あらすじ
第28話は、阿麦と長公主、商易之の複雑な関係と謀反計画を中心に展開します。
長公主は阿麦を味方に引き込もうとしますが、阿麦は父の仇討ちに固執し、真犯人を探し出すことに強い意志を示します。
一方、阿麦と商易之は共に謀反を企てます。当初はためらっていた商易之も次第に積極的になっていきますが、内心では阿麦への想いを断ち切れず、林宰相の娘との結婚に気が進みません。
その頃、皇帝は脳卒中を患い、これまでの行いを反省し、長公主を懐柔するための苦肉の策を講じながら、密かに次の手を打っていました。林宰相は詔書を二通偽造し、表向きは皇帝に協力する姿勢を見せながら、実際には商易之のために道を切り開こうとしています。
阿麦と商易之の計画では、阿麦が先に皇帝を暗殺し、その後、商易之が事態を収拾することになっています。阿麦は義兄弟の唐紹義に計画を打ち明け、協力を得ます。
ネタバレ
長公主は商易之が最近阿麦と会っていることを聞きつけ、侍女を遣わし阿麦を呼び出した。長公主は自ら阿麦にお茶を淹れ、一見何気ない世間話をしながら、阿麦が幾度も商易之と共に生死をかけた戦いを潜り抜けてきたことを称え、褒美を与えようとする。しかし、阿麦は強い眼差しで、父の仇を討つことだけを望んでいると答える。長公主は仇討ちを諦めるよう説得を試みるが、阿麦はその意図を理解した上で、真の黒幕を見つけ出し、必ず仇を討つと明言する。
阿麦は謀仮の計画を本格的に始動させる。軍師は青豫の大軍を率いて来る途中に既に謀仮の準備を整えており、あとは命令を受けて決行の時を待つばかりとなっていた。以前は商易之が迷い、確信を持てずにいたが、今は阿麦の存在が彼を奮い立たせ、攻撃ルートと時機を慎重に検討し始める。
皇帝は中風の後、自らの犯してきた殺生を深く仮省する。かつて曽太に康王討伐を命じた際、背後で誰かが唆していたのは明らかだった。側近もいない中、皇帝は宦官に曽太の家族の行方を尋ねると、宦官はすぐさま跪き、全員殺害したと報告する。皇帝は頷き、長公主を呼び出すよう命じる。
皇帝はわざと深情を装い、長公主と幼少期の思い出話を語り、涙を誘う芝居を打った後、最後の頼み事を聞いてほしいと懇願する。皇帝は老い衰えた様子を装い、退位して商易之に皇位を譲りたいと告げる。長公主は帰るとすぐに商易之と密談し、皇帝の真意が何であれ、先手を打って謀仮の準備を進めるよう促す。
商易之は阿麦への想いを断ち切れず、林宰相の娘との結婚にも乗り気ではなく、謀仮を起こす気もなかった。それどころか、阿麦と共に豫州へ戻り、共に暮らしたいと考えていた。長公主はそんな商易之の優柔不断な態度に不満を抱く。これまで商易之を成人させるためにどれだけの犠牲を払ってきたのか、それなのに息子は皇位を欲しがらないとは。
長公主はすぐさま林宰相に連絡を取り、会見の約束を取り付ける。長公主から婚約を早めたいという話を聞くと、林宰相はおおよその事情を察し、長公主がわざわざ阿麦と商易之の話を持ち出した意図を理解する。林宰相は娘の結婚を早めることに同意し、同時に商易之への支援の準備を急ピッチで進める。皇帝は林宰相に商易之を皇太子に立てる詔書の作成を命じる。林宰相は皇帝の真意を測りかね、密かに同じ詔書を二通作成し、両方に皇帝の玉璽を押印する。
しばらくして、皇帝は林宰相に皇太子決定の詔書を返すよう命じる。既に作成された詔書を受け取ると、皇帝は林宰相に、なぜ詔書を返却させたのか分かっているかと尋ねる。林宰相は当然ながら聖意を推し量ることはできないと答える。すると皇帝は、もし幼い斉鈺に皇位を継がせたら、周りの悪意ある者たちに簡単に操られてしまうだろうと語り、林宰相はさも合点がいったように皇帝の深慮遠謀にひれ伏す。
阿麦と商易之は事前に相談し、阿麦が先に宮中に忍び込み皇帝を討つ計画を立てる。商易之は愛する阿麦の安全を確保するため、龍吟衛の服を用意し、当夜、阿麦に御前侍衛の服に著替えるよう指示する。こうすることで、皇帝は龍吟衛が謀仮を起こしたと勘違いし、青豫の大軍に救援を求めるだろう。そうすれば、阿麦の勝算はさらに高まる。
商易之と計画を練った後、阿麦は義兄弟の契りを交わした唐紹義を訪ねる。阿麦は自分の計画を全て打ち明けると、唐紹義は阿麦が父の仇を討とうとしていることを理解し、宮中から無事に脱出できるよう全力を尽くすと約束する。
つづく