あらすじ
第十五話は、謝玉が周到に計画した除夕の夜に起きた殺人事件を中心に描かれています。彼の狙いは、この事件を利用して蒙摯を失脚させ、自らの地位向上を図ることでした。夏冬 と夏春はこの事件の調査を命じられ、犯人は剣術の達人であると初步的に判断し、天泉山荘に疑いの目を向けます。誉王は秦般若の進言を受け、蒙摯のために弁護しようと試みますが、梅長蘇はそれがかえって誉王と蒙摯を皇帝の猜疑の対象にすると指摘します。梅長蘇は自ら積極的に策を講じ、藺晨に捜査を急がせるだけでなく、天泉山荘の背景調査を指示し、謝府への監視も強化します。さらに、梅長蘇は蒙摯に適切な時期に辞職を申し出るよう助言し、党争に巻き込まれるのを避けさせようとします。
この話では、蕭景睿が卓青遥に抱く疑念、宮中で起きた放火事件、そして皇后によるその事件への強硬な対応なども描かれ、様々な勢力間の複雑な駆け引きが展開されます。
ネタバレ
謝玉は蒙摯を失脚させ、自らが後釜に座るため、大晦日の夜に事件を起こした。周到に準備された策略に、蒙摯は全く気づいていない。梁帝は夏冬 ・夏春兄妹を呼び、事件の密偵を命じる。初期調査で、傷跡から夏冬 は剣術の達人の仕業だと判断。夏春は江左盟を疑うが、夏冬 は否定し、天泉山荘に疑念を抱く。
秦般若は誉王に、蒙摯のために皇帝に嘆願するよう進言する。これは皇帝の怒りを買わず、蒙摯の恩情も得られる一石二鳥の策だ。誉王は急いで宮殿へ向かい、訪ねてきた梅長蘇とすれ違う。誉王府に戻った誉王に、梅長蘇は今回の件で損をしたと指摘。誉王と蒙摯は共に皇帝の猜疑の対象となるだろうと警告し、謝玉が禁軍統領の座を狙っているため警戒するよう忠告する。
藺晨から南楚での仕事が順調だという伝書鳩が届く。梅長蘇は彼に4月12日までに必ず都に戻ってくるよう指示を出す。梅長蘇は黎舵主に天泉山荘と近年関わりのある達人の調査を天機堂に依頼し、同時に謝玉の邸宅周辺の厳重な監視を命じる。十三先生も都に滞在する腕利きの調査を進めている。
梅長蘇は飛流を連れ、夜に蒙摯を訪ねる。期限の1ヶ月が来たら皇帝に辞職を願い出るよう伝え、党争に関わっていると疑われないように助言する。梅長蘇は黒幕は謝玉だと分析し、懸鏡司が事件を解決するように仕向けると告げる。蒙摯には安心して療養し、吉報を待つように言う。
蕭景睿は大晦日の夜遅くに帰宅する卓青遥と偶然出会い、言葉を交わす。その後、妹の謝綺から卓青遥がその夜は外出していないと聞き、疑問を抱く。
宮殿で放火事件が発生。犯人は禁軍に射殺されるも、梁帝は激怒し皇后を叱責する。越貴妃は大いに得意げになる。太子派の動きを警戒し、皇后は規律違仮の宮女たちを杖刑に処し、見せしめにする。
宮羽は梅長蘇への想いに駆られ、十三先生に内密で蘇宅を訪ねる。しかし、梅長蘇は昼寝中で会えず、落胆して帰る。
蕭景睿と言豫津が蘇宅を訪れる。雑談の中で言豫津は梅長蘇を元宵節に妙音坊へ誘い、梅長蘇は快諾する。天泉山荘の剣法を探りたい梅長蘇は、蕭景睿の剣術の上達ぶりを見たいと持ちかけ、それとなく卓家の都を離れる時期を探る。蕭景睿の誕生日である4月12日以降だと知り、自身の計画と一緻するため、景睿の誕生日を祝うため侯府を訪れることを約束する。
沈追は靖王を訪ね、私砲造りの捜査が進展し、近々上奏すると報告する。二人は意気投合し、話が弾む。見送る際、靖王は沈追に身の安全に気をつけ、警戒するよう忠告する。
十三先生は卓鼎風と関係のある9人の達人が都にいることを突き止める。梅長蘇は「奴らを動けなくしろ!」と命令を下す。
第15話の感想
第15話は、陰謀が渦巻き、それぞれの思惑が複雑に絡み合う展開に息を呑みました。謝玉の周到な計画、梅長蘇の冷静な分析と対応、そして宮廷内の権力争いなど、見どころ満載でした。
特に印象的だったのは、梅長蘇の知略です。誉王への助言、蒙摯への指示、天泉山荘の調査など、全てが緻密に計算されており、彼の才覚を改めて感じさせられました。また、飛流とのやり取りには、彼の冷徹な一面とは異なる、人間らしい温かさも垣間見え、より一層彼の魅力に引き込まれました。
一方、蕭景睿の葛藤も心に響きました。大晦日の夜に卓青遥と出会い、その後、妹の謝綺から矛盾する証言を聞くシーンは、彼の疑念が深まる様子が丁寧に描かれており、今後の展開が気になります。
つづく