あらすじ
第34話は、商易之が無憂無慮の公子哥から英明果断な君主へと成長していく過程を描いています。林宰相の様々な策略や挑戦、例えば早朝における大臣たちの集団仮病、林澤柔の堕胎薬服用、そして林宰相による反乱計画など、商易之はそれらに果敢に立ち向かいます。彼は仮病を使った大臣たちを摘発し厳罰に処しただけでなく、慕白との深いやり取りを通して林宰相の陰謀を暴き出しました。最終的に、阿麦の助けを得て、商易之は危機を乗り越え、林宰相の反乱計画を阻止し、自らの支配体制を盤石なものとしました。このエピソードは、商易之が未熟な若者から複雑な政治状況にも対応できる成熟した指導者へと成長を遂げる様を鮮やかに描き出しています。
ネタバレ
盛家の公子として幸せに暮らしていた商易之は、皇帝に疎まれ、両親を亡くすという悲劇に見舞われる。幾度となく死線を彷徨い、阿麦との出会いによって今の地位を築いたものの、依然として陰謀に巻き込まれ、苦境に立たされている。
林宰相は、娘の林澤柔を商易之に嫁がせたのは、彼の血筋ではなく、凡庸で操りやすいと考えたからだった。しかし、数々の試練を乗り越えた商易之は、もはやかつての世間知らずの若造ではなかった。
天下掌握を企む林宰相は、商易之の本心を探るため、老獪な臣下たちと結託し、朝廷を混乱に陥れる。多くの臣下が病と称して朝議を欠席する中、商易之はかつてない重圧に晒される。
父の計画を知る林澤柔は、新帝登基後の平和が脆いことを悟り、密かに堕胎薬を用意する。
商易之は、欠席した臣下たちの病状を太医に確認させ、仮病であることを見抜く。翌日、朝議にて太医に病状を報告させ、欠席した臣下たちに香が燃え尽きるまでに参上しなければ罷免すると宣言。期限が過ぎると、即座に欠席者たちを極刑に処した。
商易之の製御が効かなくなったと悟った林宰相は、密かに慕白に接触し、謀仮を唆す。実は慕白は林宰相の実の息子であり、野望実現のために仕組まれた存在だった。慕白は悩んだ末、商易之に林宰相の計画を明かす。
商易之は慕白に林宰相を説得するよう促すが、林宰相は諦めず、東宮の旧臣たちを糾合し、謀仮の準備を進める。
事態は急変する。林澤柔は密かに出産を早める薬を服用し、林宰相に翻意を促すが、聞き入れられない。林宰相は商易之の腹心の李玉をも謀仮に引き込み、宮門を閉鎖、商易之を包囲する。まさにその時、林澤柔は陣痛に見舞われる。危機一髪之際、阿麦が援軍を率いて駆けつける。
窮地に陥るたびに阿麦に救われる商易之は、喜びと感謝の念に堪えない。実は阿麦は、数日前から李玉が林宰相に寝返ったことを見抜き、急ぎ援軍を率いてきたのだった。
林宰相は捕らえられ投獄されるも、なおも諦めず、阿麦を牢獄に呼び出す。
第34話の感想
第34話は、商易之の成長と苦悩、そして阿麦の揺るぎない忠誠心が際立つエピソードでした。これまで幾度となく危機を乗り越えてきた商易之ですが、今回は特に彼の決断力と冷徹さが印象的です。仮病を使った臣下たちを即座に極刑に処す場面は、彼の覚悟と変化を象徴しています。かつての優柔不断な公子哥の面影はなく、皇帝としての威厳と責任を強く感じさせるシーンでした。
一方で、林宰相の執念深さと狂気も描かれています。実の息子である慕白を利用し、権力への渇望を満たそうとする姿は、まさに悪役そのもの。彼の策略によって、商易之は再び窮地に立たされますが、それでも諦めずに立ち向かう姿は、視聴者の共感を呼ぶでしょう。
そして、今回もまた、阿麦が商易之の窮地を救います。彼女の機転と武勇、そして何よりも商易之への深い忠誠心は、この物語の大きな魅力の一つです。常に冷静沈著な阿麦ですが、商易之を救った時の安堵の表情からは、彼女の人間味と愛情が垣間見えます。
つづく