あらすじ
第九話で、梅長蘇は新居に移り住み、晏大夫と吉嬸が京城から彼を世話するためにやって来ました。天候が悪かったにもかかわらず、飛流は楽しそうに遊んでいましたが、梅長蘇は体が弱いため、晏大夫に室内に戻るよう促されました。一方、京兆府には小孤山に怪獣が現れたという報告が届き、民衆の間で不安が広がっていました。また、高升は「蘭園蔵屍案」を刑部に引き渡し、誉王派の刑部尚書・斉敏は、楼之敬を排除するため、この事件を冤罪に仕立て上げるよう命じられました。
梅長蘇は太子と誉王に対抗する策を練り始め、楼之敬と慶国公は既に不利な立場にあると考えました。誉王が慶国公を守る方法を相談しに来た際、梅長蘇は巧みに誉王を誘導し、慶国公を見捨てることで靖王の支持を得られ、軍との関係も強化できると信じ込ませました。この計略は見事に成功し、誉王は慶国公を見捨てることに同意しました。その後、謝玉は再び梅長蘇の暗殺を企てますが、蘇宅の厳重な警備のため失敗に終わりました。
梅長蘇は飛流を連れて靖王府を訪れ、飛流を通して庭生に金糸軟甲を贈り彼の安全を確保するだけでなく、靖王に慶国公の土地横領事件への対処法を指南し、誉王の賛同を得ました。その際、梅長蘇は壁にかかった朱紅の鉄弓に触れようとしました。それは彼がかつて愛用していたものでしたが、靖王に止められました。故人の遺品であり、他人に触れさせてはならないという理由でした。梅長蘇は深く心を動かされました。最後に、太子と誉王はそれぞれ影響力を拡大しようと、戸部尚書の任命権を巡って激しく争い、梁帝を苛立たせました。
ネタバレ
梅長蘇は新しい屋敷へ引っ越し、晏大夫と吉嬸が彼の世話をするため上京してきた。鵝毛のような大雪が舞い落ちる中、飛流は楽しそうに遊んでいたが、体の弱い梅長蘇は体調を崩し、晏大夫に室内へ入るよう促された。
京兆府では、小孤山に怪獣が現れ、人々を不安に陥れているとの報告が入った。
高昇は「蘭園蔵屍案」を刑部へ移送した。刑部尚書の斉敏は誉王派であり、誉王は彼に楼之敬を確実に排除するよう命じた。
梅長蘇は太子と誉王の配下を一人ずつ排除する計画を立てており、楼之敬と慶国公は既に彼の掌中にある。彼は蒙摯に、誉王はまだ諦めず、慶国公を助けようとするだろうと語った。まさにその時、誉王が訪ねてきた。
誉王は梅長蘇に慶国公の命を救う策を求めた。梅長蘇は慶国公を排除するため、誉王を巧みに誘導した。土地侵占事件は皇帝が自ら調査に乗り出し、土地兼併の風潮を一掃しようとしているため、慶国公を庇えば皇帝の不興を買うだろうと説いた。さらに誉王を欺くため、彼の立場に立っているかのように振る舞い、慶国公を犠牲にすることで靖王を得て、軍部で謝玉に対抗できるようになると進言した。彼の緻密な分析に誉王は乗せられた。
誉王は慶国公を見捨て、刑部に靖王に協力するよう指示した。謝玉は再び梅長蘇を闇殺しようとしたが、蘇宅の厳重な警備のため失敗に終わった。
梅長蘇は飛流を連れて靖王府を訪れた。飛流の手を借りて庭生に金糸軟甲を贈り、彼の安全を守った。梅長蘇は靖王に慶国公の土地侵占事件への対処法を指南し、誉王の賛同を得た。会話の途中、梅長蘇は壁際に置かれた朱紅の鉄弓に触れようとした。それはかつて彼が使っていたものであったが、靖王に大声で止められた。靖王は申し訳なさそうに、それは友人の遺品であり、その友人は生前、他人に自分の物を触られるのを嫌っていたと説明した。梅長蘇は深く感動した。
太子と誉王は自派の勢力拡大のため、戸部尚書の人選を争って皇帝に推薦し、皇帝を困惑させていた。
第9話の感想
第9話は、梅長蘇の周到な計略と、登場人物たちのそれぞれの思惑が複雑に絡み合い、息詰まる展開が続くエピソードでした。特に印象的なのは、誉王を操る梅長蘇の手腕です。慶国公を排除するために、誉王の野心と不安を巧みに利用し、自らの計画通りに事を運ぶ姿は、まさに「麒麟の才子」の名にふさわしいと言えるでしょう。
梅長蘇は、誉王に対して冷静に状況を分析し、慶国公を見捨てることが誉王にとって最善の策であるかのように説得します。誉王は梅長蘇の言葉に惑わされ、最終的には慶国公を見捨てる決断を下します。この場面は、梅長蘇の知略の高さと、誉王の焦りと猜疑心が鮮やかに描かれており、物語の緊張感を高めています。
つづく