あらすじ

第四十八話は、梅長蘇ばいちょうその本当の身元が夏冬かとう に知られてしまう場面から始まります。彼は自身の病状の悪化と復讐の使命の間で苦悩し、葛藤します。蒙摯もうし霓凰げいおうに対し、梅長蘇ばいちょうそは体が弱っていても七万の赤焰軍せきえんぐんの名誉回復を果たすという強い決意を表明します。少しでも多くの時間を稼ぐため、藺晨りんしんに延命の協力を求めます。

一方、夏江かこうは密かに梁帝りょうてい梅長蘇ばいちょうその秘密を伝え、梁帝りょうていに大きな衝撃を与えます。梁帝りょうてい梅長蘇ばいちょうその身元調査に乗り出します。梅長蘇ばいちょうその体調は日に日に悪化しますが、それでもなお彼は目標を見失いません。

そして、夏江かこうは起死回生を図るべく、自ら宮中に赴き梁帝りょうていに面会します。事態を打開しようと試みる一方で、失敗した場合の最悪の事態も想定している様子が描かれます。

ネタバレ

衛崢えいそうの失言で、夏冬かとう梅長蘇ばいちょうそ梅長蘇ばいちょうそであると知ってしまう。彼のこれまでの苦難を思い、夏冬かとう は涙を流す。

梅長蘇ばいちょうそ蒙摯もうし霓凰げいおうに、自分を止めないでほしいと告げる。七万の赤焰軍せきえんぐんの汚名を晴らすという血の誓いがあり、それが危険な解毒方法を選んだ理由だと語る。霓凰げいおう梅長蘇ばいちょうそが最も苦しい時に傍にいられなかったことを深く悔やむ。蒙摯もうし梅長蘇ばいちょうそに静養を勧める。靖王せいおうが即位すれば冤罪は必ず晴らせると言うが、梅長蘇ばいちょうそは納得しない。後世に非議を唱えられないよう、今の皇帝の治世中に再審が必要だと主張する。霓凰げいおう梅長蘇ばいちょうその余命を尋ねるが、彼は彼女を悲しませまいと「十年」と嘘をつく。霓凰げいおうは十年も一緒にいられるなら十分だと、深い愛情を示す。

心身共に疲弊した梅長蘇ばいちょうそは再び倒れる。自分の死期が近いことを悟り、藺晨りんしんに一年間の猶予を願い出る。冤罪が晴れること、七万の魂が安らぐことをこの目で見届けたいと。藺晨りんしんは彼の身を案じるが、その強い意誌を曲げられず、治療に専念する。

夏江かこうは密書を礼盒に忍ばせ、宮女の琴兒を通じて越賢妃けんひに渡す。一方、太子となった景琰けいえんは政務に励み、皇帝の信頼を得ていく。

琴兒は越賢妃けんひに密書を渡し、夏江かこうとの協力を促す。越賢妃けんひは病に倒れたふりをして皇帝を昭仁宮しょうじんきゅうに呼び寄せる。そして、密書は夏江かこうの供述書だと明かし、梅長蘇ばいちょうそが火寒毒に侵されていたこと、そして梅嶺の生き残りである梅長蘇ばいちょうそであることを告げる。皇帝は衝撃を受け、密書を読み終えると重苦しい表情で、太史閣に火寒毒の資料を探させ、越賢妃けんひには夏江かこうに伝言を命じる。供述が事実なら、過去の罪は許すと。

藺晨りんしん聶鋒じょうほうの解毒に成功し、夏冬かとう は安堵する。そして獄中の宮羽きゅううと入れ替わる準備をする。その時、梅長蘇ばいちょうそ夏冬かとう に自分の余命が短いことを告げ、霓凰げいおうのことを託す。梅長蘇ばいちょうその発作は日に日に増え、藺晨りんしんは彼のツボを刺激し、治療に専念させる。

夏江かこうは皇帝に謁見することを決意する。失敗すれば死は免れないと覚悟し、琴兒に指示を出す。もし自分が死んだら、潜伏させている勢力を全て使い、復讐として定めた者たちの命を奪えと。

第48話の感想

第48話は、物語が大きく動き出す、緊張感あふれる回でした。衛崢えいそうの失言から夏冬かとう が真実を知り、梅長蘇ばいちょうその覚悟と霓凰げいおうの深い愛情が描かれるシーンは、胸が締め付けられるようでした。梅長蘇ばいちょうその余命がわずかだと知りながら、それでも大義のために突き進む彼の姿は、悲壮ながらも凛とした美しさを感じさせます。

一方、夏江かこうの策略によって、皇帝が梅長蘇ばいちょうその正体に気づき始める展開は、物語のクライマックスを予感させます。越賢妃けんひを利用した巧妙な計略は、冷酷ながらも効果的で、夏江かこうの執念深さを感じさせます。皇帝の仮応も、今後の展開を左右する重要なポイントとなるでしょう。

つづく