あらすじ
第二十話は蕭景睿の誕生日を巡る様々な出来事を描いています。梅長蘇たちは祝いの席に招かれ、貴重な贈り物を贈ります。一方、夏冬 は卓鼎風を大晦日の内監殺害事件の犯人と疑っており、武術の試合を口実に真相を探ろうとしますが、決定的な証拠は掴めません。そこへ岳秀澤が乱入し、卓鼎風に挑戦状を叩きつけます。結果、卓鼎風は奥義を使わずに戦い、傷を負い武功を失ってしまいます。
その後、岳秀澤と共に現れた念念が、実は蕭景睿の異母妹であることを明かし、一同は騒然となります。特に景睿自身は大きな衝撃を受けます。
そして宮羽は、長公主と晟王の恋物語、そして謝玉が長公主の胎内にいた子の父親を殺害させたという真実を暴露し、祝いの席は大混乱に陥ります。真実の暴露を阻止しようと、謝玉は宮羽の殺害を命じます。
ネタバレ
蕭景睿の誕生日。梅長蘇、蒙摯、夏冬 などが祝いのため寧国公府を訪れ、宮羽も約束通り宴に花を添えた。梅長蘇は貴重な護心丹を十粒、景睿への贈り物とした。言豫津がそれをねだり、皆で笑い合う賑やかな宴となった。
しかし、夏冬 は密かに卓鼎風を大晦日の内監殺害事件の犯人と睨んでおり、死体の傷から証拠を得ようとしていた。宴の席で、夏冬 は卓鼎風と武芸の試合を申し込む。これは彼の剣筋を見極めるためだったが、警戒していた卓鼎風は隙を見せなかった。
その時、岳秀澤が衛兵の製止を振り切り、寧国公府に乱入し卓鼎風に挑戦状を叩きつけた。高手同士の戦いは一瞬で決まる。夏冬 の前で弱点を見せることを恐れた卓鼎風は、翌日改めて戦うことを提案する。しかし岳秀澤は一歩も引かず、即刻決著をつけようとする。謝玉の製止も聞かず、卓鼎風は江湖の掟に従い試合に応じるが、最後の瞬間、わざと気を逸らした隙に右腕の筋を切られ、武芸の道を絶たれてしまう。
岳秀澤と共に乱入した念念は、景睿の前に歩み寄り、顔を覆っていたベールを外し、優しく「お兄様」と呼びかけた。突然の出来事に景睿は雷に打たれたように stunned する。居合わせた者たちは皆、念念と景睿のあまりに価た顔に驚愕する。陵王宇文暄は念念を長公主の前に連れて行き、彼女が嫻玳郡主宇文念、晟王宇文霖の娘であると紹介した。長公主は既に涙を流していた。実は二十数年前、大梁に人質として来ていた晟王と莅陽長公主は恋に落ちたが、大梁皇室の仮対にあい、太皇太后の圧力に屈した晟王は都を去ることになった。その時、長公主は既に身ごもっていたのだ。
全てを理解した景睿は、それでも最後の望みをかけて長公主に事実確認を求める。言葉を詰まらせる長公主の表情を見て、景睿は陵王の言葉が真実だと悟り、絶望に沈む。
その時、宮羽の悲痛な笑い声が響き渡る。皆が不思議そうに彼女を見つめる中、宮羽は涙ながらに残酷な真実を語り始めた。謝玉は長公主の子が自分の子ではないことを知っており、密かに刺客を雇い殺害を企てた。宮羽の父はその刺客だったのだ。
衝撃の事実に、卓家の人々は凍り付く。謝玉はこれ以上宮羽に喋らせてはならないと悟り、その場で彼女を殺すよう命じた。
第20話の感想
第20話は、まさに「嵐の前の静けさ」から「嵐の真っ隻中」へと転換する、息もつかせぬ展開でした。前半の賑やかな誕生日祝いの雰囲気から一転、後半は衝撃の連続で、視聴者を感情のジェットコースターに巻き込みます。
特に印象的なのは、複数の秘密が同時多発的に明かされる構成です。卓鼎風の秘密、景睿の出生の秘密、そして宮羽の父の秘密。それぞれが複雑に絡み合い、物語の奥行きを深めています。
景睿の出生の秘密は、彼の人生を根底から覆すほどの衝撃的なものでした。これまで大切に思ってきた家族、友人、そして自分自身の存在意義さえも揺るがされる苦悩は、計り知れません。演じる程皓楓の繊細な演技が、景睿の心の揺れ動きを見事に表現していました。
つづく