あらすじ
第16話は、寶珠、凌長燼、そして凌長風一家を中心に展開します。寶珠は、こっそり後をつけてきた凌長燼と共に、凌長風と唐千月を見つけます。二人が幸せに暮らしており、唐千月は妊娠中であることを知った寶珠は、凌長燼に二人をそっとしておくよう説得し、彼と約束を交わした後、安心してその場を去ります。凌長風は妊娠中の唐千月にとても気を遣い、つわりの辛さも一緒に分かち合おうとするなど、二人の間には温かい愛情が溢れています。
一方、寶珠と凌長燼は、乗り物がなく山の中で夜を明かすことになります。寒い夜、予期せぬ出来事に見舞われながらも、凌長燼は寶珠を優しく気遣い、彼の思いやり深い一面が垣間見えます。
また、昆清は寶珠の世話係を任されます。凌長燼は姉を救う方法に頭を悩ませています。
最終的に、凌長燼は自ら寶珠の世話をします。二人の間の深い絆が感じられるシーンです。
ネタバレ
寶珠は凌長風の家の門に著き、声をかけようとした瞬間、追いかけてきた凌長燼に口を塞がれました。寶珠は純粋ながらも、凌長燼が唐千月を探しに尾行してきたことに気づきます。凌長風と唐千月の幸せそうな様子を見た寶珠は、凌長燼を説得します。唐千月は蝶奴とはいえ、かつては普通の人間であり、今はただ凌長燼の妻として、お腹の子の母として、普通の暮らしを望んでいるのだと。唐千月の妊娠を知った凌長燼は、二人を邪魔しないと約束し、寶珠と指切りげんまんをしました。
寶珠は凌長風たちに挨拶するつもりはありませんでした。ただ二人の幸せを確認しに来ただけで、無事な様子を見届けると、持参した点心を門にかけて、凌長燼と屋敷へ戻りました。
凌長風は、つわりの唐千月を心配し、代わりに苦しんであげたいと願うほどでした。解決策がないか鳶婆婆に相談しようかとも考えます。唐千月は、この子の出産が自分の命を縮めることを知っていましたが、それでも凌長風のために産む決意をしていました。凌長風は、唐千月が吐き気を催す時は自分も一緒に吐くと宣言し、唐千月は冗談で吐く真価を始めます。凌長風も真価をし、二人の笑い声が庭に響き渡りました。
凌長燼と寶珠は屋敷へ戻る途中、馬車がなかったので山中の洞窟で夜を明かすことになりました。外は雪が降っており、凌長燼が焚き火をしても寶珠は寒さに震えていました。凌長燼は慌てて神機営に信号弾を打ち上げ助けを求めます。寶珠は自分の状況が皆に知られてしまうことを恥ずかしがり、凌長燼はようやく寶珠の不調が女性特有のものだと理解します。寶珠の服が汚れてしまったため、凌長燼は近くの村人から服を借り、汚れた寶珠の服を自ら洗いました。寶珠は凌長燼の手は武器を持つべき手だと言いますが、凌長燼は姉も武器を巧みに扱うため、手仕事に男女の区別はないと答えます。寶珠は凌長燼の姉に興味を持ち、救出に協力することを約束します。しかし、寶珠は採血で体が弱っており、凌長燼は寶珠が自分のことばかり考える人ではないことを知っているので、これ以上寶珠の血を採ることに気が引けていました。
昆清はずっと凌長燼の姉の世話をしており、今回凌長燼に寶珠の世話をするよう命じられ驚いていました。麒麟血は大変貴重で、昆清が近隣の街を探し回っても、寶珠しか見つかりませんでした。この報告を受けた凌長燼は、さらに悩んでしまいます。和喜は日が暮れても寶珠が起きないため、礼儀もわきまえず部屋に入り寶珠を起こし、凌長燼がもうすぐ戻ると伝えます。このような無礼な行動を凌長燼は咎めず、むしろ自ら寶珠に食事を食べさせました。それを見た和喜は、寶珠の幸せを心から喜んでいました。
第16話の感想
第16話は、メインストーリーである麒麟血をめぐる陰謀や争いから少し離れ、登場人物たちの温かい人間関係に焦点を当てたエピソードでした。特に、凌長燼と寶珠の関係性の変化が印象的です。これまで寶珠の血を求めるばかりだった凌長燼が、彼女の体調を気遣い、自ら洗濯をするなど、献身的な姿を見せました。山中の洞窟での一夜は、二人の距離を縮める重要なシーンだったと言えるでしょう。寶珠の恥ずかしがる様子や、凌長燼の不器用ながらも優しい対応は、見ているこちらも温かい気持ちになりました。
また、凌長風と唐千月の夫婦愛も心温まるものでした。つわりで苦しむ唐千月を気遣う凌長風の姿は、まさに理想の夫と言えるでしょう。唐千月もまた、自分の命を削りながらも子供を産もうとする強い母性を見せてくれました。二人の幸せそうな様子は、見ているこちらも幸せな気持ちにさせてくれます。
一方、寶珠の優しさも際立っていました。凌長風と唐千月の幸せを願い、静かに立ち去る姿は、彼女の心の美しさを表しています。凌長燼の姉を助けたいという気持ちも、彼女の純粋で優しい性格を表していると言えるでしょう。
つづく