あらすじ
この回では、唐千月と凌長風のやり取りが心温まるユーモアに溢れています。凌長風が唐千月のために焼き芋を作り、昔の思い出話に花を咲かせるシーンから、唐千月がうっかりおならをしてしまい、それをきっかけに追いかけっこが始まる場面まで、二人の気楽で楽しい関係が生き生きと描かれています。
一方、寶珠の体調が急に悪くなったことに、凌長燼は困惑と心配を募らせます。寶珠をより大切にしようと決意した彼は、自ら彼女を温めるだけでなく、皇帝に炭火と狐裘を願い出て、寶珠の快適さを確保しようとします。男女のことに関して無邪気で何も知らない寶珠の姿は、笑いを誘うとともに、凌長燼との純粋な愛情を映し出しています。
寶珠は唐千月と凌長風の様子を見に行ったことを隠そうとしますが、凌長燼は既に気づいており、こっそりと後をつけていました。このエピソードは、日常の些細な出来事を通して、登場人物たちの複雑で深い心の繋がりを繊細に表現しています。
ネタバレ
唐千月はお腹を空かせており、凌長風は彼女のために焼き芋を作ってあげました。唐千月は一気に5つも平らげ、口の端に芋の欠片を付けていました。その様子を見て、凌長風は数年前に洞窟で過ごした夜を思い出し、唐千月もその時と同じようにしていたので、「もうすぐお母さんになるのに、相変わらずだなぁ」と笑って言いました。すると唐千月は思わずおならをしてしまい、それを凌長風に聞かれてしまいます。凌長風はからかい気味に「おならしたね」と言ったので、恥ずかしがり屋の唐千月は照れ隠しに凌長風を追いかけましたが、結局抱きしめられてしまいました。
寶珠は急に寒気を感じ、ベッドに横になって朦朧としていました。凌長燼はそれに気づき、急いで彼女に布団をかけ、炭火を足しましたが、寶珠の手は依然として冷たかったのです。凌長燼は不思議に思いました。寶珠の血を吸ってからだいぶ経つのに、なぜ体が弱っているのかと。寶珠の蒼白な顔を見ながら、ついに決心し、上著を脱いで自ら寶珠を抱き寄せ一緒に眠りました。翌日、寶珠は目を覚ますと凌長燼に抱きしめられて寝ていたことに喜び、思わず彼の眉や目元を撫で、いつも冷たい唇をそっとつまんでみると柔らかく、さらに嬉しくなりました。凌長燼はとっくに起きていましたが、知らないふりを続け、寶珠は彼の握りしめられた手に気づかず、嬉しそうにしていました。
侍女の和喜は、その日寶珠に食事を運ぶと、彼女の嬉しそうな様子を見て理由を尋ねました。寶珠は昨夜凌長燼に抱きしめられて寝たことをこっそり打ち明けると、和喜は他に何かあったのかと尋ねました。寶珠は他に何かあるのかと不思議そうに聞き返し、和喜は寶珠の純真な様子を見てそれ以上は何も言いませんでした。
凌長燼は上質な炭と狐の毛皮が献上されたと聞き、遠慮なく皇帝に要求しました。皇太后の手元にあった暖炉までも要求したので、皇帝と皇太后は寶珠がひどい暮らしをしていると思い、心配していました。しかし実際は、凌長燼は炭を寒がりの寶珠のために使い、狐の毛皮はマントに仕立てさせ、しかも美しく作るようにと指示を出していたのでした。男女の事に疎い寶珠は、凌長燼に夜一緒に寝るかどうか尋ねました。寝るなら布団は一枚、寝ないなら二枚使う、と。最近は特に冷えるから、という理由でした。昆清は耳を塞いでいましたが、寶珠の言葉を聞いてしまい、思わず笑ってしまいました。凌長燼は寶珠を先に部屋に行かせ、夜になったらこの件について話すと伝えました。
夜になり、寶珠はすでに眠りに落ちていました。凌長燼は書物を持って部屋に入ると、寶珠が布団を二枚かけて香しく寝ているのを見て、少し不機嫌になりました。椅子を並べて作った簡易ベッドに横になり、寶珠を何度も見て、なぜこんなに呑気に眠れるのかと不思議に思いました。寶珠はこっそり唐千月と凌長風の元を訪ね、凌長燼の屋敷の人間には気づかれないと思っていましたが、凌長燼は彼女の行動をすでに察知し、こっそり後をつけていたのでした。
第15話の感想
第15話は、登場人物たちの様々な愛の形が描かれており、微笑ましいエピソードが満載でした。特に、唐千月と凌長風の夫婦愛、寶珠と凌長燼の初々しい愛情、それぞれの表現の違いが際立っていました。
唐千月と凌長風は、まるで長年連れ添った夫婦のような、安心感とユーモア溢れるやり取りを見せてくれます。焼き芋を頬張る唐千月と、それを優しく見守る凌長風。些細な出来事からも、二人の深い愛情と信頼関係が伝わってきます。唐千月のおならという、少しコミカルな描写も、二人の親密さを象徴しているようで、思わず笑みがこぼれました。
一方、寶珠と凌長燼の関係は、まだ始まったばかりの初々しさに満ちています。寶珠の無邪気さと、凌長燼の不器用ながらも彼女を想う気持ちが、見ているこちらをドキドキさせます。寶珠は、男女の機微に疎いながらも、凌長燼と少しでも一緒にいたいという純粋な気持ちを表していて、とても可愛らしかったです。凌長燼も、寶珠の言動に戸惑いながらも、献上品を彼女のために使い、陰ながら彼女を見守る姿は、まさにツンデレ王子様。二人の今後の展開に期待が高まります。
また、寶珠の侍女である和喜の冷静なツッコミも、物語に良いアクセントを加えています。寶珠の純粋すぎる発言に、和喜が内心でツッコミを入れるシーンは、思わず共感してしまいました。
つづく