あらすじ
今回の物語は、葉兮の行動を中心に展開します。唐家堡において、かつての情に縋って命乞いをする唐楊を、葉兮は迷うことなく始末しました。唐楊の最期の挑発にも、彼女の心は揺らぎませんでした。
その後、白岳から授かった往生丹を服用した唐桓が目を覚まします。唐楊の死を喜び、朝廷の手に渡れば災いとなると、暴雨梨花針の行方を焦燥しながら尋ねます。葉兮は唐桓に協力することを約束し、自らの身を危険に晒しながらも蒼歧から暴雨梨花針を取り戻し、唐桓と共にその場を後にしました。
道中、白岳は葉兮の傷の手当てをしながら、唐桓のためにここまでする価値はないと忠告します。同時に、葉兮から二人の関係について問いただされますが、何も答えずに立ち去ります。一方、蒼歧は三年前に葉兮と出会った時のこと、そして白岳に命を救われた過去を回想し、五色龍骨を見つければ葉兮の記憶が戻るかもしれないという情報を口にします。
その頃、葉兮は自称正義の味方から挑発を受け、濡れ衣を著せられますが、林瀟瀟の助けにより窮地を脱します。最後に、蒼歧は三年前に葉兮の訃報を聞いた時の悲しみを思い返し、彼女への深い愛情と復讐への決意を露わにします。
ネタバレ
唐家堡にて、葉兮は唐楊を討つ決意を固める。唐楊はかつて葉兮が自分の野心に感銘を受けたからこそ武林の覇者を夢見たのだと訴え、過去の情に免じて命を助けてくれるよう懇願する。しかし、葉兮は唐楊の詭弁に耳を貸さず、剣でとどめを刺す。瀕死の唐楊は唐桓もまた悪人であり、いずれ後悔するだろうと言い残す。葉兮は唐桓との仲を裂こうとする魂胆だと見抜き、気に留めない。
唐楊が息絶えると、傍らで白岳から貰った還魂丹を服用していた唐桓が目を覚ます。唐楊の死を確認した唐桓は喜び、すぐさま暴雨梨花針の行方を尋ねる。朝廷の手に渡れば厄介なことになると主張する唐桓に、葉兮は協力を約束し、ようやく唐桓は満足する。葉兮は唐桓を連れ去ろうとするが、蒼歧に阻まれる。葉兮は暴雨梨花針と引き換えに唐桓の安全を保証し、自らの命を盾に蒼歧を説得、ついに二人で脱出する。
馬車の傍らで、白岳は葉兮の首の傷の手当てをする。葉兮は唐桓の治療を白岳に頼むが、暴雨梨花針の毒は特殊で解毒は不可能だと告げられる。そこで葉兮は楓華穀の穀主に助けを求めることを決意する。白岳は唐桓に尽くす葉兮を諫めるが、葉兮は白岳との関係を問いただす。白岳は葉兮とは何の関係もないと言い放ち、馬で立ち去るが、途中で蒼歧たちに待ち伏せされる。
実は3年前、葉兮の死後、白岳は瀕死の蒼歧を救っていた。蒼歧は白岳と語り合おうとする。川辺で、蒼歧は葉兮が楓華穀へ向かうことを知り、白岳に自分の傍に留まるよう求める。白岳が拒否すると、蒼歧は唐桓を殺す計画を立てる。白岳は蒼歧に共倒れになる危険性を忠告し、五色龍骨を見つければ葉兮の記憶が戻る可能性があると伝える。
3年前、蒼歧は森の中で首を弔ろうとしていたところを、偶然キノコ狩りをしていた葉兮に助けられる。蒼歧は葉兮を疑うが、葉兮は命を粗末にするなと諭す。夜、蒼歧は川に身を投げようとするが、葉兮に助け出され、生きるよう説得される。
葉兮は蒼歧の自殺願望を止めようと付き添い、助けを申し出る。しかし、蒼歧は苦しい人生に耐えられず城壁から飛び降りる。葉兮は再び命がけで蒼歧を救う。蒼歧は葉兮が落とした匕首を拾い立ち上がると、兵士たちに囲まれる。人質である蒼歧が脱走したため、太子は淮南王一族の命で蒼歧を脅迫していたのだ。蒼歧は仕方なく兵士たちに連れ戻される。
夜、蒼歧は白岳に、太医が調べた古文書によると南柯禅寺の地下に五色龍骨がある可能性が高いと伝える。一行はすぐに出発する。
一方、自称正義の味方たちが草むらから現れ、葉兮に暴雨梨花針を渡すよう迫る。彼らは葉兮を中傷し、武林の正義のために討伐すると宣言する。葉兮は彼らの言いがかりに仮論し、戦う構えを見せる。葉兮が剣を抜くと、彼らは易水山荘の開陽剣を盗んだと濡れ衣を著せる。そこに林瀟瀟が現れ、葉兮を庇い、唐門の件は武林盟主が調査するから騒ぎ立てるなと一喝する。彼らは逃げるように去っていく。葉兮は林瀟瀟に感謝し、再会を約束する。
雪が舞い落ちる森の中で、蒼歧は3年前の出来事を思い出す。雪に覆われた白岳が、掲示板の詔を見つめていた。駆けつけた蒼歧は詔を剝がし、葉兮が太子によって処刑されたことを知る。信じられない蒼歧は城壁の前で悲しみに暮れ、葉兮の仇を討つことを誓う。そして、血を吐いて倒れてしまう。
第5話 感想
「純真ロマンス~最強の花嫁~」第5話は、過去と現在が交錯する展開で、物語の核心に迫る重要なエピソードでした。葉兮の唐楊への決著、そして唐桓への献身的な姿は、彼女の強い意誌と愛情の深さを改めて感じさせます。しかし、白岳の突き放すような態度は、二人の間に何か深い事情が隠されていることを闇示し、今後の展開への期待を高めます。
特に印象的なのは、蒼歧の過去が明らかになった点です。葉兮への歪んだ愛情から、彼女の死後、復讐に燃える蒼歧の姿は、哀れでありながらも恐ろしさを感じさせます。白岳との会話や、三年前の回想シーンを通して、彼の苦悩と狂気が鮮明に描かれていました。葉兮に何度も救われたにも関わらず、最終的に復讐の道を選んでしまう蒼歧の複雑な心情は、今後の物語の鍵を握っていると言えるでしょう。
また、暴雨梨花針をめぐる争いや、林瀟瀟の登場など、今後の展開を予感させる要素も散りばめられていました。楓華穀への旅、五色龍骨の探索、そして葉兮の記憶を取り戻すための試みなど、様々な伏線が張られ、今後の物語がどのように展開していくのか、ますます目が離せなくなりました。
つづく