あらすじ
第二話では、白岳と葉兮が白鷺城へ向かう道中、白岳は世の中の不安定な情勢を葉兮に語った。入城の際、葉兮は懸賞令によって兵士に見つかり、危機一髪となる。茶楼にて、二人は楚曜と出会い、楚曜は二人を屋敷に招き入れた。葉兮の安全を考慮し、白岳は楚曜の申し出を受け入れた。
夜、葉兮はこっそりと抜け出し、講釈を聞きに行ったが、その内容から身元が露見し、追われる羽目となる。白岳は間千髪に駆けつけ葉兮を救出したものの、二人は追っ手に追いつめられる。しかし、楚曜が煙幕を張って助けたことで、どうにか逃げ延びることができた。
逃亡の最中、葉兮は徐々に過去の記憶を取り戻し、かつて自分が武林一の妖女と呼ばれていたこと、五年前殺害され、三年前に再び現れた後、太子によって罪状を告発されたことを知る。復讐を決意した葉兮は、まずは唐楊に決着をつけようと考えた。一方、留白亭で白岳と再会した楚曜は、白岳への感謝の意を表した。
その頃、唐門へ向かう葉兮は、同じく唐楊に恨みを持つ唐桓を助ける。この行動は、彼女の心の奥底にある正義感の表れであった。
ネタバレ
白岳は馬の手綱を引き、葉兮と共に白鷺城へ向かった。道すがら、白岳は世情を葉兮に伝え、葉兮は武林の不安定さを案じ、孤独を恐れ、ただ一人と添い遂げたいと願う気持ちを吐露した。城門に著くと、白岳は葉兮に斗笠をかぶせ、葉兮は術で通行証を作り出した。兵士は通行証を確認し、斗笠の下の顔を見た後、二人を入城させた。しかし、直後、兵士は傍らの懸賞令に目を留め、部下に禁衛軍へ葉兮が指名手配犯であることを伝えるよう急いで命じた。
白岳と葉兮は茶楼で食事をした。葉兮は体調が悪く、あっさりとした麺しか食べられなかったが、白岳の前の豪華な料理に目を向けると、白岳にきっぱりと止められた。その時、楚曜が茶楼に入り、二人を自分の屋敷に招待した。かつて白岳に命を救われた楚曜は、白岳が下山した機会に酒を酌み交わそうと考えていたのだ。白岳は乗り気ではなかったが、葉兮の療養には良い場所だと考え、招待に応じた。葉兮は立ち去ろうとしたが、白岳に半ば強引に説得され、残ることになった。
夜、葉兮は屋敷の使用人二人が講談を聞きに行くことを知り、こっそりと後をつけた。講談師が語っていたのは、武林一の妖女と呼ばれる葉兮の物語だった。客たちは皆、妖女を討ち果たしたいと息巻いていた。その時、誰かが茶楼の中に葉兮がいることに気づいた。騒然とする中、一群が茶楼に押し入り、摂政王の懸賞令に基づき葉兮を捕らえに来たと告げた。訳が分からぬまま、葉兮に刃が向けられ、彼女は傍らの枝葉を剣代わりにして身を守った。葉兮が使った飛霜剣法を見て、彼らは葉兮が妖女だと確信した。
混乱する葉兮の前に、白岳が現れた。白岳が葉兮を助けようとするのを見て、人々は二人を追いかけ始めた。二人は逃走し、白岳は楼上から放たれた矢に背を射抜かれた。絶体絶命のその時、楚曜が密かに煙幕を焚き、二人の逃走を助けた。そこに武林盟主の娘、林瀟瀟が到著し、楚曜に白岳の行方を尋ねたが、楚曜も分からず、林瀟瀟は部下と共に易水山荘へ戻った。
廃寺となった帰元寺で、白岳は火を焚きながら傷の手当てをしていた。葉兮は雨の中、薬草を探しに出かけたが、見つからず寺に戻った。白岳が楚曜からもらった簪を持っているのを見て、取り返そうとした拍子に白岳の服がはだけ、背中の見覚えのある印に気づいたが、白岳に叱責され、隅に下がった。葉兮は講談師の話を思い出し、自分がまさにその葉兮であることを悟った。白岳が背中を掻いているのを見て、白鷺城へ戻り楚曜に助けを求めようとしたが、雷雨のため断念した。白岳はついに我慢できなくなり、葉兮に背中を掻いてくれるよう頼んだ。葉兮が手を伸ばした瞬間、白岳は痒みが治まったと言い、葉兮を休ませた。
翌日、二人は帰元寺を出て留白亭に著いた。葉兮の問いに、白岳は五年前、葉兮が暴雨梨花針で殺され玉竹林で息絶えたこと、三年前に再び現れ太子に宮中に連れて行かれた後、太子が葉兮の十の罪状を告げ、死体を晒したことを語った。太子が既に亡くなっていることを知った葉兮は、唐楊に復讐することを決意した。
間もなく、楚曜が留白亭にやって来た。葉兮は二人にゆっくり酒を飲むように言い残し、唐門へ向かうため荷物を背負って出発した。楚曜は白岳が葉兮を城に入れ治療を受けさせるために奔走したことを知り、素直になるよう忠告した。白岳は黙って顔の薬を楚曜に渡し、感謝の意を表した。
一方、葉兮は道端に座って地図を見ていたが、唐桓の一団が唐門に追われているのを発見した。彼らの会話を盗み聞き、唐桓たちも唐楊に恨みを持っていることを知った葉兮は、唐桓が一人残って戦うのを見て、ついに助けに入った。
第2話の感想
第二話は、葉兮の正体が徐々に明らかになり、物語の核心へと迫る重要なエピソードでした。白岳との出会いから、白鷺城への潜入、そして逃亡劇と、息つく暇もない展開に引き込まれました。特に印象的なのは、茶楼での戦闘シーン。葉兮が咄嗟に枝葉を剣代わりにする機転と、飛霜剣法を披露する場面は、彼女の武芸の腕前と、妖女としてのレッテルを貼られた理不尽さを際立たせていました。白岳が身を挺して葉兮を守る姿からは、二人の間に芽生えつつある絆が感じられ、今後の展開への期待が高まります。
また、楚曜の存在も物語に深みを与えています。白岳との過去の繋がりや、葉兮へのさりげない配慮からは、彼の温かい人情が伝わってきます。一方で、林瀟瀟の登場は、今後の波乱を予感させます。武林盟主の娘という立場と、白岳への想いが、物語にどう影響していくのか、注目したいところです。
つづく