あらすじ

第四十四話は、夏江かこう秦般弱しんはんじゃくが夜陰に紛れて懸鏡司の秘密牢を訪れ、梅長蘇ばいちょうその毒に関する資料を探す場面から始まります。それと時を同じくして、誉王よおうは九安山へ攻撃を開始。蒙摯もうし率いる軍隊がこれを迎え撃ち、誉王よおうの先鋒部隊に大きな打撃を与えます。

誉王よおうは陽動作戦を用いて九安山を包囲しようとしますが、梅長蘇ばいちょうそはこの計略を見破ります。梅長蘇ばいちょうそ蒙摯もうしに敵の足止めを命じ、庭生ていせい宮羽きゅううには宗親を狩猟用の離宮へ避難させるよう指示を出します。

離宮では、梅長蘇ばいちょうそたちは決死の覚悟で守りを固めます。慶歴軍の猛攻に晒されながらも、一歩も引くことなく抵抗を続けました。

そしてついに、靖王せいおうの命を受けた穆霓凰ぼくげいおうが到着。慶歴軍を撃退する援軍となり、形勢逆転。その後、靖王せいおう率いる大軍が到着し、もはやこれまでとなった誉王よおうを捕らえます。

捕らえられた誉王よおうと対面した梁帝りょうていは、深い失望と怒りを露わにします。誉王よおうはこれに対し、過去の出来事に対する己の見解を語り始めました。

ネタバレ

夏江かこう秦般弱しんはんじゃくは夜陰に紛れて懸鏡司の秘密牢に侵入し、梅長蘇ばいちょうその火寒毒の情報を探った。誉王よおうは九安山を攻撃、蒙摯もうしは迎撃に出るも誉王よおうの先遣隊に大打撃を受ける。誉王よおうは先遣隊に陽動作戦を命じ、密かに後続部隊を前線へ急行させた。

梅長蘇ばいちょうそ誉王よおうの包囲殲滅作戦を見抜き、蒙摯もうしに迎撃を指示する。庭生ていせい梅長蘇ばいちょうそに男児として国に尽くしたいと申し出る。梅長蘇ばいちょうそは宗親の安全確保という名目で庭生ていせい宮羽きゅううを狩猟場へ避難させ、自身は罠を仕掛けた。夜襲を企てた誉王よおうの先遣隊は虚を突かれる。

翌日、狩猟場で梅長蘇ばいちょうそたちは決死の覚悟を決めた。退路は断たれ、靖王せいおうの到著を待つのみ。慶暦軍は狩猟場へ迫り、守備隊は城門を固く閉ざし、城壁上で必死に抵抗する。しかし、数で勝る慶暦軍の猛攻を受け、城門は突破され、守備隊は身を盾にして殿門前で死闘を繰り広げる。狩猟場は陥落寸前となる。

殿内では、靜妃しずひ、言闕、紀王らが誉王よおうの圧力に屈しないと決意を表明し、梁帝りょうていも剣を手に共に立ち上がる。まさに危機一髪のその時、靖王せいおうの密命を受けた穆霓凰ぼくげいおうが九安山へ到著、後殿を支援し、慶暦軍の首領を討ち取る。

靖王せいおうは残党を掃討後、追い詰められた誉王よおうを捕らえる。梁帝りょうていは捕らえられた誉王よおうの前に現れ、逆子への愛が無駄だったと嘆く。誉王よおう玲瓏れいろう公主が自分を選んだことが間違いだったと自嘲し、梁帝りょうていを驚愕させる。

第44話の感想

第44話は、まさに手に汗握る展開でした。誉王よおうの周到な包囲作戦、梅長蘇ばいちょうその冷静な対応、そして狩猟場での壮絶な攻防戦と、息つく暇もない緊張感が続きます。

特に印象的なのは、梅長蘇ばいちょうその知略と覚悟です。彼は誉王よおうの策略を見抜き、自ら危険を冒して罠を仕掛けます。そして、狩猟場では、もはやこれまでと覚悟を決めた表情が胸を打ちます。庭生ていせい宮羽きゅううを安全な場所に避難させる一方で、自身は最前線に残り、静かに戦況を見つめる姿からは、深い責任感と覚悟が伝わってきます。

つづく