あらすじ
浮屠塔の前で、葉兮は楊柯に遭遇した。楊柯は抵抗することなく負けを認め、葉兮は楓華谷へと足を踏み入れることができた。彼女はすぐさま谷主の白岳に会い、ある人物の救助を依頼した。しかし、白岳はそれを拒否する。葉兮は勝負を挑むことで白岳の考えを変えさせようとするが、灰叔に止められる。
灰叔は葉兮に、唐桓を救うには白岳の力が必要不可欠だと告げる。そして、白岳は頑固だが心優しい人物であること、また危険な薬を自ら試しているため、彼女の健康を心配していることを明かした。
唐桓の解毒のために白岳を説得しようと、葉兮はあらゆる手を尽くす。直接懇願したり、白岳の傍でひたすら待ったり、過去の出来事を語りかけたり…。ついに白岳は葉兮に、三年前、蒼楠のために奔走した時の話を始める。男たちに善意を利用され、深く傷ついた経験を明かすのだった。それでもなお、唐桓を救いたい一心で、葉兮はどんな条件でも受け入れると覚悟を決める。
白岳は、長留山に生える七匹葉人参を見つけ出すことができれば、唐桓の治療を引き受けると約束する。灰叔もまた、薬草探しにはくれぐれも気を付けるようにと葉兮に忠告する。葉兮の不屈の精神と人を救いたいという強い信念、そして白岳の、葉兮の過去を案じる気持ちと警告が、この場面には強く表れている。
ネタバレ
葉兮は浮屠塔の前に辿り著いた。楊柯が飛んで来たが、葉兮が攻撃しようとした瞬間、楊柯は急に止めに入り、自ら負けを認めた。ついに楓華穀に入った葉兮は、白岳が穀の主であることを見抜いた。試練を突破したことを告げ、ある人物の治療を依頼するが、白岳は即座に拒否。葉兮は剣を抜いて勝負を挑もうとするが、そこに灰叔が現れ、彼女を止めた。白岳は葉兮に往生丹の借りを返すよう言い、唐桓を連れて早く立ち去るように促した。灰叔は、白岳は口が悪いだけで本当は優しいと説明し、唐桓の世話を手伝った。
部屋の中で、灰叔は葉兮に、暴雨梨花針の毒は九種類の毒虫と九種類の毒草を混ぜて作られたものだと説明したが、具体的な種類を知るには白岳の助けが必要だと告げた。灰叔は葉兮に唐桓を本当に好きなのか尋ね、葉兮は白岳はいつも冷たくて怖いのに対し、唐桓は眉目秀麗で優しい目をしていると答えた。突然、外から鉢植えが投げ込まれた。実は白岳はずっと二人の会話を盗み聞きしていたのだ。灰叔は葉兮に男を信じると騙されやすいと忠告したが、葉兮にはその意味が理解できなかった。
白岳の部屋で、灰叔は、葉兮が唐桓を救う決意をしていることを伝え、今回は特別な条件を出すよう勧めた。灰叔は白岳の体を心配しており、彼が九転回魂丹を研究していること、そして自分で試しているのではないかと懸念していた。
葉兮は馬小屋で白岳の馬に餌をやりながら独り言を言っていると、灰叔が現れ、白岳にしつこく付きまとうようにアドバイスした。白岳が部下に指示を出しているところに、葉兮が駆け寄り、白岳の足にしがみつき、なぜ唐桓を治療してくれないのか訴えた。周りの部下たちは二人を見てひそひそと噂していた。葉兮が唐桓のために恥も外聞も捨てている様子を見て、白岳は怒って立ち去った。灰叔は葉兮に、白岳を屈服させるには適切なタイミングを見計らう必要があると教えた。
葉兮は「天時地利」と呟きながら、ある作戦を思いついた。温泉の傍らの石に服を抱えて座り、白岳を待っていたが、白岳は葉兮の手から服を奪い取って立ち去ってしまった。そこに灰叔が現れ、恋愛小説を葉兮に渡し、白岳を落とすように励ました。
石段で葉兮はうたた寝をし、白岳の顔を優しく撫でる夢を見た。白岳は葉兮の顔の蚊に刺された跡を見て、薬を塗ってあげていた。その時、葉兮は目を覚まし、自分が白岳の手を握っていることに気づき、慌てて飛び起きた。白岳は葉兮が落とした恋愛小説を拾い上げ、没収した。
夜、葉兮は白岳の部屋に入り、謝罪し、記憶を失う前に何か失礼なことをしたのか尋ねた。白岳が話をしたがらない様子を見て、葉兮は自分の推測を話したが、白岳は全く耳を貸さなかったため、葉兮は翌日の夜半にまた来ると言った。白岳は葉兮を呼び止め、ある話を聞かせると言った。
白岳は葉兮を秘密の部屋に連れて行き、自分が一番嫌いなのは葉兮のような仮省しない人間だと告げた。葉兮は何度も違う男を楓華穀に連れてきて治療を頼んできたが、結局彼らは葉兮を利用しただけで、彼女を奈落の底に突き落としたのだと。白岳は三年前、蒼楠のために葉兮が頼みに来た時の話を聞かせ、それから唐桓を救うかどうか決めるように言った。
三年前、葉兮は竹製の担架で気を失った蒼楠を運び、一歩一歩浮屠塔を登っていた。白岳は葉兮が過去の出来事を忘れていることに腹を立てた。白岳は葉兮の脈を取り、彼女が数十種類の毒に侵され、全身に刃物の傷跡があることを発見し、それでも蒼楠を救う価値があるのかと尋ねた。葉兮は蒼楠の命は国の命運に関わると言い、どんな条件でも飲むと答えた。白岳は葉兮の頑固さに呆れ、蒼楠から離れなければもっと酷い目に遭うと警告したが、葉兮は白岳がただ助けたくないだけだと思っていた。白岳は葉兮の意思が固いことを知り、長留山に残り、七匹葉人参を見つければ蒼楠を治療すると約束した。葉兮がすぐに探しに行こうとすると、灰叔は薬を渡し、深山では気を付けるようにと忠告した。
第9話の感想
第9話では、葉兮の唐桓への一途な想いと、白岳の冷酷な態度の裏に隠された複雑な感情が描かれ、物語はさらに深みを増しました。葉兮は唐桓を救うため、白岳にしつこく懇願し、時には大胆な行動に出ますが、白岳は頑なに拒否し続けます。しかし、白岳の態度は単なる冷酷さではなく、過去の出来事、そして葉兮への深い愛情が根底にあることが徐々に明らかになっていきます。
白岳が葉兮に語った三年前の出来事は、二人の関係性を理解する上で重要な鍵となります。葉兮はかつて、別の男性である蒼楠のために白岳に助けを求めていました。しかし、その男性は葉兮を利用しただけで、彼女を危険な目に遭わせていました。白岳は、葉兮が再び同じ過ちを繰り返すことを恐れ、唐桓の治療を拒否しているのです。
葉兮の純粋でひたむきな愛情表現は、見ている側も心を打たれます。彼女は白岳の冷たい態度にもめげず、必死に唐桓を救おうとします。一方で、白岳の複雑な心情もまた、視聴者の共感を呼びます。彼は葉兮を深く愛しているからこそ、彼女を傷つけたくない、守りたいという思いから、冷たく突き放してしまうのです。
つづく