あらすじ

第四十二話はいくつかの重要な出来事を軸に展開します。まず、秦般弱しんはんじゃく玲瓏れいろう公主から誉王よおうに宛てた手紙を誉王よおうに渡します。その手紙には、誉王よおう梁帝りょうてい滑族かつぞくの公主の間に生まれた子であるという秘密が記されており、この事実に誉王よおう梁帝りょうていに対し激しい怒りを抱き、三月の春闈に合わせて謀反を起こすことを決意します。

一方、穆王府で療養していた衛峥えいせいは回復後、梅長蘇ばいちょうそと面会します。梅長蘇ばいちょうそ衛峥えいせいに対し、靖王せいおうに自分の本当の身分を明かさないよう釘を刺します。その後、靖王せいおう衛峥えいせいから十三年前の赤焰軍せきえんぐん謀反の真相、つまり赤焰軍せきえんぐんが冤罪を着せられていた事実を聞き、深い悲しみと怒りに暮れます。

また、秦般弱しんはんじゃくは策略を用いて梅長蘇ばいちょうそがかつて毒に侵されていたという秘密を探り当てます。

そして、三月の春闈が到来し、梁帝りょうてい一行は九安山へ向かいます。その道中では、靜妃しずひ梅長蘇ばいちょうそに面会を求めるなど、様々な出来事が起こり、今後の展開への伏線が張られます。

ネタバレ

秦般弱しんはんじゃくは、ずっと懐にしまっていた錦囊を夏江かこうに見せた。二人は驚愕した。中には璇璣せんき公主の姉、玲瓏れいろう公主が誉王よおうに宛てた手紙が入っていたのだ。さらに信じられないことに、手紙には誉王よおう梁帝りょうてい滑族かつぞく玲瓏れいろう公主の子供であることが記されていた。

秦般弱しんはんじゃく誉王よおう府へ急ぎ戻り、涙ながらに手紙を誉王よおうに渡した。そして、誉王よおうの体には滑族かつぞくの血が流れていることを告げた。誉王よおうは衝撃を受け、今までの鬱憤を梁帝りょうていにぶつけ、三月の春闈を利用して謀仮を起こすことを決意した。

穆王府で三ヶ月静養していた衛崢えいそうは、ついに梅長蘇ばいちょうそと再会を果たした。梅長蘇ばいちょうそ衛崢えいそう靖王せいおうに会っても決して以前の自分の身分を明かさないようにと釘を刺した。靖王せいおうは夜陰に紛れて密道を通って雪廬へ行き、衛崢えいそうから十三年前、赤焰軍せきえんぐんが大渝の軍を打ち破った後、梅嶺で謝玉しゃぎょくの奸計にはまり、ほぼ全滅させられた真相を直接聞いた。

靖王せいおうはついに梅嶺の真実を知り、悲嘆に暮れた。そして、梅長蘇ばいちょうそがもう二度と戻ってこないことを受け入れざるを得なくなった。梅長蘇ばいちょうそはそれを見て胸を締め付けられる思いだったが、感情を抑え、靖王せいおうに策を授けた。

秦般弱しんはんじゃく雋娘じゅんなを使って童路とうろを騙し、梅長蘇ばいちょうそが過去に火寒毒にかかったことがあるという情報を得た。三月の春闈、靖王せいおうが護衛を務める中、梁帝りょうてい靜妃しずひと共に九安山へ向かった。そして靖王せいおう梅長蘇ばいちょうそも連れてくるように命じた。一行が野営した後、靜妃しずひ梁帝りょうていが休んでいる間に靖王せいおう梅長蘇ばいちょうそを連れてくるように言った。

第42話の感想

第42話は、物語の核心に迫る重要な局面がいくつも描かれ、息を呑む展開でした。誉王よおうの出生の秘密、梅長蘇ばいちょうそ衛崢えいそうの再会、そして靖王せいおうによる梅嶺の真実の解明と、それぞれのシーンが大きな意味を持ち、今後の物語の展開に大きな影響を与えそうです。

特に印象的だったのは、誉王よおうが自分の出生の秘密を知ったシーンです。これまで梁帝りょうていへの複雑な感情を抱いていた誉王よおうですが、今回ついにその理由が明らかになりました。滑族かつぞくの血を引くという事実を知り、怒りと憎しみに燃える誉王よおうの姿は、見ていて胸が締め付けられるようでした。彼が今後どのような行動に出るのか、非常に気になるところです。

また、梅長蘇ばいちょうそ衛崢えいそうの再会のシーンも感動的でした。長年再会を望んでいた二人の喜びがひしひしと伝わってきて、思わず涙ぐんでしまいました。しかし、梅長蘇ばいちょうそは自分の正体を明かすことなく、衛崢えいそう靖王せいおうへの協力を求めるなど、冷静さを保っている様子が描かれていました。彼の複雑な心境を考えると、切ない気持ちになります。

つづく