あらすじ

第二十話では、葉兮ようけいが地宮に入り、玉棺の中に人参の種を発見し、その種を使って白岳はくがくの解毒薬を作ろうと計画する様子が描かれています。その後、毒に侵されていた武林の人たちは回復し、立ち去っていきます。一方、葉兮ようけい白岳はくがくの仲は深まっていきます。しかし、そこに蒼歧が黒甲軍を率いて現れ、葉兮ようけいを連れ去ろうとします。拒絶された蒼歧は感情を抑えきれず、三人間の対立は激化します。最後は禁地での戦いの末、白岳はくがくが重傷を負い、葉兮ようけいは懸命に治療を試みますが、絶望的な状況に陥ります。二人は互いへの深い愛情と生死を共にしようとする決意を確かめ合います。

ネタバレ

葉兮ようけいは地宮に入り、壁の対聯を換えると禁地への扉が開いた。霊術を使い玉棺を開けると、初代穀主の棺の中に人参の種が二つあった。夜、禁地を出た葉兮ようけいを、心配そうに待っていた白岳はくがくが部屋へ連れ込む。葉兮ようけいは人参の種のことを話すが、白岳はくがく葉兮ようけいが自分の身を傷つけてまで種を得たと勘違いし、怒ってしまう。葉兮ようけいは種は自分の物ではなく、初代穀主が愛した女性が残した物で、裏切りと誤解され呪いの元になったと説明する。そして、その種と自分の霊力を使って人参を育て、白岳はくがくの解毒薬の材料にすると話す。

白岳はくがくの助けもあり、毒に侵された武林の人々は互いに協力して体内の毒を排出し、ついに回復。楓華穀のことは口外せず、長留山にも二度と足を踏み入れないことを約束し、立ち去った。白岳はくがくは蒼歧の事を考え、葉兮ようけいもまた思い悩む。白岳はくがくは蒼歧は横暴だが葉兮ようけいを守れると話し、自分は安心して去ることができると言う。葉兮ようけい白岳はくがくだけを愛しており、約束の時間が来たら蒼歧とはっきりさせると告げ、二人は抱き合う。その時、黒甲軍の一人が密かに二人を見つめていた。

夜、葉兮ようけいは庭で土を掘り、三花酒を取り出して一人で飲み始める。白岳はくがくがやってきて一緒に酒を酌み交わす。葉兮ようけいは夫婦合葬墓を見たことを話し、翌日一緒に手がかりを探しに行こうと白岳はくがくに提案し、白岳はくがくは同意する。

翌日、二人が禁地から出ると、蒼歧が黒甲軍を引き連れて待ち構えており、葉兮ようけいに結婚の聘礼を申し出る。葉兮ようけいは拒絶し、白岳はくがくの手を離さないと宣言する。怒った蒼歧は、楓華穀を葉兮ようけいの実家とし、白岳はくがく葉兮ようけいを嫁に出せと言うが、葉兮ようけいはあの夜は幻術によるものだと仮論する。堪忍袋の緒が切れた蒼歧は林瀟瀟りんしょうしょう の火縄銃を二人に向ける。葉兮ようけい白岳はくがくの前に立ちはだかる。蒼歧は発砲し、金の装飾品を撃ち落とす。葉兮ようけいは火縄銃が林瀟瀟りんしょうしょう のものだと気づき、蒼歧の諦めの悪さに呆れ、白岳はくがくと共に禁地へ入り、蒼歧に全てを説明することにする。

玉棺の前で、葉兮ようけいは蒼歧の好意に感謝しつつも、諦めてほしいと頼む。蒼歧は諦めきれず、白岳はくがくをもっと早く殺すべきだったと後悔する。蒼歧が剣を抜くと、葉兮ようけいはそれを防ぐ。蒼歧は自暴自棄になり、道連れにしようと三人での戦いが始まる。白岳はくがくが負傷し、血が玉棺に付著すると、禁地が揺れ始める。葉兮ようけいは玉棺を抑えようとするが、白岳はくがくと蒼歧は気を失い、続いて葉兮ようけいも霊力の消耗により倒れる。禁地の外では皆が扉を開けようとするが、開かない。

葉兮ようけいは目を覚まし、白岳はくがくを介抱する。白岳はくがくは意識を取り戻すと、葉兮ようけいに人参丹を渡し、蒼歧に飲ませるように言う。白岳はくがくは血を吐き、息も絶え絶えになる。葉兮ようけい白岳はくがくを治療しようとするが、白岳はくがく葉兮ようけいに薬を飲ませ、呪いは解けないと言う。葉兮ようけい白岳はくがくと共に生き、共に死ぬと告げ、二人は抱き合う。白岳はくがくは愛を伝え、自分が死んだ後も葉兮ようけいには生きてほしいと願う。

第20話の感想

第20話は、まさに怒涛の展開でした。葉兮ようけい白岳はくがくの穏やかな時間は儚く、蒼歧の執著が悲劇を加速させていきます。禁地での三人による戦闘シーンは緊迫感に満ち溢れ、それぞれの心情が痛いほど伝わってきました。

特に、蒼歧の歪んだ愛情表現は見ていて辛かったです。愛するが故に暴走し、葉兮ようけいの気持ちを理解しようとしない姿は、狂気すら感じさせます。林瀟瀟りんしょうしょう の火縄銃を使うシーンは、彼の仙人神状態が限界に達していることを象徴的に表しているように思えました。

一方、葉兮ようけい白岳はくがくの絆は、試練を経るごとに強固なものになっていきます。互いを思いやり、支え合う二人の姿は、まさに理想のカップルと言えるでしょう。白岳はくがくが自分の命よりも葉兮ようけいの幸せを願うシーンは、涙なしでは見られませんでした。

つづく