あらすじ
第三十話は、登場人物たちの感情の揺れ動きと信頼の危機を中心に展開します。衛じいさんを偲び、酒に溺れる曾書書。そこへ小環が現れ、慰めの言葉をかけながら、小凡が碧瑤と共に天書を探していることを伝えます。この知らせは、曾書書の不安をいくらか和らげました。
一方、修為が衰えた玉陽子は、毒神に脅迫され、天書の在り処を明かすことを余儀なくされます。碧瑤は小凡との日々を回想する中、幽姨は小凡を排除しようとしますが、青龍は小凡が碧瑤に真心を持っていると見て、それを止めます。
小凡が碧瑤を見つけ出したのも束の間、青龍から碧瑤を裏切ったのではないかと問い詰められます。誤解が解けた後、小凡は碧瑤に、天書で神獣を復活させないという約束を守るのであれば、天書を渡しても構わないと告げます。
最後に、驚羽と楚逸才が青雲へ戻る道中、楚逸才は体内の毒に苦しめられます。復讐に現れた青龍ですが、楚逸才の毒を知ると、一旦は見逃すことにします。そして、楚逸才が鬼王 宗の手駒であることを明かします。
ネタバレ
夜、曾書書は一人で酒を飲んで物思いに耽っていた。そこへ小環がやってきて、彼が衛じいちゃんを偲んでいることを察する。小環は「世の中は変わりやすいものだけど、大切なのは自分の進むべき道を理解して前を向くことよ」と慰める。少し気持ちが落ち著いた曾書書は、驚羽と蕭逸才が青雲に戻ったこと、小凡だけが碧瑤と共に天書を探し続けていること、そして小凡の身を案じていることを小環に話す。小環は小凡は大丈夫だと励まし、碧瑤がかつて小凡のために芝居の結末を変えたこと、愛のためなら全てを捨てる覚悟があることを語る。「人の心はそう簡単に変わらない」と言う小環の言葉に、曾書書は考え込む。
一方、修為が衰えた玉陽子は郊外を歩いていると毒蛇に遭遇し、聞き覚えのある笛の音を耳にする。仮面をつけた男が現れ、自らを毒神と名乗り、天書の在り処を明かせば汚名をそそいでやると玉陽子を脅迫する。
渓流のほとりで、碧瑤は小凡との日々を思い出し、寂しさを感じていた。傍らの幽姨は小凡を殺そうとさえ考えるが、青龍は「碧瑤のために危険を冒すような男はそういない」と幽姨を諭し、碧瑤の本当の気持ちを考えるよう促す。
小凡は碧瑤たちを追跡し、渓流で青龍と対峙する。青龍は小凡を問い詰める。「なぜ碧瑤を裏切った? 彼女は宿屋で捕まり連れ去られたと言っていた。その時、彼女の居場所を知っていたのは林驚羽と君だけだ」。小凡は驚羽の裏切りを否定し、蕭逸才の仕業ではないかと疑う。そして青龍に、碧瑤が天書で神獣を復活させないなら、天書を渡すと申し出る。青龍は碧瑤たちが南西に向かったことを明かし、小凡は追跡を続ける。
青雲に戻る道中、林驚羽と蕭逸才は共に旅をしていた。蕭逸才は体内の毒が回り始め、必死に抑え込もうとする。そこに青龍が現れ、碧瑤の仇を討とうと蕭逸才に襲いかかる。しかし、蕭逸才が鬼王 宗の毒に侵されていることを知ると、青龍は彼を殺すのを思いとどまる。蕭逸才は鬼王 宗が青雲に送り込んだ駒であり、将来鬼王 宗に仕えるために最も影響力のある弟子になるべき存在だと考えたのだ。
第30話の感想
第30話は、それぞれの想いが交錯し、緊張感が高まる展開でした。特に小凡の碧瑤への一途な想いと、青龍との対峙シーンは印象的です。青龍の言葉から、碧瑤が小凡を信じているにも関わらず、何らかの誤解が生じていることが分かります。小凡が驚羽を信じ、蕭逸才を疑う根拠はまだ明かされていませんが、今後の展開で明らかになるであろう真相が待ち遠しいです。
また、小環と曾書書の会話は、物語全体の雰囲気を少し和らげる役割を果たしていました。小環の言葉は、悲しみの中にも希望を見出そうとする力強さを感じさせます。そして、碧瑤が小凡のために芝居の結末を変えたというエピソードは、二人の絆の深さを改めて感じさせ、切ない気持ちになりました。
一方、玉陽子と毒神の出会いは、新たな展開を予感させます。毒神が玉陽子に何をさせるつもりなのか、今後の物語にどう関わってくるのか、注目したいポイントです。
つづく