あらすじ
第一話では、凌府における唐千月と凌長風の日常が描かれ、二人の親密で思いやりに満ちた関係が映し出されています。司の長である凌長風は大晦日の夜にも職務に励み、唐千月は店を早めに閉めて一緒に灯籠見物をする準備をしていました。外は凍えるような寒さにもかかわらず、唐千月は裸足で厚着もせずに凌長風の帰りを待ちわび、ついに彼が仕事から戻ると、凌長風は彼女に厚着をさせて一緒に街を歩きます。
しかし、穏やかな日常は突如現れた魂変者によって破られます。凌長風は唐千月を守るため戦い、その後、血だまりに倒れる彼女を発見します。悪夢のような光景に胸が締め付けられます。
実は、これは唐千月の見ていた夢でした。目を覚ますと、現実の出来事が驚くほど夢と重なり始めます。凌長風が彼女に眉を描いてあげたり、朝食を食べるように促したりする場面など、細部に至るまで一致していました。
鳶婆婆の到着とともに、唐千月は鍼治療によって普通の人間になる儀式を受けようとしています。しかし、門の外で陸司衛が倒れているのを見た瞬間、彼女の心は恐怖と不安でいっぱいになり、ただただ事態が悪化しないようにと祈るばかりでした。
ネタバレ
凌府にて、唐千月が目覚めると、凌長風は既に剣の手入れを終えていた。裸足の千月に気づき、長風は優しくたしなめる。そして、筆を取り彼女の眉を描く。今日は大晦日で、甯承司はいつも以上に忙しい。司の長である長風は率先して職務に励むため、千月は店じまいを早めにして、一緒に灯籠を見に行こうと提案する。長風は出かけ際に、朝食を摂り、厚著をするよう千月に念を押した。部下には後で普段著に著替えるよう指示し、その細やかな気遣いに部下は「さすが所帯持ち」と感心する。その時、長風は自分の剣に鈴付きの剣緒が下がっていることに気づき、いつ付けられたのか不思議に思う。
長風(リン・チャンフォン)雪が降りそうな空模様を見て、千月は厚著を忘れて傘を持ち長風を待つ。部下は長風に早く帰るよう勧めるが、長風は定時まで執務を続け、千月に厚手の衣を羽織らせ、一緒に街を散策する。街で、ある店の口紅が風月軒のものより良いと呼び込みの声が聞こえると、千月は試しにその口紅を塗ってみる。長風はそれを見て、風月軒のものの方が良いと即座に断言する。二人はアクセサリーの屋台へ行き、千月が一目惚れした銀の簪を、長風は彼女に挿し、代金を支払う。
その時、突然雪が降り始め、銀鈴の音が響き、血の匂いが風に乗って漂ってきた。長風はすぐに陸司衛に千月を連れて逃げるよう指示し、自身は刀を抜いて魂変した者たちに立ち向かう。長風は鮮やかに数人を倒すが、残りの魂変たちは一斉に同じ方向へ飛び去る。何かを察知した長風の表情は変わり、急いで千月の元へ戻る。しかし、既に千月は血溜まりの中に倒れていた。長風が悲しみに暮れていると、千月は突然赤い目を光らせて目覚め、長風の首筋に噛み付く。
悪夢にうなされて目を覚ました千月は、夢と同じように長風が剣の手入れをしているのを見て、動揺し、本当に長風を噛んだのかと尋ねる。長風は夢の中と同じように千月の眉を描き、出かける前の言葉も同じだった。千月は不安を募らせ、この日は上の空で、お釣りを間違えたり、小蝶に早く帰れるよう早めに給金を渡したりする。約束通りに鳶婆婆が訪れ、千月に最後の鍼治療を行う。この線香が燃え尽きれば、千月は普通の人に戻るのだ。夢と同じ出来事が現実に起こっていることに気づき、千月は恐怖に襲われる。店の中に隠れると、陸司衛が戸口を守っていたが、すぐに千月は戸の隙間から陸司衛が血溜まりに倒れているのを見る。燃え尽きそうな線香を見ながら、千月は心の中で祈りを捧げる。
第1話 感想
「風月変~幸せを願う蝶の恋人たち~」第1話は、冒頭から引き込まれる展開で、続きが非常に気になる幕開けとなりました。唐千月と凌長風の穏やかな日常描写から一転、突如現れる謎の敵、そして悪夢のような出来事の予兆と、わずか1話の中で緩急のあるストーリーが巧みに描かれています。
特に印象的なのは、唐千月と凌長風の愛情深い様子です。互いを思いやる仕草や会話の一つ一つが、二人の絆の深さを物語っています。凌長風が千月の眉を描くシーン、朝食や厚著を促すシーンなど、細やかな描写が二人の幸せな時間を際立たせ、後の悲劇との対比をより強く感じさせます。
しかし、幸せな時間は長くは続きません。銀鈴の音と共に現れる謎の敵、そして血の匂い。唐千月を襲う危機、そして悪夢と現実がリンクしていく不穏な空気。唐千月が最後に目覚めた時の恐怖と不安は、視聴者にも強く伝わるものがありました。
つづく