あらすじ

第三十六話では、張小凡ちょうしょうはん陸雪琪りくせつきたちは、馬賊に襲われたらしい商人の一団を救助します。しかし、これは馬賊の仕掛けた罠でした。「救助された」商人たちも実は馬賊の一味で、小凡しょうはんたちを騙して宝を奪い、雪琪せっきの血を使って沙葵さきに生贄を捧げようとしていたのです。

目を覚ました小凡しょうはん雪琪せっきは既に捕らえられていました。雪琪せっきは幼い頃に捨てられ、生贄にされそうになった記憶を思い出し、恐怖に怯えます。馬賊に連れられ沙葵さきの祭壇へと向かう途中、雪琪せっきは再び絶望に陥りますが、その時、小凡しょうはんは体内の毒素を押し出し内力を回復。巻き起こる砂嵐の中、雪琪せっきを救出します。

その後、一行は若い妖怪退治屋の石头と出会い、彼を仲間に加えます。ある時、小凡しょうはんは諍いの最中に、偶然にも謎の生物と遭遇します。

そしてついに、小凡しょうはんたちは砂漠の中のオアシス、小池鎮に辿り着き、そこで休息することにしました。一方、秦無炎しんむえん碧瑤へきようも砂漠に現れ、張小凡ちょうしょうはんたちへの対応を話し合っていました。

ネタバレ

張小凡ちょうしょうはん陸雪琪りくせつきたちは、馬賊に襲われている商人たちを助ける。しかし、商人たちは実は馬賊の変装だった。感謝の印としてお茶を振る舞われるが、茶には毒が盛られていた。小凡しょうはんは毒に気づき皆に警告するも、全員意識を失ってしまう。

目を覚ますと、小凡しょうはんたちは縛られていた。馬賊たちは彼らの宝物を狙い、さらに雪琪せっきの血を使って沙葵さきという魔物に生贄を捧げようとしていた。覆面の馬賊に連れられ儀式へと向かう途中、雪琪せっきは怯えていた。幼い頃、旅芸人に売られ砂漠で馬賊に襲われた際、師匠に助けられるまで恐怖を味わった経験があったのだ。

一方、曾書書そうしょしょ李洵りじゅんはテントに監禁されていた。そこに物売りの若者が現れ、書書は機転を利かせて彼に助けを求め、無事脱出する。

小凡しょうはんは体内の毒を押し出し内力を回復させようと試みる。沙葵さきの儀式が始まり、沙葵さき雪琪せっきを知っている様子で、今回は誰も助けられないと告げる。絶望する雪琪せっきだったが、その時、小凡しょうはんは力を回復し、砂漠の嵐を吹き飛ばして雪琪せっきを救い出す。

無事に逃げ出した小凡しょうはん雪琪せっきは、あの若者・石頭せきとうと、解放された書書、李洵りじゅんと合流する。自称妖怪退治屋の石頭せきとう小凡しょうはんに餅を与え、小凡しょうはんはそれを雪琪せっきに渡す。腹を空かせた李洵りじゅんは馬賊から奪った卵を焼こうとするが、揉み合っているうちに卵は地面に落ちて羽が生え、小凡しょうはんの腕にとまる。

一行は旅を続け、駱野らくやという男を助ける。彼も水を探していたため、共に旅をすることになる。

一方、秦無炎しんむえん碧瑤へきようも砂漠に辿り著いていた。碧瑤へきようは玄火鑑を探す小凡しょうはんたちを始末しようと提案するが、秦無炎しんむえん小凡しょうはんの強さを警戒し、特に碧瑤へきようを人質に取られた一件を思い出す。しかし碧瑤へきようにはその記憶はなかった。

ついに小凡しょうはん一行は砂漠のオアシ、小池鎮にたどり著き、三娘さんじょうの宿に泊まる。そこは石頭せきとうの故郷でもあった。

第36話の感想

第36話は、ハラハラドキドキの展開と心温まるシーンが絶妙に織り交ぜられた、非常に満足度の高いエピソードでした。まず、冒頭の馬賊の罠は見事な伏線で、小凡しょうはんたちのピンチに手に汗握りました。茶に毒を盛るという古典的な手法ながらも、効果的に緊張感を高めています。

特に印象的だったのは、雪琪せっきの過去が明らかになったシーンです。幼い頃のトラウマと再び馬賊に襲われる恐怖に怯える彼女の姿は、見ているこちらも胸が締め付けられました。これまでどちらかというとクールな印象だった雪琪せっきの繊細な一面が垣間見え、彼女への共感が深まりました。

そして、小凡しょうはんの活躍も素晴らしかったです。毒に侵されながらも雪琪せっきを救うために力を振り絞る姿は、まさにヒーロー。沙葵さきの不気味な雰囲気と小凡しょうはんの力強いアクションの対比も、見応えがありました。

つづく