あらすじ
第26話では、宋三川が心の壁に立ち向かい、過去の傷と向き合う決意をする様子が描かれています。心の奥底にある恐怖や不安を克服しようと、彼は梁友安と共に母親の童鹿を探す旅に出ます。旅の途中、梁友安は宋三川を精神的に支えるだけでなく、彼への想いを告白します。しかし、二人は童鹿が既に亡くなっており、遺灰は大海に散骨されたことを知ります。深い悲しみと後悔に襲われる宋三川でしたが、友人たちの支えもあり、過去を受け入れ、前を向くことを学びます。
深圳に戻った宋三川は、再びバドミントンに打ち込みます。徐々に自信を取り戻し、目覚ましい成果を上げます。同時に、このエピソードでは、梁友安と宋三川の友情を超えた関係性、そしてその関係を守るための二人の努力も明らかになります。
ネタバレ
宋三川はスランプに陥り、プレッシャーから試合で恐怖を感じていました。負けたくない、チームの負担になりたくないという思いとは裏腹に、結果は敗北。梁友安は彼を励まし、リラックスして試合に臨むようアドバイスします。宋三川は心を入れ替え、トラウマを克服するために、母親の童鹿を探すことを決意。梁友安も協力することを約束します。
二人は22時間の長旅となる鈍行列車で宋三川の実家へ向かいます。道中、宋三川は過去の出来事について考えを巡らせ、安従にも帰郷を知らせます。一方、蒋焦焦は梁桃を助けるため、全財産を使って彼女の契約解除を支援。無一文になった彼は蒋傑に金を無心しようとするも、梁桃から給料の全額を受け取ります。また、蒋焦焦はクラブの公式アカウントで宋三川の動画が多数投稿されていることに気づき、さらに動画を撮影するよう指示を出します。
列車内でカップラーメンを食べながら、宋三川は以前の出来事について梁友安に尋ねます。彼女の気持ちが一時的なものだったのか、それとも本当に自分のことを好きでいてくれるのかを知りたかったのです。梁友安は宋三川への好意を認め、彼は喜びで胸がいっぱいになります。「負けたくない」と書かれた紙を額に貼り、梁友安も同じようにします。途中停車した駅で、二人はその紙を破り捨て、ゴミ箱へ。過去の自分と決別することを誓います。
実家へ到著した宋三川と梁友安は、童鹿が6年前に亡くなっていたことを知ります。生前に葬儀場と約束していた通り、彼女の遺骨は海に散骨されることになっていました。宋三川は母親との思い出を回想し、今となっては会えないことを深く悲しみます。いつも急かしていた母親の言葉が最期の言葉だったことを思い出し、悲しみに暮れる宋三川。梁友安は静かに寄り添います。
海辺で童鹿の遺骨を抱きしめる宋三川。そこに安従も到著し、遺骨を受け取ると、声を上げて泣き崩れます。宋三川は安従に新しい人生を始めるよう促し、かつら屋にとらわれずに生きていくようにと励まします。そして、童鹿の遺骨を海へ散骨し、冥福を祈ります。残りの遺骨を抱きしめた安従は、童鹿に別れを告げ、これまでの思いを吐露します。涙ながらに遺骨と童鹿の形見のメダルを海へ投げ入れる安従。その姿に梁友安も心を打たれます。安従は宋三川との共同生活を解消し、実家を片付けて宋三川に譲ることを決めます。
深圳に戻った宋三川は、かつて練習していたバドミントンコートを訪れ、物思いにふけっていました。そこに梁友安が駆けつけ、彼の隣に座ります。梁友安は「あな」という絵本の物語を宋三川に語り聞かせます。少年が穴を掘り続け、周囲から疑問視される中、父親だけが彼を見守り、最終的に少年は穴を埋め戻すという話。この物語に感銘を受けた宋三川は、梁友安に感謝の気持ちを伝えます。そして、一緒にバドミントンをすることに。ラケットを振るう宋三川は徐々に自信を取り戻し、梁友安も彼の復活を喜びます。その後、宋三川は安従を訪ね、海鮮の食べ放題に招待されます。
それからの宋三川は練習に励み、次々と勝利を収め、クラブ内ランキングで1位を獲得。梁友安も彼に大きな期待を寄せます。梁桃は梁友安と宋三川の関係に気づき、宋三川から聞いたと嘘をつきます。梁友安は二人の交際を認めざるを得なくなり、梁桃は証拠として梁友安が宋三川の髪を整えている動画を見せます。梁友安は必死に隠蔽を頼み込み、梁桃はやむなく承諾。梁友安は宋三川に距離を置くよう注意を促します。
第26話の感想
第26話は、宋三川にとって大きな転換点となるエピソードでした。これまで心の中に抱えていた母親への葛藤、そして試合へのプレッシャーから解放されるまでの過程が丁寧に描かれており、見ていて胸が締め付けられるような思いでした。
特に印象的だったのは、22時間もの長旅を通して梁友安と心を通わせていくシーンです。列車の中という閉鎖的な空間で、宋三川は過去の自分と向き合い、未来への希望を見出していきます。梁友安の温かい励ましと、彼女が語る「あな」の物語は、宋三川にとって大きな支えとなったことでしょう。また、「負けたくない」と書かれた紙を破り捨てるシーンは、彼の決意を象徴的に表しており、非常に感動的でした。
母親の死という悲しい出来事を通して、宋三川はさらに成長を遂げます。安従との別れは切ないものでしたが、同時に新たなスタートを切るための儀式でもありました。海辺で遺骨を散骨するシーンは、美しい風景と相まって、深い悲しみと希望が入り混じった複雑な感情を呼び起こしました。
つづく