あらすじ
第三話では、仲間を助けようとした阿麦が、縄をきつく縛りすぎて捕まってしまう場面から始まります。窮地に陥った彼女を救ったのは、商易之でした。彼は自身の身分を利用し、阿麦と仲間たちの脱出を助けます。
この出来事をきっかけに、阿麦と商易之の仲は深まっていきます。穆白は身分が露見することを心配しますが、商易之は阿麦の命の恩に報いるべきだと主張します。二人は互いの辛い過去を語り合い、阿麦は家族の仇討ちへの強い決意を明らかにします。
翌日、阿麦は役人に扮した刺客が商易之を狙っていることに気づきます。彼女はすぐさま行動を起こし、商易之に危険を知らせ、身を隠すのを助けます。
最後は、阿麦が商易之の同行の誘いを断り、一人で復讐の旅に出る場面で締めくくられます。商易之は、いつかまた阿麦に会えることを願うのでした。
ネタバレ
阿麦は鬼手阿四に会うため、銀堡城への潜入が必要だった。持ち前の技で通関手形を盗み出し、まんまと城内へ入ることに成功する。
銀堡城では、唐紹義という武将が民衆から慕われていた。彼は颯爽とした姿で気前も良く、義理堅く、部下や周りの人々にも温厚に接していた。阿麦は城内に入り、誰彼構わず鬼手阿四の情報を求めた。金に物を言わせて、ついに阿四に会う手引きをしてくれる人物が現れる。
阿麦は春娘から預かった扳指を阿四の手下に渡し、すぐに阿四との面会が葉う。阿四と春娘は旧知の仲で、今は白髪交じりの四十路。春娘からの伝言を聞き、阿四は辛い過去を思い出す。彼は阿麦に、陳起が北漠へ行ったこと、そしてその時の通関手形を自分が作ったことを伝える。阿麦は同じ通関手形を作ってくれるよう頼み、春娘の友人ということで阿四は無償で引き受ける。
南夏の度重なる侵攻に、銀堡城主は困り果て、ついに土地を割譲して和睦を結ぶ。朝廷からの割譲の知らせに、唐紹義は憤慨する。真の平和を得るには、敵を恐れさせる必要があると彼は主張するが、城主は若気の至りだと嘆く。
銀堡城で、阿麦は「金づる」と目をつけられ、拉緻されてしまう。阿麦はおとなしく金を渡すと言うが、半分だけ先に渡し、無事に城外へ送り出してくれたら残りの半分を渡すと持ちかける。労せずして金が手に入ると考えた盗賊たちは、阿麦を友人として扱い、食事に連れて行く。
道中、運悪く通関手形を盗まれた本人である常鈺青と遭遇する。常鈺青は素早く盗賊たちを倒し、阿麦の首を掴んで盗んだものを返すよう迫る。阿麦が言い逃れをしていると、役人が追ってきて、常鈺青は扳指をわざと落として逃走する。
役人は扳指を見て、阿麦を北漠のスパイと決めつけ、牢獄へ入れる。牢獄で、阿麦は常鈺青が追っていた人物、弓矢作りの名工・李二牛に出会う。李二牛の設計図を見た阿麦は、宮中の侍衛が使う弓は一射しかできないのに、李二牛の弓は連射でき、非常に効率的だと感嘆する。
夜更け、扳指は城主に渡り、城主は常鈺青の仕業だと察知し、牢獄へ部下を向かわせる。そして、実際に常鈺青を捕らえる。
常鈺青は李二牛を助け出そうと牢獄へ来たが、そこに阿麦がいた。阿麦は瓦礫の破片で李二牛の首を脅し、常鈺青に謝罪と牢獄からの救出を要求する。計略は成功しそうだったが、役人がすぐに牢獄へ到著し、常鈺青は再び逃走。阿麦への疑いはさらに深まる。
第4話の感想
第4話では、阿麦の機転と大胆さが際立つ展開となりました。鬼手阿四に会うため、偽造通関手形を手に入れ銀堡城へ潜入するなど、彼女の目的達成への強い意誌が感じられます。持ち前の度胸と機転で危機を乗り越えようとする姿は、痛快ながらもハラハラさせられます。
特に印象的だったのは、盗賊に捕まった際の対応です。金で解決を図るだけでなく、相手に有利な条件を提示することで、危機を脱しようとするしたたかさは見事でした。しかし、その機転が裏目に出て、常鈺青との遭遇、そして牢獄行きへと繋がってしまう皮肉な展開は、物語の先の読めなさを際立たせています。
牢獄で出会った弓作りの名工・李二牛とのやり取りも興味深い点です。李二牛の設計図に感銘を受ける阿麦の姿からは、彼女の好奇心旺盛な一面や、物事の本質を見抜く洞察力の鋭さが垣間見えます。この出会いが、今後の物語にどう影響していくのか、期待が高まります。
つづく