あらすじ
第3話は、宋三川と金翊の試合とその後の展開を中心に描かれています。試合では、宋三川が勝利目前で精神的なプレッシャーから連続ミスを犯し、金翊に逆転勝利を許してしまいます。
試合後、コーチやチームメンバーは二人のパフォーマンスについて議論し、特に金翊の技術とポテンシャルの高さを評価する一方で、宋三川の精神的な問題にも気づきます。宋三川はキャリアの低迷に落ち込んでいますが、梁友安は彼を見捨てず、様々な方法で立ち直らせようと努力します。
また、チーム内の関係性も描かれており、金翊と他のメンバーとの交流や、梁友安と宋三川の間で徐々に築かれていく協力関係なども見られます。
最後に、金翊は不適切な行動で梁友安から注意を受け、一方、宋三川はテストで優秀なデータを示し、再起のきっかけを掴みます。
ネタバレ
宋三川と金翊の白熱した試合。宋三川は序盤リードするも、18点に達すると、いつものように精神的に崩れ、逆転負けを喫してしまう。2年前、金翊が入団した当時も、宋三川はこの「18点の壁」に苦しみ、勝ち試合を落としていた。蒋傑コーチは金翊の才能に目をつけ、重点育成を梁友安に指示する。
梁友安は、一人練習場で羽根を拾う宋三川に声をかける。幼い頃からバドミントンに打ち込んできた彼の努力を知るだけに、今の状況は彼女にとって辛いものだった。しかし、慰めの言葉は宋三川の怒りを買い、彼はかごを蹴り飛ばしてしまう。梁友安は水筒を残し、その場を去る。彼女は犬が好きだが、多忙な日々の中で、ペットショップで触れ合うわずかな時間が慰めだった。
元国家代表のストリンガーだった安従は、恋人の帰りを待ちながら、がん病院の向かいにあるかつら店で働いている。彼の選択を変えさせられない宋三川だが、静かに寄り添う。于コーチは、宋三川が今年の省大会の選考から漏れたことを伝え、このままでは契約満瞭となる来年、選手生命も終わると警告する。宋三川も現状を理解しているが、精神的な壁を乗り越えられないでいた。
金翊に期待を寄せる蒋コーチに対し、梁友安は彼に疑問を抱いていた。宋三川への思いから、彼女は練習場で彼に話しかけるが、女子チームの練習相手をする宋三川からは、未来への希望が見えない。金翊について調べるため、梁友安はアレックスに接触。金翊はパワーと安定した成績を持つ一方、怪我で今のチームに移籍してきたこと、そして短気な一面を持つことを知る。
金翊の資料を集めた梁友安は、性急な契約は他の優秀な選手獲得の機会を逃すことになると、蒋コーチに考察期間の延長を提案する。しかし、蒋コーチは早期の成果を求め、梁友安を急かす。高力は梁友安を食事に誘い、再び自分のチームへの引き抜きを図るが、彼女は丁重に断る。
新メンバー蒋成林が入団。金翊は表面的には友好的だが、練習後、宋三川を手伝おうとした蒋成林を宋三川は拒絶する。寮に戻った宋三川は、他のメンバーが金翊にわざと斗地主で勝たせている場面に遭遇し、それを暴露。金翊は激怒する。
翌日、梁友安は小熊と共に練習場で資料収集。金翊が宋三川の手伝いをしているのを見て、彼に金翊を困らせないよう頼む。宋三川は瞭承し、金翊も渋々テストに協力。結果は、宋三川のデータが金翊を上回るもので、梁友安は喜ぶ。
梁友安は悠悠を後継者に育成しようと考えるが、蒋コーチは仮対する。しかし、最終的には彼女の提案を受け入れる。宋三川と梁友安が結託していると考えた金翊は、宋三川に暴言を吐き、冷水を浴びせる。
チーム内の競争、複雑な人間関係、そしてそれぞれの葛藤が描かれる第3話。
第3話の感想
第3話は、宋三川の心の葛藤と、周囲の人間関係が複雑に絡み合い、見ていて胸が締め付けられるようなエピソードでした。18点に達した途端に崩れてしまう彼の弱さは、才能がありながらもプレッシャーに押しつぶされてしまうアスリートの苦悩をリアルに描いています。過去のトラウマを乗り越えられないもどかしさと、それでも諦めずに努力する姿は、応援したくなる気持ちと同時に、見ているこちらも苦しくなるような感情が湧き上がってきました。
金翊の登場は、チームに新たな波紋を広げます。実力がありながらも、どこか冷淡で計算的な彼の態度は、周囲との摩擦を生み、緊張感を高めています。特に、宋三川への挑発的な言動は、二人の対立をさらに深めていく予感をさせます。
梁友安は、そんな宋三川を支えようとする優しさと、チームマネージャーとしての冷静さを併せ持つ、魅力的なキャラクターです。彼女が宋三川を気遣う様子からは、単なる仕事仲間以上の感情が垣間見え、今後の展開に期待を持たせます。また、金翊の才能を認めながらも、性急な契約に疑問を抱く彼女の洞察力は、物語に深みを与えています。
つづく