あらすじ
第39話は、夏冬 が梁帝の御前で衛崢奪還と殺害の事実を認め、師・夏江を守ろうとする様子を描いています。しかし、彼女の証言は梁帝の疑念を招き、懸鏡司に疑いの目が向けられることになりました。夏江は夏冬 の逮捕を知り、梅長蘇の殺害を企てますが、梅長蘇は機転を利かせて時間を稼ぎ、蒙摯の到着を待ちます。一方、誉王は夏江の逮捕により自身の立場が危うくなったことを予感します。時を同じくして、梁帝は蔡荃と沈追の上奏により、私砲坊爆発事件の真相が誉王の義弟・朱樾に繋がっていることを知ります。梁帝は皇室の体面を保つため、事件の深追いを避けようと決断します。そして、危機を脱した梅長蘇は体調を崩しますが、なおも大局を案じています。最後に、靖王は梅長蘇の無事を確認し、安堵の表情を浮かべるのでした。
ネタバレ
夏冬 は梁帝の追及を受け、衛崢を救出したこと、そして夫の仇として彼を殺したことを認めた。全ての罪を一人で背負い、師・夏江をかばおうとするが、辻褄の合わない証言に梁帝は激怒し、疑念は懸鏡司へと向けられる。
夏江は夏冬 が蒙摯に連れ去られたと聞き、まずい事態になったと察知し、夏春と夏秋に梅長蘇の抹殺を命じる。梅長蘇は冷静に二人を相手に時間を稼ぐ。一方、蒙摯は既に夏江逮捕と懸鏡司封鎖の勅命を受け、梅長蘇の命が時間と共になくなっていくことを理解し、急いで懸鏡司へ駆けつけ、夏江を捕らえる。夏江逮捕の報を聞いた夏春は、蒙摯が牢獄に著く前に梅長蘇を殺そうと襲いかかる。千鈞一髪、飛流が現れ、緻命的な一撃を受け止め、夏春に重傷を負わせる。梅長蘇は危機を脱した。
誉王は夏江が捕らえられたと知り、自身も巻き込まれることを予感し、府邸で対策を練る。
梁帝は怒り心頭で、夏江と誉王が結託して靖王を陥れたと確信していた。党争に関わらないはずの懸鏡司に騙されていたことに、彼は到底許すことができなかった。
蔡荃と沈追は急ぎ謁見し、私砲坊事件に新たな事実があると奏上する。数百人の死傷者を出した爆発は事故ではなく、大理寺卿であり誉王の義弟でもある朱樾が関与しているという。梁帝は奏状を読み、全てを悟った。それは誉王が廃太子に対抗するために仕組んだ爆発だったのだ。
その時、救出された梅長蘇は囚らわれた夏江の前に現れる。夏江は「あと七日だ。人が死ねば全てが無になる。お前も勝者にはなれない」と叫ぶ。蒙摯はその言葉に不審を抱き尋ねるが、梅長蘇は言葉を濁す。
誉王は懸鏡司の件で呼び出されたと思い、宮殿で身の潔白を訴える。しかし、梁帝から私砲坊の奏状を見せられ、事の真相を理解し、ただひたすらに冤罪を主張するのみ。蔡荃と沈追は三司による会審と誉王の傍聴を要求する。梁帝は証拠が揃っており、誉王の言い逃れは不可能だと分かっていた。皇家の体面を守るため、朱樾までで捜査を止め、早期の結審を命じる。
蘇宅に戻った梅長蘇は、大量の血を吐き倒れる。それでも素穀主と衛崢の無事を確認し、ようやく安堵する。他の用事を指示しようとする梅長蘇を、心配する晏大夫が製止する。
蒙摯は夏江が罪を認めず、梁帝への謁見を求めていると報告する。梁帝は夏江に深い不信感を抱き、面会を拒否し、供述書のみを提出させる。
靖王は梅長蘇が蘇宅に戻ったと聞き、張り詰めていた気持ちがようやく和らぐ。
第39話の感想
第39話は、これまで張り巡らされてきた伏線が一気に回収され、物語が大きく動くスリリングな展開でした。夏冬 の告白から始まり、夏江の悪事が暴かれ、誉王の陰謀も白日の下にさらされるという怒涛の展開に、息をするのも忘れて見入ってしまいました。
特に印象的だったのは、梅長蘇の窮地です。夏江に命を狙われ、まさに絶体絶命のピンチでしたが、飛流の機転と蒙摯の迅速な行動によって九死に一生を得るシーンは、手に汗握る緊張感がありました。梅長蘇の知略と人望、そして彼を守る人々の強い意誌が感じられ、胸を打たれました。
また、梁帝の怒りと苦悩も印象的でした。長年信頼してきた夏江の裏切りに、彼の心は深く傷ついていることが伝わってきました。権力者としての威厳を保ちながらも、その内面では深い失望と悲しみを抱えている様子が、複雑な人間模様を描いていました。
つづく