あらすじ
第七話では、南夏皇帝と皇子たちが北漠の侵攻に対して異なる反応を示す様子が描かれています。 皇太子は積極的な備えを主張する一方、第二皇子は北漠を軽視し、金品や食糧を要求することだけが目的だと考えています。
一方、北へ向かう阿麦と徐秀児は、刑部の追っ手を巧みにかわし、商易之と偶然出会います。北漠と龍吟衛の両方に追われる窮地に陥った阿麦は、機転を利かせて商易之を人質に取り、追跡から逃れることに成功します。この策略によって、阿麦の知恵が際立つだけでなく、徐秀児は彼女への憧れをさらに深めます。
また、青州に到着した商易之は、父の旧部からの支援を期待していましたが、現地の役人たちは彼に冷淡な態度を示します。 これは、今後の展開を予感させる伏線となっています。
ネタバレ
南夏の皇帝は皇子たちに北漠の侵攻について意見を求めた。太子は北漠の若手の勢力を侮れないとし、軍事訓練を強化し、北漠を叩くべきだと進言した。しかし、二皇子はこれを一笑に付し、国境の守備が手薄いのだと主張、北漠の侵攻は金品を狙ったものであり、大した脅威ではないと述べた。皇帝は驕り高ぶり、二皇子の意見を採用した。
一方、阿麦と徐秀児は北へ向かう途中、二頭の馬を使って刑部の追っ手を撒いた。その後も追跡の手掛かりとなる血痕などを消しながら進み、偶然にも商易之と再会を果たす。喜びも束の間、商易之は北漠と龍吟衛の双方から追われている窮地を明かした。阿麦は状況を分析し、両者の思惑を利用して目的を達成しようと考えた。
阿麦は商易之を連れ、慕白に龍吟衛をおびき寄せるよう指示した。商易之は戸惑うも阿麦を信じることにした。阿麦は商易之をある場所に連れて行き、匕首を突きつけ、北漠の者に商易之を人質に青州を明け渡すよう要求し、自分を北漠へ連れて行くよう条件を出した。北漠の者が疑念を抱く中、慕白が龍吟衛を連れて現れた。龍吟衛は商易之を殺そうとし、北漠の者にも渡すまいと対峙する。両者が争い始めた隙に、阿麦と商易之は逃げ出した。
阿麦の機転に再び感嘆した徐秀児は、慕白と共に逃げるよう指示された際、阿麦の腰にしがみつき、置いていかれるのかと尋ねた。この行動に商易之は驚きを隠せない。徐秀児は阿麦と旅を続けてきたにも関わらず、彼女が女性であることを知らなかったのだ。
阿麦は徐秀児を落ち著かせ、すぐに合流すると約束した。追っ手を振り切り、商易之と一行は再会し、青州へと急いだ。
常鈺青率いる北漠の大軍が南夏に侵攻を開始した。皇帝は北漠軍が青州に迫っていると聞きながらも、動揺する様子はなかった。青州には彼の目の上のたんこぶがいるため、敵に排除してもらっても構わないと考えていた。商易之一行が青州に到著すると、城門の守備兵は下人が持ってきたスイカを食べようとしていた。商易之が先にスイカを取ったため、守備兵は顔をしかめたが、彼らのボロボロの身なりを見て取るに足らない者だと判断した。しかし、その後、商易之を護衛する一行が現れ、守備兵は彼らが青州に新しく赴任した役人だと知ることになる。
青州へ来る前、大公主は商易之に、青州には彼の父の旧臣が多く、彼を守ってくれるだろうと告げていた。商易之は、これでようやく安泰だと考え、赴任初日から阿麦を連れ出し、街の様子を見に行った。しかし、青州の古参役人たちとの面会は、彼の予想を裏切るものだった。彼らは商易之に敬意を払うどころか、無礼な態度を取り、彼を軽んじた。
第7話の感想
第七話は、阿麦の機転と知略が際立つ展開で、手に汗握るストーリーでした。北漠と龍吟衛の双方に追われる商易之を、敵同士の争いに巧妙に巻き込み、危機を脱する場面は圧巻。まるで戦場を盤上に見立てたような阿麦の戦略は見事でした。特に、商易之を人質に取る大胆な行動は、彼女の度胸と機転の鋭さを物語っています。
一方、皇帝の驕慢さと軽率な判断が、南夏を危機に陥れている様子が描かれており、今後の展開に不安を感じさせます。二皇子の讒言に惑わされ、国境の脅威を軽視する皇帝の姿は、まさに闇君そのもの。この判断が後にどのような結果をもたらすのか、非常に気になります。
また、徐秀児の阿麦への強い信頼と愛情が垣間見えるシーンも印象的でした。阿麦が女性であることを知らずに共に旅を続けてきた商易之の驚きも、物語にユーモラスな要素を加えています。
つづく