言侯爷はついに梅長蘇の説得に応じ、行動を中止した。理由を問う言侯爷に対し、梅長蘇は「情義のある方をお救いしたいだけだ。軽挙妄動はしないでほしい」と答えた。言侯爷は彼の侠気に感嘆しつつも、誉王を補佐するべきではないと忠告する。誉王は梁帝に酷価し、冷酷無情だからだ。別れ際、言侯爷は「もしもの時は息子を助けてほしい」と懇願し、梅長蘇は快諾した。
誉王は何文新の替え玉を見つけ、刑部と共謀して彼を釈放させた。梅長蘇は何敬中の病気が回復し、朝議に復帰したことから、誉王が何文新に手を回したことに気づき、黎舵主に調査を命じる。同時にこの情報を謝玉に流し、吏部と刑部の弱体化を図る。
斉敏は何敬中に何文新をすぐに都から出すよう厳命したが、何文新は甘やかされて育ったため、釈放後も屋敷に戻ってしまった。この隙を突かれ、謝玉と文遠伯は逃亡を図る何文新を捕らえ、騒動は宮中にまで届いた。
大晦日、家々が賑やかに新年を迎える中、謝玉は皆を下がらせ、卓鼎風と密かに料理を運ぶ内侍の闇殺を企てる。
言豫津は梅長蘇のおかげで一族が助かったことを父から聞き、元旦に感謝を伝えに訪れた。蕭景睿は、何文新の一件から朝政の混乱に触れ、梅長蘇の「立君立徳」の言葉を思い出し、豫津に「梅長蘇は本当に誉王を補佐しているのだろうか」と疑問を投げかける。
例年通り、重臣に料理を届ける内侍と護衛の禁軍が闇殺され、梁帝は激怒する。禁軍統領の蒙摯は警護の不備を咎められ、杖刑に処され、30日以内に事件を解決するよう命じられる。謝玉は卓鼎風に出歩くことを禁じ、次の計画のために雇った刺客を使うよう指示する。また、懸鏡司が密かに捜査することを警告する。
梅長蘇は飛流と共に穆王府へ新年の挨拶に訪れた。そこで大晦日の事件を聞き、太子か誉王の仕業だと推測する。
第14話の感想
第14話は、静かな水面下で様々な陰謀が渦巻く、緊張感あふれる展開でした。言侯爷の件が一段落したと思いきや、すぐに何文新の一件が勃発し、梅長蘇の周到な計画性と冷徹な判断力が際立ちます。誉王の浅慮さ、そして何敬中の甘さが露呈し、彼らの失策が梅長蘇の策略に完璧にハマっていく様子は、見ていて痛快ですらあります。
特に印象的なのは、大晦日の賑やかな情景と、謝玉の冷酷な闇殺計画の対比です。一家団欒の温かい雰囲気とは裏腹に、冷徹に事を進める謝玉の姿は、彼の残忍さを改めて浮き彫りにしています。また、梅長蘇が新年早々穆王府を訪れ、事件の黒幕を即座に見抜くシーンも、彼の洞察力の鋭さを示す象徴的な場面と言えるでしょう。
そして、蕭景睿の言葉が今後の展開を闇示している点も見逃せません。「梅長蘇は本当に誉王を補佐しているのだろうか」という疑問は、視聴者にも同じ問いを投げかけ、今後の物語の行方への期待感を高めます。
つづく