あらすじ
第七話では、葉兮と蒼楠、蒼歧の複雑な関係性が描かれています。蒼歧は蒼楠が葉兮を害そうとしていると勘違いし、彼女を守るために自ら毒酒を飲み干しました。その後、蒼楠が毒に侵されていると知った葉兮は、過去のいざこざを水に流し、彼を楓華谷へと連れて行き治療を受けさせ、無事に回復させます。
しかし、都では、いじめられていた蒼歧を助けた葉兮が妖女だと誤解され、侍衛たちに追われることになります。薬廬で火事が発生した後、葉兮は蒼歧と蒼楠を救い出しますが、結局は宮廷禁軍に捕らえられてしまいます。
牢獄の中で、葉兮は厳しい拷問を受けます。そこに白岳が現れ、彼女を助け出そうとしますが、失敗に終わります。白岳の尽力もむなしく、葉兮は天牢に戻され、処罰を待つことになります。
こうした出来事を通して、葉兮と周囲の人々の関係はさらに緊張感を増し、宮廷内における彼女への敵意と、彼女が直面する困難な状況が明らかになっていきます。
ネタバレ
蒼岐は葉兮の看病で一晩休んだ後、寝宮を後にした。翌日、蒼楠と葉兮は涼亭で酒を酌み交わしていた。そこへ蒼岐を連れた侍衛が通りかかり、葉兮は蒼楠に蒼岐の解放を願い出る。しかし、蒼楠は葉兮の我儘さに苛立ちを見せる。葉兮が皇宮を去ろうとすると、蒼楠は彼女を引き止め、酒を勧める。蒼楠が酒を注ぐ様子を見た蒼岐は、葉兮に危害を加えようとしていると勘違いし、自ら酒を飲み幹して葉兮に蒼楠を信じるなと警告する。蒼楠は身の潔白を証明するために自らも酒を飲み、蒼岐は侍衛に連れ去られる。葉兮は蒼楠を信じると告げる。
その後、蒼楠は薬廬を訪れ、蒼岐を嘲弄し、新たに精製した赤い薬を無理やり飲ませる。間もなく、宦官が寝宮に駆け込み、葉兮に蒼楠が皇帝の前で赤い薬を飲み、酒を飲んだ後に倒れ、命が危ないことを伝える。楓華穀の神医だけが彼を救えるかもしれないという。葉兮は蒼楠の命は重要だと考え、どんな犠牲を払っても彼を救う決意をする。楓華穀へ蒼楠を連れて行った葉兮に対し、白岳は不可能な条件を提示して諦めさせようとするが、葉兮は困難を恐れず、白岳の条件を満たし、回復した蒼楠と共に楓華穀を後にする。蒼楠は葉兮に今後全て彼女の言うことを聞くと誓う。
京城では、数人の紈绔子弟が蒼岐を路上で暴行していた。葉兮は彼らの行為を見過ごせず、打ち負かす。周りの人々は葉兮を妖女だと噂し、大勢の侍衛が駆けつけ葉兮を取り囲む。
薬廬では、蒼岐が殿に火を放ち、蒼楠と格闘し、心中を図ろうとする。葉兮は薬廬に駆け込み二人を救出し、蒼楠を宦官に預け、衰弱した蒼岐を連れて逃げる。葉兮は蒼岐に淮南王の危篤を伝え、すぐに逃げるように促す。蒼岐は葉兮に一緒に来るように言うが、葉兮は依然として蒼楠を信じ、道端のエノコログサを蒼岐に渡し、無事を祈る。
蒼楠は二人を追いかけようとするが、宦官に促され、火災に驚いた妃嬪たちの元へ向かう。皇宮に戻った葉兮は蒼楠に失望の眼差しを向けるが、蒼楠は葉兮との約束を忘れていないと言う。その時、禁軍が二人を取り囲み、皇帝の勅命で妖女葉兮を捕らえるよう告げる。葉兮は髪に挿していた簪で蒼楠を人質に取り、皇宮を脱出しようとするが、突然力が抜け倒れそうになる。葉兮は昨夜飲んだ酒のことを思い出し、蒼楠に騙されていたことに気づく。
牢獄で、葉兮は水をかけられ目を覚ます。皇帝は大臣たちの言葉を信じ、葉兮を蘇った妖女だと考え、処刑しようとしていた。宦官は葉兮と楓華穀の関係を尋ねるが、葉兮は答えず、拷問を受ける。拷問の後、禁軍に皇帝の元へ連行される直前、葉兮は荷物を開き、『本草真経』を落とす。葉兮はすぐさま拾い上げ、術を使って消滅させる。蒼楠は葉兮に真経を何故破棄したのかと激怒する。それでも葉兮が認めないので、禁軍に葉兮を連れて行かせる。
皇宮では雪が降りしきる中、蒼楠は大臣たちの前で葉兮の十の罪状を読み上げる。読み終えた時、空に雷鳴が轟く。その時、白岳が傘を差して現れ、捕らえられた葉兮の前に歩み寄り、薬を飲ませる。蒼楠は白岳に、皇帝が不老不死の薬を精製させようとしていること、そして神丹を精製すればどんな願いも葉えると言っていることを伝える。白岳は葉兮に皇帝のために極上の薬草を採取させ、薬の仙人製に用いたいと言い、蒼楠は白岳が自分の側にいることを喜び、侍衛に葉兮の縄を解かせる。
宮門の外で、侍衛は葉兮を白岳に引き渡し立ち去る。白岳は葉兮に逃げ出し、楓華穀へ戻るように促す。葉兮が白岳と話しているところに、二人の大臣が侍衛を引き連れ現れ、皇帝の命により葉兮は皇宮を出ることは許されず、天牢に戻されることになった。葉兮は白岳に礼を言い、侍衛に連れ戻される。
第7話の感想
第七話は、葉兮と蒼楠の関係性が大きく揺らぐ、非常にドラマチックな展開でした。蒼楠は葉兮を守るため、時に冷酷な手段を取るのですが、それがかえって葉兮の誤解を招き、二人の間に深い溝を作ってしまう。特に、蒼岐を薬で陥れたり、葉兮を騙して捕らえさせたりする場面は、見ていて辛く、蒼楠の真意はどこにあるのかとやきもきさせられました。
一方、葉兮は困難に立ち向かう芯の強さと、蒼楠への揺るぎない愛情を見せてくれます。白岳の提示する過酷な条件にも臆することなく、蒼楠の命を救うために行動する姿は、彼女の深い愛情と責任感を感じさせます。しかし、その愛情が裏切られたと知った時の彼女の絶望感は、胸を締めつけられるものがありました。
つづく