あらすじ

第三十四話では、主に鬼王 おにおうが娘の碧瑤へきようの苦しみを見るに忍びず、彼女の記憶を消し去ることで、母の小痴しょうちのように愛のために犠牲になることを避けようとする様子が描かれています。幽姫ゆうき鬼王 おにおうの行動を現実逃避だと非難しますが、鬼王 おにおう碧瑤へきようを情念の苦しみから守るためだと主張します。

一方、鬼先生おにせんせい碧瑤へきようを誤って傷つけたことを鬼王 おにおうに詫び、張小凡ちょうしょうはんの体内の天書についても話し合います。

青雲門せいうんもんでは、林驚羽そんきょううが祖師祠堂で落胆している様子が描かれ、万剣一まんけんいちは自身と似た境遇の物語を語ることで驚羽を励まします。

また、幽姫ゆうき張小凡ちょうしょうはんを見送り、碧瑤へきようとこれ以上関わるなと警告しますが、小凡しょうはんは諦めない強い意志を示します。

そして、帰路についた小凡しょうはん陸雪琪りくせつきに詰問され、林驚羽そんきょううの獣化を知ることになります。

この話では玄火鑑についても触れられ、獣神じゅうしん復活との関連が示唆され、秦無炎しんむえん碧瑤へきよう渝都ゆとへ赴き玄火鑑を奪還しようと計画していることが明らかになります。

ネタバレ

鬼王 おにおう宗で、碧瑤へきようは意識朦朧のまま、張小凡ちょうしょうはんの名を呟いていた。傍らで見守る鬼王 おにおうは、かつて己の命を犠牲にしてまで自分を救った妻・小痴しょうちを思い出す。碧瑤へきようが同じ運命を辿らぬよう、鬼王 おにおうは彼女の記憶を抜き、法器に封印することを決意する。駆けつけた幽姫ゆうき鬼王 おにおうを問い詰めるが、鬼王 おにおうはこれが碧瑤へきようを守る唯一の方法だと主張する。

鬼先生おにせんせい碧瑤へきようを誤傷したことを鬼王 おにおうに謝罪するが、鬼王 おにおうは気に留めず、張小凡ちょうしょうはんの体内の天書を今は取り出せないと告げる。小凡しょうはんを青雲山に戻すことを考えるも、林驚羽そんきょううのように獣人化することを懸念し、鬼先生おにせんせい蕭逸才しょういつさいに協力を仰ぐよう提案する。

青雲門せいうんもんの祠堂で、林驚羽そんきょううは掃除をしていた。そこに現れた万剣一まんけんいちは、ある物語を語り始める。それは、才能豊かな青雲の弟子と魔教の女性との禁断の恋、そしてそれが引き起こした正魔大戦の物語だった。林驚羽そんきょううは、その弟子こそ目の前の老人、万剣一まんけんいちであることに気づく。万剣一まんけんいちは明言は避けるものの、道玄どうげん真人が掌門に就任後、魔教との徹底抗戦を誓ったことを示唆する。

幽姫ゆうき張小凡ちょうしょうはんを見送り、正魔の溝は深く、碧瑤へきようと関わることを禁じる。しかし、小凡しょうはんは真実を追求する決意を表明する。

狐岐山で、記憶を失った碧瑤へきよう秦無炎しんむえんと出会う。秦無炎しんむえん青龍せいりゅう大使の友人を名乗り、正体を隠す。一方、張小凡ちょうしょうはん陸雪琪りくせつきと再会し、林驚羽そんきょううの異変を知らされ、青雲山への帰還を止められる。さらに、小凡しょうはんが魔教の功法を使っていることに気づいた陸雪琪りくせつきは、怒って去ってしまう。その後、曾書書そうしょしょ小凡しょうはん渝都ゆと城へ連れて帰り、城主の座を李洵りじゅんに譲った理由が、祖父を救うためだったと説明する。小凡しょうはん曾書書そうしょしょ李洵りじゅんの狡猾さを警戒するよう忠告する。

小環しょうかん李洵りじゅんの行いに憤慨する。李洵りじゅん燕虹えんこうが現れ、燕虹えんこう小凡しょうはんに剣を向けるが、小凡しょうはんはそれを止める。再び現れた陸雪琪りくせつきは、燕虹えんこうが仙術を乱用して民を傷つけたことを責め、小凡しょうはんの狐岐山での行動にも疑念を抱く。小凡しょうはんは獣人化と魔教の関係を調べていると説明する。李洵りじゅん小凡しょうはんが玄火鑑を盗んだと訴えるが、実際は錦繍坊にあり、小環しょうかんが持っていた。

鬼王 おにおうは玄火鑑奪還のため、秦無炎しんむえんを派遣する。碧瑤へきように別れを告げる際、秦無炎しんむえん獣神じゅうしん復活の計画を口にする。碧瑤へきよう小凡しょうはんの言葉を思い出し、渝都ゆとへ行き、それを阻止しようと決意する。

第34話の感想

第34話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、物語が大きく動き出す重要な回でした。特に印象的なのは、それぞれのキャラクターが抱える苦悩と葛藤です。

鬼王 おにおうは愛娘・碧瑤へきようを救うため、辛い決断を下しました。記憶を奪うという方法は残酷にも見えますが、そこには深い愛情と、小痴しょうちを失ったことへの後悔が見て取れます。娘を同じ悲劇から守りたいという親心は、胸を締め付けられます。

一方、張小凡ちょうしょうはんは正魔の間で揺れ動き、孤独な戦いを続けています。真実を追い求める強い意誌を持ちながらも、周囲からの疑念や誤解に苦しむ姿は、見ていて辛いものがあります。陸雪琪りくせつきとの再会も、素直に喜べる状況ではなく、二人の関係の難しさを改めて感じさせられました。

つづく