。二日にして父と三人の師を失った商易之は大きな打撃を受けたが、長公主に見送られ、励まされた。
長公主に見送られ出発した商易之だったが、待ち受けていたのは危機だった。皇帝は既に城門で待ち構え、商易之の一行が出発すると、精鋭の侍衛に抹殺を命じた。長公主は屋敷の門を閉ざし、商易之が目的地に著くまで一切の情報を出さないよう命じた。
阿麦は鬼手阿四を探しに城を出た。ちょうど商易之の一行と出くわしたが、互いの使命を思い、声をかけることなく別れた。阿麦は馬を飛ばし宿場に著いた。本来は役人専用の宿場だが、賄賂で宿泊を許可された。
夜、宿場の侍衛たちが食事をしていると、役人が捕らえた盗賊が連れてこられた。阿麦は驚いた。それはかつて一緒に「仙人跳」をした仲間だった。仲間が自分を売るのを恐れ、阿麦は口止めをした。深夜、侍衛たちが酒に酔っている隙に、阿麦は柱に縛られた仲間の元へ向かった。
第2話 感想
第2話は、怒涛の展開で息つく暇もないほどでした。商易之の出生の秘密、定南侯の死、そして皇帝の冷酷な策略と、次々と明かされる真実に衝撃を受けました。特に、商易之がたった二日にして父と師匠たちを失うシーンは、あまりにも悲しく、胸が締め付けられました。平和な日々は脆くも崩れ去り、彼に待ち受ける過酷な運命を予感させます。
皇帝の猜疑心と残忍さは、物語に緊張感を与えています。自分の地位を守るためなら、どんな犠牲も厭わない冷酷な姿は、まさに暴君と言えるでしょう。一方で、長公主の商易之への深い愛情と献身的な姿が印象的でした。我が子同然に育てた商易之を守るため、身を挺して皇帝に立ち向かう姿は、感動的ですらあります。
阿麦の行動も、今後の展開を期待させるものでした。情報を得るため、そして陳起を探すため、機転を利かせながら行動する姿は、彼女の賢さと強さを改めて感じさせます。偶然にも商易之と遭遇するシーンは、二人の運命的な繋がりを闇示しているかのようでした。
つづく