あらすじ

物語は、梅嶺の激戦による悪夢から目覚めた蘇哲そてつこと梅長蘇ばいちょうそが、十二年の時を経て、周到に練り上げた大計を実行に移すべく都へと向かう決意を固める場面から始まる。梅長蘇ばいちょうそは「琅琊榜首、江左梅郎」と称され、麒麟の才子と謳われ、その知略を得れば天下を得るに等しいとまで言われている。皇位継承権を争う太子と誉王よおうは、こぞって梅長蘇ばいちょうそに接近を試みる。時を同じくして、誉王よおうが功績を挙げたことで褒美を賜り、太子は不安を募らせる。梅長蘇ばいちょうそ蕭景睿しょうけいえいらと共に都入りを決意し、寧国侯府に身を寄せ、行動を開始する準備を整える。また、穆霓凰ぼくげいおうの帰京と、梁帝りょうていが彼女のために武術による婿選びを準備していることも描かれる。梅長蘇ばいちょうその旧友である藺晨りんしんは彼の脈を取り、その衰弱した体を知るも、梅長蘇ばいちょうそは自らの使命を完遂する決意を揺るがさない。物語全体は、権力闘争と深い情のもつれに満ちている。

ネタバレ

十二年前の梅嶺の激戦の悪夢にうなされ、目を覚ました梅長蘇ばいちょうそ。腕輪に刻まれた「林」の字を撫で、深い悲しみに沈む。琅琊閣閣主・藺晨りんしんは、北燕で後ろ盾のない六皇子の太子即位を知り、その鍵が琅琊閣の錦囊にある「麒麟の才子を得れば天下を得る」という予言だと気付く。

梁では、老齢の皇帝の下、太子と誉王よおうが長年皇位を争っていた。誉王よおうの功績を認めようとする皇帝に対し、太子は焦燥感を募らせる。誉王よおうもまた、太子派の刺客を返り討ちにし、もはや引くに引けない状況を悟る。

太子と誉王よおうは麒麟の才子の正体を琅琊閣に尋ね、「琅琊榜首、江左梅郎」こと梅長蘇ばいちょうそだと知る。両者はこぞって彼を味方につけようと、使者を送る。

一方、卓家の長男・卓青遥たくせいようは、慶国公けいこくこう一族を訴える老夫婦を護送中、双刹幫に襲撃される。江左盟の領地へ逃げ込んだところを、梅長蘇ばいちょうそと護衛の飛流ひりゅうに助けられる。

蕭景睿しょうけいえい言豫津げんよしんは、友人の梅長蘇ばいちょうそを都に迎える準備をしていた。道中、大渝の使節と出会い、十二年前の梅嶺の戦い以来途絶えていた両国の交流が再開されたことに驚く。

江左盟に戻った梅長蘇ばいちょうそは、藺晨りんしんに都入りを決意したと告げる。しかし、藺晨りんしん梅長蘇ばいちょうその病状が悪化していることを知り、都入りを止めようとする。梅長蘇ばいちょうそは、もう待てないと訴え、あと二年の延命を頼む。

金陵に到著した梅長蘇ばいちょうそは、感慨深く都を眺める。同じ頃、郡主の穆霓凰ぼくげいおうも都に戻り、蕭景睿しょうけいえい言豫津げんよしんと武芸の腕を競う。梅長蘇ばいちょうそは、轎の中でその様子を密かに見守る。

寧国侯府に「蘇哲そてつ」と名を変えて身を寄せた梅長蘇ばいちょうそ。寧国侯・謝玉しゃぎょくは、初対面ながらどこか懐かしい印象を抱く。

皇帝は、霓凰げいおうのために比武招親の擂台を設ける。霓凰げいおうは、文試の上位十名と戦い、勝者を選ぶことを提案する。また、皇帝は懸鏡司の夏冬かとう に、慶国公けいこくこう一族の不正に関する密偵を命じる。

霓凰げいおう夏冬かとう は旧知の仲。夏冬かとう は、夫・聶鋒じょうほうが林氏に殺されたことを根に持ちながらも、霓凰げいおうの幸せを願う。霓凰げいおうは、今回の比武招親には皇帝の思惑が隠されており、良縁に恵まれなければ危険が及ぶと夏冬かとう に明かす。

第1話の感想

「琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~」第1話は、重厚な物語の幕開けを感じさせる、引き込まれるエピソードでした。冒頭の梅長蘇ばいちょうその悪夢は、12年前の梅嶺の戦いの壮絶さと、彼が背負う深い悲しみを鮮烈に印象付けます。過去と現在の交錯、そして復讐を誓うかのような強い意誌が感じられ、今後の展開への期待が高まります。

琅琊閣の錦囊に記された「麒麟の才子」の存在が、北燕の皇子選びに影響を与えたという事実は、物語にミステリアスな要素を加えています。梅長蘇ばいちょうそこそがその麒麟の才子であり、彼を巡る太子と誉王よおうの闇闘は、これから激化していくであろう権力争いを予感させます。

また、卓青遥たくせいようと双刹幫の戦闘シーンは、緊張感あふれるアクションで視聴者を魅瞭しました。梅長蘇ばいちょうそ飛流ひりゅうの登場は、江左盟の力と梅長蘇ばいちょうその知略を垣間見せる効果的な演出でした。

蕭景睿しょうけいえい言豫津げんよしんとの再会は、梅長蘇ばいちょうその人間的な側面を垣間見せる温かいシーンでした。しかし、藺晨りんしんとの会話では、彼の病状の深刻さと、限られた時間の中で復讐を果たそうとする強い決意が明らかになり、胸を締め付けられます。

つづく