あらすじ
第17話は、白岳と葉兮の交流を中心に展開します。河のほとりで目を覚ました白岳に、葉兮は自分の身分を明かし、白岳に自分の腕を噛ませて霊力を回復させようと試みますが、白岳は彼女を傷つけることを恐れて拒否します。結局、葉兮は白岳を気絶させ、自ら腕を噛んで血を飲ませ、白岳は徐々に回復していきます。二人は灰叔を探すことに決め、茶屋で秘籍を狙う武林の人々に襲われますが、黒甲軍の助けで難を逃れます。
道中、白岳は葉兮への想いを告白し、葉兮は彼を守り、治療に効く仙賜草を探すと約束します。しかし、白岳は緻命的な秘密を隠していました。楓華穀の穀主が愛する女性は、彼の心脈を衰竭させ死に至らしめるという呪いが、葉兮と出会った時に既に発動していたのです。真実を知った葉兮は、呪いを解く決意を固めます。白岳の病状が悪化していく中でも、彼と共に一日一日を大切に過ごすと誓います。
ネタバレ
川辺で目を覚ました白岳に、葉兮は自分が人参の仙人であることを明かし、腕を差し出して一口噛むように促します。しかし、白岳は優しく葉兮の手を払い除けます。葉兮は心臓がないので安心して噛んでいいと言うのですが、それでも白岳は拒否します。そこで葉兮は、人間になって初めて出会ったのが白岳だと語り、過去の出来事を話し始めます。半分の霊鬚にも回復効果はあるものの、白岳が葉兮を噛まなければ、早期の回復は難しいと説明します。それでも白岳は同意せず、自分のために傷つく必要はないと、西域へ行くように葉兮に言います。白岳の言葉を聞き、葉兮は仕方なく彼を気絶させ、自分の腕を噛んで血を白岳に与えます。
翌朝、白岳の容態はだいぶ良くなっていました。葉兮の腕の噛み跡を見た白岳は、彼女を強く抱きしめ、こんなことをする必要はなかったと言います。しかし、葉兮は自分の傷を全く気にしていません。二人は灰叔を探す旅に出ることに決め、木に付けられた印から、灰叔たちが月の川へ向かったことを知ります。葉兮は白岳と共に月の川へ向かうことにし、ちょうど目の前にあった茶屋で休憩することにします。
白岳は店主が以前の老人ではないことに気づき、出されたお茶をわざとこぼして店主を倒します。二人はその場を立ち去ろうとしますが、周囲から現れた武林の人々に囲まれてしまいます。彼らは二人に逃げ場はないと言い、葉兮に秘伝書を渡すよう迫ります。葉兮が剣を抜こうとしたその時、黒甲軍が現れ、武林の人々を取り囲みます。蒼歧が来る前に、葉兮は白岳を連れて逃げ出し、黒甲軍と武林の人々は激しい戦いを繰り広げます。
逃げる途中、葉兮はこれからは白岳を守り、怒らせるようなことはしないと誓い、一日も早く回復してくれることを願います。白岳は、二人にはたくさんの過去があるが、これからもっと多くの未来があると語り、葉兮への想いを告白します。二人は深く抱き合います。白岳は山に生えている仙賜草が自分の体質に効くと葉兮に教え、葉兮は薬草が描かれた地図を持って急いで探しに出かけます。葉兮が去った後、白岳は二人で過ごした日々を思い出し、血を吐いて倒れこみます。
一方、山で薬草を探していた葉兮は、地図に描かれているのが月の川だと気づきます。白岳が自分を置いて行こうとしていることに気づいた葉兮は、元の場所に戻ると、地面に落ちた血痕を見つけ、さらに焦って白岳を探します。
その頃、白岳は白髪になり、洞窟の中で瀕死の状態でした。洞窟の前に立った葉兮は、地面に落ちた白髪を拾い、なぜ自分を捨てようとしたのかと白岳を問い詰めます。白岳が答えないため、葉兮は霊術を使って洞窟の入り口の巨石を攻撃します。洞窟の中の白岳は胸を押さえて苦しみ、ついに洞窟から出てきます。葉兮はすぐに駆け寄り、白岳を抱き締めます。
夜、二人は焚き火のそばに座っていました。葉兮は何があっても構わないと言いますが、白岳は葉兮に自分は助からないと思っています。葉兮は白岳に真実を話すように頼み、白岳は楓華穀の穀主が女性を愛すると心脈が衰え、死に至るという呪いについて話します。涙を流す葉兮は、白岳が乱葬崗で自分と出会った時に呪いが発動し、日々悪化していることを知ります。白岳は葉兮にこれ以上馬鹿なことをするなと伝え、葉兮を愛していること、そして死ぬことは後悔していないと告げます。白岳は突然大量の血を吐き、葉兮を抱きしめながら慰めます。葉兮は白岳にずっとそばにいてほしいと頼み、必ず呪いを解くと誓います。
朝、川辺で水を飲む白岳を見て、葉兮は霊術で石を笠に変え、白岳にかぶせます。白岳は自分が死んだら葉兮が悲しむことを心配しますが、葉兮は首を横に振り、たった一日の喜びでも残りの人生と引き換えにしてもいいと、白岳の手を握りしめました。突然、馬の嘶き声が聞こえ、蒼歧が来たことに気づいた白岳は、葉兮が霊力を使って二人を隠そうとしますが、白岳は葉兮を止め、自分が方法を知っていると告げます。
第17話の感想
第17話は、白岳と葉兮の愛の深さが際立つ、切なくも美しいエピソードでした。白岳は自分の命よりも葉兮の安全を優先し、葉兮は白岳の命を救うためならどんな犠牲も厭わない。二人の強い想いが胸を打ちます。
特に印象的だったのは、白岳が葉兮を気絶させて自分の血を与えるシーンです。愛する人を守るための苦渋の決断、そしてその時の葉兮への優しい眼差しが、白岳の深い愛情を物語っていました。また、葉兮が白岳のために奔走し、仙賜草を探しに行くシーンも感動的でした。彼女は自分のことよりも白岳のことを常に考えており、その献身的な姿に心を打たれました。
しかし、二人の前に立ちはだかる楓華穀の呪いは、あまりにも残酷です。愛する人と共にいることさえ許されない運命に、白岳の苦悩と悲しみがひしひしと伝わってきました。白岳が血を吐き、倒れこむシーンは、見ているのが辛いほどでした。
それでも、葉兮は決して諦めません。「たった一日の喜びでも残りの人生と引き換えにしてもいい」という彼女の言葉は、白岳への揺るぎない愛の証です。どんな困難が待ち受けていようと、葉兮は白岳を守り抜こうとするでしょう。
つづく