あらすじ
第五十一話は、物語の重要な展開が幾つも描かれています。梅長蘇は密かに黔州へ向かう謝弼を守るよう手配し、彼の安全を確保します。
一方、莅陽長公主は刺客に襲われたことで、自分が持っている謝玉の手紙が命取りになる可能性に気づきます。その手紙には、謝玉と夏江が手を組んで梅嶺の冤罪事件を仕組んだ真相が記されていました。景睿はこの事実を明らかにしようと決意しますが、母親に阻まれ、最終的に手紙を太子・景琰に渡すことにします。
また、衛崢は氷続草を見つけ、梅長蘇の火寒の毒を治療できる希望が出てきます。しかし、治療には十人の屈強な男の換血が必要で、梅長蘇は他人を犠牲にすることを拒みます。景琰は梅長蘇としての身分を取り戻してほしいと願いますが、梅長蘇はそれが景琰の明君としてのイメージに影響することを懸念し、二人は言い争ってしまいます。
最後に、莅陽長公主は景琰から梁帝の寿宴で手紙を公開し、赤焰の旧案の再審を迫るという提案を拒否します。景琰は落胆するのでした。
ネタバレ
蒙摯が豫津が謝府の次男、謝弼を見送る場面に遭遇。謝玉の訃報が都に届いたことを知る。謝弼は黔州へ父の遺体を引き取りに行くのだった。梅長蘇は密かに護衛をつけ、不測の事態に備える。
蘇府では、梅長蘇が言侯が太子の要求に応じたとの報告を受ける。梅長蘇は太子に、莅陽長公主が動くのが最も自然だと伝えるよう指示を出す。
その頃、莅陽長公主は屋敷で刺客に襲われるが、偶然帰宅した景睿に助けられる。深居簡出の自分が狙われる理由を、常に身につけていた謝玉の自筆の手紙しかないと考える莅陽長公主。景睿は母の身を案じ、手紙の内容を確認する。手紙には13年前の梅嶺の冤罪事件の真相、謝玉と夏江の共謀の全貌が記されていた。あまりに残酷な事実に景睿は衝撃を受け、直ちに公表しようと立ち上がるが、莅陽長公主に止められる。彼女はかつての愛した男の息子である景睿の命を危険に晒したくないのだ。しかし景睿は、真実を隠蔽する片棒を担ぐことはできない、既に手紙を狙う者がいる以上、黙っていても巻き込まれると主張する。莅陽長公主は手紙を太子・景琰に渡す決意をする。
衛崢の長年の捜索が実り、ついに氷続草を発見。黎綱と藺晨は歓喜する。藺老閣主によれば氷続草は火寒毒を解くことができるからだ。宗主の命が救われる!しかし藺晨は冷水を浴びせる。氷続草による解毒には、10人の屈強な男と患者が換血する必要があり、換血した10人は命を落とすというのだ。
黎綱たちは迷わず自ら換血を申し出るが、藺晨は梅長蘇が決して同意しないと断言する。会話を聞いていた梅長蘇が現れ、命よりも大切な道義を失うことはできないと語る。
景琰は梅長蘇の身分を取り戻すべきだと梅長蘇に迫るが、拒否される。景琰は彼の選択を理解できず、激論となる。梅長蘇は、自分が世間の目に映るのは策略家の謀士であり、景琰は情義に厚く公正な君主であるべきで、側近にそのような人物を置くべきではないと説明する。そして偽りなく清廉な政治を行うよう景琰に言い聞かせる。景琰は苦悩し、両立は可能だと仮論する。議論の最中、莅陽長公主が謁見を求めてくる。
莅陽長公主と景睿が謁見の間に入ると、梅長蘇の姿があった。二人は彼に退室を促すが、景琰は梅長蘇は自分と同等であり、常に同席してよいと告げる。
一方、言侯は寒氏親子を連れて夏江の牢を訪れる。寒夫人は息子に謝玉に詫びるよう命じ、夏江を仮面教師として善念を忘れるなと諭す。夏江は後悔の念に苛まれ、言葉を発することができない。
景琰は莅陽長公主に、梁帝の寿宴で謝玉の罪を告白する手紙を百官の前で読み上げ、事態を混乱させ梁帝に赤焰旧案の再審を迫るよう依頼する。しかし莅陽長公主は承諾せず、自分に何の利益があるのかと問う。梅長蘇と景琰は落胆し、景琰は長公主を追い返す。
第51話の感想
第51話は、様々な感情が交錯する重く、そして希望の光も垣間見える回でした。まず、謝玉の死の知らせが都に届き、その波紋が広がっていく様子が描かれています。息子の謝弼が遺体を引き取りに行くという、悲しくも当然の行為が、今後の展開にどう影響するのか、ハラハラさせられます。梅長蘇の密かな護衛は、彼の思慮深さと、事態の複雑さを改めて感じさせます。
そして、核心となるのは、梅嶺の冤罪事件の真相が記された謝玉の手紙です。景睿がその残酷な真実を知り、衝撃を受けるシーンは、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。正義感に燃える景睿と、息子を案じる莅陽長公主の葛藤は、非常に切なく、深い感動を呼び起こします。最終的に景琰に手紙を託す決断は、今後の大きな転換点となるでしょう。
つづく