あらすじ
第五話では、計画の露見により窮地に陥った斉策の物語が描かれています。秦卿が仕掛けた罠に嵌り、徐晉たちに捕らえられてしまいます。斉策と秦卿は逃亡を企てていましたが、傅容と傅宣が現れたことで計画は失敗、斉策は投獄されることになりました。
獄中の斉策を妹の斉竺が見舞おうとしますが、大夫人に阻まれてしまいます。傅容の助けにより、どうにか面会は葉いましたが、斉策は傅家の姉妹を恨み、自分の不幸を彼女たちのせいにしました。
斉策の逮捕は斉家の運命を大きく揺るがし、母は心配のあまり病に倒れ、帰らぬ人となってしまいます。このことで斉竺も傅容を恨み、彼女と距離を置くようになりました。
一方、徐晉は皇帝に斉策の件の進捗を報告し、更なる指示を受けます。
ネタバレ
秦卿が簪を窓に挿したことで、徐晉の部下が動き出し、楼閣を取り囲み、酒楼を破壊しました。信都侯府では、秦卿と斉策が信都侯に呼び出され、なぜアジトが襲撃されたのかと激しく叱責されました。特に斉策には怒りが集中し、信都侯は彼を蹴り倒し、五日のうちに粛王闇殺を成功させなければ、妹の斉竺もろとも罰すると命じました。
窮地に立たされた斉策と秦卿は、斉竺と母を城外へ逃がし、後で合流する計画を立てました。斉策は傅宣の名を呟きながら薬瓶を握りしめ、何かを企んでいる様子でした。その時、石灯に酔春閣の模様がついた手紙を見つけ、中には銀の簪と酔春閣へ来るように指示された紙片が入っていました。
一方、傅容は誤解を解こうと傅宣に再び会いに行きましたが、証拠がなく、信じてもらえません。そこに小七と小八が斉策が酔春閣にいると知らせ、傅容は傅宣を連れて真相を確かめに向かいました。
酔春閣では、秦卿が荷物をまとめていましたが、そこに斉策が現れ、二人とも異変を感じます。外では傅容と傅宣が到著し、傅容の声と共に扉が開け放たれた瞬間、中から刀が傅容に向けられました。徐晉が間一髪で傅容を庇い、「容児」と呼びながら、まるで現場を押さえられた遊び人のように振る舞います。混乱する状況の中、傅容は斉策を平手打ちしました。斉策は傅宣に説明しようとしますが、傅宣は粛王の周りの危険な雰囲気に気づき、その場を離れるべきだと判断します。徐晉は傅容と共に酔春閣を去り、疑いを晴らしました。
この一件で傅宣は斉策の本性を見抜き、彼との関係を完全に断ち切りました。しかし、事件の背後にはまだ多くの謎が残っていました。夜、斉策と秦卿は逃亡を図りますが、徐晉の待ち伏せに遭い、斉策は捕らえられました。徐晉は皇帝に報告し、斉策が按察使だけでなく、関岩鎮の軍餉横領事件にも関わっていることを明らかにしました。皇帝は確固たる証拠を集めるよう徐晉に命じました。
信都侯府では、徐茂と信都侯が斉策逮捕後の対応を協議し、今更口封じは危険だと判断、慎重な行動と端妃の協力を必要だと考えました。
斉竺は兄の逮捕を知り、病の母を置いて家に戻りました。傅家は騒動を避けるため、傅宣は雲羅寺へ修行に行くことにします。道中、侍女の抱竹が人とぶつかり、画軸を取り違えてしまいました。傅宣が画軸を柳如意に渡した後、小厮の碧玉が間違いに気づき、正しい画軸を届けました。
斉府では、斉竺の嫁入り道具が大夫人に押収され、斉竺は兄に会うため、嫁入り道具の一部を返してほしいと懇願しました。傅容は斉竺を助け、斉策との面会を実現させます。獄中で拷問を受け傷だらけの斉策は、傅容のおかげで面会できたと聞き、傅家の姉妹こそが自分の不幸の原因だと激しく非難し、斉竺を責めました。斉竺は傅容への不信感を募らせ、距離を置くようになります。その後、斉竺の母は息子の身を案じながら亡くなり、斉竺はすべての不幸を傅家のせいにし、傅容への態度はさらに冷たくなりました。
第5話 感想
第五話は、物語が大きく動き出す重要な転換点と言えるでしょう。斉策の悪事が露見し、逮捕されるという劇的な展開は、今後の物語に大きな影を落とすことは間違いありません。特に印象的だったのは、徐晉の機転と傅容の勇敢さです。酔春閣での修羅場、徐晉はとっさの判断で傅容を守り、遊び人を装うことで危機を回避しました。傅容もまた、混乱する状況の中でも斉策を平手打ちするなど、毅然とした態度を見せました。二人の息の合った連携プレーは、見ていて爽快感すら覚えました。
一方、傅宣は斉策の裏切りに深く傷つき、彼との決別を決意します。これまで一途に斉策を想ってきた彼女にとって、これはどれほど辛い決断だったでしょうか。雲羅寺への出家という選択は、彼女の悲しみと絶望の深さを物語っています。
また、斉竺の境遇も胸を締め付けられます。兄の逮捕、母の病、そして嫁入り道具の没収…次々と降りかかる不幸に、彼女はただただ耐えることしかできません。傅容はそんな彼女に手を差し伸べますが、皮肉にもそれがさらなる悲劇を生んでしまう結果となります。善意が誤解を生み、二人の友情に亀裂が入ってしまう様子は、見ていて非常に辛かったです。
つづく