あらすじ
第25話では、康王が太子の寵愛と勢力の増大に脅威を感じ、皇帝に太子への疑念を抱かせ、謹慎させる計略を巡らせます。この事態を知った長公主は、商易之への影響を懸念し、唐紹義と共に賊討伐を名目に兵を皇城に進める計画を立てます。康王は商易之に接近し、記録保管庫に入れるように玉佩を渡しますが、阿麦は康王軍配下の名簿を既に手に入れていました。この行動により、太子は商易之が未だ自分に忠誠を誓っていると確信します。商易之と阿麦の関係は長公主に認められますが、阿麦が盛国公の娘だと分かると、長公主の態度は一変します。商易之は、阿麦の両親が自分の父親に殺されたことを知り、偽の証拠を作り出して阿麦の追及を止めようとしますが、失敗に終わります。最後は、太孫の聡明さと阿麦への支持により、皇帝は東宮の謹慎を解き、康王に封地へ赴任するように命じます。
ネタバレ
康王の軍師は、皇帝に太子への疑念を抱かせるよう進言しました。皇孫の師である阿麦の存在、そして青豫軍が太子配下となったことが、康王にとって不利だからです。康王はこの策を採用し、皇帝は太子を呼びつけ、康王の面前で叱責し、軟禁しました。
長公主はこの知らせを豫州の徐靜に伝えました。徐靜は商易之の危険を察知し、討伐を名目に兵を率いて皇城へ向かう決断をします。唐紹義は躊躇しますが、徐靜の強い意誌に押され同意しました。
一方、康王は商易之に接近し、味方になるよう持ち掛けます。商易之は当初揺らぎますが、兵部名簿調査の妨害について康王が言及したことで、彼が黒幕だと気付きます。康王は商易之に玉佩を渡し、兵部の人物と連絡を取るよう指示しました。
商易之は玉佩を使い記録保管庫に侵入しますが、阿麦は既に康王軍の名簿を手に入れていました。この情報は太子の耳にも入り、太子は商易之の裏切りを疑いますが、阿麦の行動から彼の忠誠を信じ、二人を監視させます。
盛府を訪れた徐靜は、商易之に阿麦の正体が盛国公の娘・韓麦穂であることを明かします。長公主はこの事実に驚き、二人の関係に複雑な思いを抱きます。
太子は阿麦と商易之を訪ね、玄武軍の老七という人物の情報を与えます。任務後に行方不明になった老七の記録が档案にないというのです。阿麦はこの手がかりに強い興味を持ち、父の仇への手がかりだと考えます。その夜、語り合う二人の笑い声が長公主の耳に届きました。
深夜、長公主は商易之を呼び出し、阿麦の両親を殺害したのが商易之の父・盛国公であるという衝撃の事実を告げます。商易之は長公主に秘密を守るよう懇願します。翌日、阿麦の追及を止めるため、商易之は老七が南市で蛇に噛まれて死亡したという偽の手紙を作成します。阿麦は一旦は信じますが、諦めず、老七の子供を探し始めるのでした。
商易之の工作は完全には成功しませんでしたが、彼には打つ手がありません。一方、皇帝は皇孫の賢さと太子の教育の成果に喜び、特に太孫が父の罪を背負う覚悟を示したことで、太子の軟禁を解き、康王を封地へ戻しました。
第25話の感想
第25話は、様々な陰謀が渦巻く中で、それぞれの思惑が交錯する緊迫感あふれる展開でした。特に、阿麦と商易之の関係性の変化が印象的です。これまで互いに信頼し合っていた二人ですが、阿麦の出生の秘密が明らかになるにつれ、商易之は苦悩を深めていきます。父親が阿麦の両親を殺害したという事実は、彼にとってあまりにも重く、真実を隠そうとする彼の葛藤が見て取れます。阿麦への想いと、罪悪感の間で揺れ動く商易之の姿は、今後の展開をより一層不安にさせるものでした。
また、康王の策略も巧妙さを増しています。太子を陥れようと画策する一方で、商易之を取り込もうとするなど、狡猾な立ち回りは物語に緊張感を与えています。皇帝もまた、康王の策略に翻弄され、太子を疑ってしまうなど、権力争いの残酷さが浮き彫りになっています。
つづく
