あらすじ
第二十一話では、阿麦が復讐のために周到に計画した計略が描かれています。阿麦は常鈺青に結婚を申し入れ、結婚式を罠として利用し、陳起の暗殺を企てます。この過程で、商易之は阿麦に想いを寄せますが、常鈺青は阿麦の真意に気づきながらも、彼女の計画に協力します。
結婚式当日、阿麦は陳起を捕らえることに成功し、同時に常鈺青は軍を指揮して事態を掌握します。しかし、阿麦は自分の家族を殺害した真犯人が朝廷の軍隊だと知り、衝撃を受け、ためらいます。
最終的に、阿麦は全ての計画を明かし、常鈺青を心から愛したことはないと告げます。常鈺青は冷静にこの事実を受け止め、二人は合卺酒を交わすことで、この関係を象徴的に終わらせます。
一方、石達春は将軍府内の秘密の通路を利用して迅速に攻撃を開始し、状況を完全に掌握していることを示します。
ネタバレ
陳起は石達春の近況を部下に尋ね、最近石達春が妻と街を散策し、民の苦しみを見て涙を流したと聞き、民に情けをかける者は使えないと判断し、阿麦を監視するよう命じる。
常鈺青の部下、墨玉は阿麦を尾行する。墨玉の武芸の腕前は高く、阿麦は逃げられない。常鈺青は阿麦に、退屈なら庭を散歩しても良いが、門の外に出ることは許さないと言い渡す。商易之は石達春の元へ赴き、作戦を練る。豫州を奪還する作戦は不可能ではないが、陳起は用心深いので、万全の体製で臨む必要がある。
石達春は常鈺青を訪ね、わざと時間を稼ぐ。その隙に商易之は常鈺青の屋敷に潜入し、警備の様子を探る。そこで女装姿の阿麦と出会い、その美しさに心を奪われる。商易之は阿麦を連れて逃げようとするが、屋敷の警備は厳重で、脱出は困難だ。阿麦は商易之に一旦戻るように伝え、自身である計画を企てる。
阿麦は常鈺青に結婚を申し込む。常鈺青は喜んで承諾するが、婚礼を寧首府で行うと聞き、阿麦の真意を察する。阿麦は鋭利な簪を選ぶが、常鈺青はそれを木製の簪にすり替え、最初の贈り物だからと受け取らせる。
商易之は石達春に常鈺青の結婚の話を伝える。石達春はこれが陳起を闇殺する好機だと考え、準備を進める。しかし、阿麦の安全を心配する商易之に対し、石達春は大事のためには一人の女の命など取るに足らないと言い放つ。
婚礼当日、陳起は祝いの品を届けに来る。石達春はまだ到著していないが、吉時は迫り、婚礼が始まる。陳起は高砂に座り、新郎新婦の挨拶を受ける。その時、阿麦は匕首を陳起の喉元に突きつける。常鈺青はあらかじめ兵を配置しており、たちまち陳起の屋敷を製圧する。常鈺青は阿麦に陳起を問い詰める時間を与える。阿麦は両親を殺した者の名を問うが、陳起は口を割らない。しかし、阿麦の追及に耐えかね、盛都の玄武軍だと白状する。それは朝廷の軍隊だった。阿麦は匕首を握る手が震える。
常鈺青は阿麦が殺せないことを悟り、陳起を生かして監視下に置くことを約束する。その時、石達春の軍が屋敷を包囲する。他の者は応戦に向かう中、阿麦と常鈺青は二人きりになる。阿麦は、石達春が屋敷に秘密の通路を知っていたため、短時間で侵入できたことを明かす。
常鈺青は阿麦に結婚の儀式を続けるよう促す。阿麦は常鈺青に、最初から全てが策略であり、彼を愛したことはないと告げる。常鈺青は平静を装い、阿麦の成功を祝う。そして、合卺酒を飲み幹し、阿麦にも酒を勧める。この酒を飲めば、二人の関係は終わりだと。
第21話の感想
第21話は、阿麦の復讐劇が大きく動く、緊張感あふれる展開でした。婚礼という華やかな舞台の裏で繰り広げられる策略、そして明かされる黒幕の存在。息詰まるような駆け引きと、登場人物たちの複雑な心情が巧みに描かれていました。
特に印象的だったのは、阿麦の覚悟と冷静さです。愛する両親を殺された悲しみ、復讐心、そして常鈺青への偽りの愛情。様々な感情を抱えながらも、目的達成のために行動する彼女の強さに心を打たれました。陳起に匕首を突きつけるシーンは、まさにクライマックスと言えるでしょう。復讐の成就を目前にして、彼女の手に宿る緊張感と覚悟が画面越しにも伝わってきました。
つづく