あらすじ
第四十話は、誉王が皇位争いに敗れ落胆する様子を描いています。妃が弟の罪を詫びる中、誉王は成敗は天命であると嘆きます。一方、沈追は私砲房事件で心を痛める蔡荃を慰め、希望を捨てるなと励まします。
また、靜妃は梁帝に靖王を過度に寵愛しないよう進言しますが、梁帝は靖王への賞賛を口にし、三月の春闈で梅長蘇を召見させる意向を明かします。蒙摯は夏冬 を訪ね、夏江の罪の深さを伝え、夏冬 は蒙摯を通して靖王と梅長蘇に、亡くなった者たちの無念を晴らしてほしいと願います。
靖王は、夏江の奸計によって梅長蘇が烏金丸を服用させられ、病に倒れたことを知り、急ぎ見舞いに訪れます。そして、亡き者たちの名誉回復を誓います。秦般弱は偽名を使い牢獄で夏江と面会し、夏江は三月の春猟が巻き返しの好機だと語ります。
最後に、梅長蘇は自身の火寒毒で烏金丸の毒を消し止めます。靖王は、亡き者たちのために正義を貫く決意をさらに強くします。
ネタバレ
誉王は屋敷に戻り、ひどく落胆していた。誉王妃は弟の代わりに誉王に詫びを入れるが、誉王は成王敗寇は定めであり、もはや自分が皇位に就くことはないと嘆く。沈追の屋敷では、蔡荃が殿上の出来事や梁帝の私砲房事件への対応を思い出し、憤慨して酒に溺れていた。そして靖王の身を案じるが、沈追はこんな時こそ希望を捨ててはいけないと蔡荃を慰める。
芷羅宮では、靜妃が梁帝に靖王への寵愛を控えるよう懇願する。梁帝は靜妃を安心させると共に、懸鏡司の横暴を怒り、夏江に迫害された梅長蘇のことを口にする。靜妃は好奇心を装って梅長蘇について尋ね、靖王のために梅長蘇が濡れ衣を著せられたことを嘆く。梁帝は靜妃に、靖王に梅長蘇からもっと教えを乞うように伝えるよう促す。
蒙摯は大牢にいる夏冬 を訪ね、再び立ち直るよう励ます。夏冬 は夏江の罪について尋ね、蒙摯は夏江の罪は死罪に値すると正直に答える。夏冬 は蒙摯に、靖王と梅長蘇に必ず亡くなった者の名誉を回復してほしいと伝えるよう頼む。
梁帝は靜妃に、靖王はただ政務をこなすだけの王爷で良いのかと探りを入れる。靜妃は恐れおののくが、梁帝は靖王への賞賛を靜妃に伝え、三月の春闈には靜妃を同行させ、梅長蘇を召見させることを約束する。
靖王は靜妃を見舞うため入宮する。靜妃は小新を呼び、靖王は靜妃が芷羅宮に閉じ込められていた時の真相を知る。靖王は罪悪感を抱き、梅長蘇に謝罪することを決意する。靖王は雪の中、蘇宅を訪れるが、梅長蘇が病に倒れたという知らせを受ける。駆けつけた蒙摯は、梅長蘇が夏江に烏金丸を無理やり飲まされたことを皆に伝える。
秦般弱は変装して牢獄に入り、夏江に指示を仰ぐ。夏江は三月の春猟にまだ機会があると告げ、誉王に伝えるよう秦般弱に指示する。靖王と蒙摯は天牢に駆けつけ、夏江に烏金丸の解毒剤を渡すよう迫るが、夏江は靖王が軽々しく行動しないと踏んでいる。梅長蘇の火寒毒が烏金丸の毒性を中和し、皆は安堵する。靖王は小殊のことを思い出し、悲しみに暮れ、亡くなった者の冤罪を必ず晴らすと心に誓う。
第40話の感想
第40話は、登場人物それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まるエピソードでした。誉王の失意、靜妃の賢明さ、夏冬 の強い意誌、そして梅長蘇の病状悪化など、様々な展開が描かれています。
特に印象的なのは、靜妃の立ち回りです。梁帝の前では靖王への過剰な寵愛を避けるよう願い出る一方で、靖王には梅長蘇の助言を求めるよう促すなど、非常に巧みに立ち回っています。一見控えめな靜妃ですが、息子のために水面下で尽力する姿は、母としての強さを感じさせます。
また、梅長蘇が夏江に烏金丸を飲まされ、病状が悪化する場面は、見ているこちらも胸が締め付けられる思いでした。火寒毒の影響で一命を取り留めたものの、彼の身体は限界に近づいていることを改めて実感させられます。
つづく