あらすじ
第12話は、葉兮と唐桓の結婚式を舞台に、唐桓の陰謀が明らかになる物語です。
挙式当日、唐桓は式を隠れ蓑に、武林の侠客たちを集め、葉兮を排除しようと企みます。彼は葉兮が武功秘籍を盗み、さらに貴重な医書『本草真経』を独り占めしているのだと糾弾しました。葉兮は式典の最中、軟筋散と砒霜を盛られ、窮地に陥りますが、白岳に救出されます。
目覚めた葉兮は、髪が真っ白になり、功力が失われたことに気づきます。しかし、彼女が何より案じたのは無辜の人々が巻き添えになることでした。そのため、蒼岐が黒甲軍を動員して唐門を攻めるという提案を拒否します。
一方、唐桓は霹靂弾が湿気ってしまったことなどに苛立ちを募らせ、さらに摂政王が蜀の地へやって来たという知らせを受け、新たな策を練り始めます。
ネタバレ
唐家堡にて、葉兮は門番の弟子から七伯が昨夜外出していないことを聞き、唐桓が既に七伯に危害を加えたのではと疑念を抱く。夜、楚曜が現れ、唐門からの招待状で来たと言い、葉兮の結婚は波乱に満ちていると予言する。葉兮は自分が愚かだと皆が思っていることを承知の上で、自ら真実を確かめたいのだと伝える。
結婚式当日、唐桓は参列者が多いので念のため暴雨梨花針を祠堂に戻すべきだと提案するが、葉兮は既に手配済みだと答える。唐桓は何度も葉兮に食べ物を勧める。葉兮は警戒しながらも、再三の勧めに負けて、唐桓が口をつけた野菜スープを飲む。唐桓は部屋を出るとすぐにスープを吐き出し、部下に祠堂へ連れて行かせる。祠堂で鍵のかかった箱を見つめる唐桓は、開けることができず激怒する。
蓋頭を被り侍女に支えられながら部屋に入った葉兮。しかし、唐桓は突如「葉兮は罠にかかった!」と叫び、周囲の武林人士が一斉に葉兮に剣を向ける。血を吐く葉兮は、なぜ今自分を殺すのかと唐桓に問う。唐桓は、妖女である葉兮が逃脱に長けているため、結婚式を口実に武林人士を集め、一気に始末しようとしたのだと明かす。武林人士たちは、葉兮が各派の武功秘籍を盗み、逆天の武功を身につけたと思い込み、彼女を討伐しようと騒ぎ立てる。
唐桓は、葉兮が功力を高める秘伝「本草真経」を隠し持っているのに教えようとしないと言い、全て葉兮が悪いと責任転嫁する。葉兮は悪事を正当化する唐桓の真の姿を目の当たりにする。軟筋散と砒素を盛られた葉兮は、意識が朦朧とする。七伯と薛婷にも冷酷な仕打ちをする唐桓に、葉兮は失望しながらも彼の策略を看破し呟く。それを聞いた唐桓は、慌てて皆に葉兮を殺すよう命じる。武林人士たちは葉兮に襲いかかり、毒が回り弱った葉兮は劣勢に追い込まれる。その時、白岳が駆けつけ葉兮を救う。葉兮は白岳の腕の中に倒れ込み、白岳は霹靂弾を投げて追手を阻み、葉兮を抱えてその場を逃れる。
唐家堡の外で楚曜と部下が待機していた。白岳は葉兮を馬車に乗せる。ちょうど到著した林瀟瀟も合流し、共にその場を離れる。目を覚ました葉兮は、自分の髪が全て白髪になっていることに気づく。唐桓の仕打ちで傷ついたわけではないと白岳に告げる。葉兮の肩の傷に薬を塗った白岳は、脈を取ると葉兮の功力が失われていることに驚く。葉兮は白髪は自分の体質とスープの原料が仮応したせいだと考え、白岳に気づかれることを恐れる。
そこに蒼歧が到著し、衰弱した葉兮の姿を見て、黒甲軍を率いて唐門を攻め落とそうとする。葉兮は慌てて蒼歧を止め、全ては唐桓の策略であり、罪のない者を巻き込みたくないと言う。白岳は蒼歧に、葉兮は急なショックで白髪になったのだと説明する。葉兮は再び蒼歧に介入しないでほしいと頼み、蒼歧は怒りを抑えながら承諾する。
唐門では、部下が七伯の部屋を捜索したが鍵は見つからないと唐桓に報告する。唐桓は魯班の末裔を探し出し、鍵のかかった箱を開けさせようと考える。庫に水が漏れ、霹雳弾と火石炸薬が濡れてしまったことを知った唐桓は激怒する。配方はあっても製造は難しく、容易には作れないからだ。そして、摂政王も蜀の地に来ており、葉兮と黒甲軍が激しく戦ったという噂を聞き、唐桓は考え込む。
行宮で、蒼歧は食べ物を持ち部屋に入るが、ベッドに横たわる葉兮は目を覚まさない。蒼歧は長留山の人参があれば葉兮の回復を早められると考えるが、白岳は長留山の人参は既に採り尽くされていると告げる。蒼歧は最良の薬材を探すと約束し、白岳に葉兮の世話を頼む。一方、林瀟瀟は白鷺城で楚曜と一度会っていたことを思い出す。二人が話していると、白岳と蒼歧が争っているのが目に入る。実は蒼歧は密かに唐門に毒を送り込み、仕返しを企てていたのだ。白岳は蒼歧の行為を非難し、罪のない者を巻き込むなと怒る。
第12話の感想
第12話は、まさに怒涛の展開でした。結婚式という祝いの席が、一転して葉兮にとって絶体絶命の危機へと変わる様は、息を呑むほどの緊張感がありました。唐桓の冷酷非情な本性が露わになり、これまで温厚な仮面を被っていた彼の真の姿に、改めて恐怖を感じました。愛する女性を罠に嵌め、武林人士の前で悪女に仕立て上げる狡猾さには、怒りを通り越して呆然とするばかりです。
特に印象的だったのは、窮地に立たされた葉兮の凛とした姿です。数々の陰謀に巻き込まれながらも、決して諦めず、自らの信念を貫く彼女の強さに心を打たれました。毒を盛られ、白髪に変わってしまったにも関わらず、蒼歧の復讐を止める彼女の優しさは、真の強さとは何かを考えさせられます。
白岳の活躍も見逃せません。危機一髪の葉兮を救い出すシーンは、まさにヒーローそのもの。彼の葉兮への深い愛情と忠誠心は、物語に温かい光を与えてくれます。
つづく