あらすじ
第五話は、百裏奇と三人の稚児が武英殿で行った比武招親での対決、そしてその後の一連の出来事を描いています。百裏奇は稚児たちの剣陣に破れ負傷し、比武から退くことを余儀なくされました。穆霓凰は皇帝に稚児たちの罪奴の身分を赦免するように願い出て、認められます。
宴の後、霓凰は百裏奇の負け方に不審を抱きます。梅長蘇は、百裏奇が実は江左盟の一員であり、霓凰の夫に相応しくない人物が選ばれるのを防ぐためにわざと負けたのだと明かします。
その後、霓凰は越貴妃の策略にはまり、毒入りの「情絲繞」を誤って飲んでしまい、昏睡状態に陥ります。靖王が間一髪で駆けつけ、霓凰を救出し、太子の派閥と衝突します。最終、皇后と太皇太后が介入し、靖王は霓凰を連れて無事にその場を離れます。越貴妃は陰謀が露見し、嬪に降格され、冷宮に送られます。
ネタバレ
百裏奇と三稚子の対決当日、靖王と霓凰は武英殿へ早めに到著。梅長蘇は霓凰に、莅陽公主からの忠告として、後宮の陰謀に気をつけ、口にする物に注意するよう伝える。
梁帝が見守る中、百裏奇は三稚子の剣陣に敗れ負傷。梁帝は大喜び。百裏奇は比武招親から脱落。霓凰は梁帝に三稚子の罪を許し、自分の府で鍛えたいと願い出て、許可を得る。庭生はついに自由の身となる。
宴の後、霓凰は百裏奇の負け方に疑問を抱く。梅長蘇は百裏奇が江左盟の人間だと明かし、霓凰の気に入らない者が十傑に選ばれるのを防ぎ、穆府への義理立てだと説明。詳しい話をしようとした矢先、皇后が霓凰を正陽宮に呼び出す。二人は皇后が霓凰に危害を加えようとしているのではないかと疑う。霓凰は警戒しながら正陽宮へ向かうが、何も口にしなかった。
宮からの帰り道、梅長蘇は蕭景睿と言豫津から、誉王府の廖延傑が二人を宮外で馬球に誘ったと聞き、霓凰を狙ったのは誉王と皇后ではなく、太子と越貴妃だと気付く。激怒のあまり、持病が悪化する。蒙摯が到著し、蕭景睿と言豫津を遠ざける。梅長蘇は蒙摯に靖王、皇后、穆青に霓凰救出の計画を伝えるよう指示。その頃、越貴妃は皇后の宮から霓凰を昭仁宮へ連れて行っていた。
越貴妃は故郷の話で霓凰と酒を酌み交わす。皇后が毒を盛ると思っていた霓凰は、越貴妃が杯を飲み幹すのを見て警戒を解き、「情絲繞」を飲んでしまう。侍女が太子と司馬雷の来訪を告げる。異変を感じた霓凰は退出を試みるが、目眩とふらつきに襲われる。最後の気力で司馬雷を倒し、殿から飛び出すも、宮に駆けつけた靖王の腕の中で倒れる。靖王は霓凰を昭仁宮から連れ出そうとするが、越貴妃と太子は侍衛に靖王を射殺するように命じる。靖王は機転を利かせ、太子を人質に取り、膠著状態となる。危機一髪、皇后が太皇太后と共に到著し、二人を昭仁宮から連れ出す。
意識を取り戻した霓凰は怒りに燃え、養居殿へ行き、梁帝に公正な裁きを求める。越貴妃は言い逃れをするが、靖王が証言に現れる。越貴妃はしらを切り通そうとするが、蒙摯が昭仁宮の外で外臣の司馬雷を捕らえたと報告。越貴妃は観念し、太子をかばい、全ての罪を負う。梁帝は越貴妃を嬪に降格し、冷宮に幽閉する。
第5話 感想
第5話は、宮廷内の権力争いがより鮮明になり、息詰まる展開に目が離せませんでした。特に、霓凰を巡る陰謀は、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、緊張感溢れるシーンの連続でした。
梅長蘇の周到な計画が、太子の思わぬ行動によって崩れる様子は、彼の苦悩と焦りを際立たせていました。持病が悪化するほどの怒りと焦燥は、霓凰への想いと同時に、自らの計画の破綻による危機感も感じさせます。
一方、霓凰の凛とした強さと賢明さも印象的でした。「情絲繞」を盛られた後も、冷静さを失わず、機転を利かせて脱出しようとする姿は、まさに女傑と呼ぶにふさわしいです。靖王の登場と、皇后、太皇太后の介入による救出劇も、手に汗握る展開でした。
越貴妃の冷酷さと狡猾さ、そして追い詰められた際の焦燥も、物語に深みを与えています。太子を守るために全ての罪を被る姿は、母性と同時に、権力への執著も感じさせます。
つづく