あらすじ
凌長風が戻ると、唐千月は血まみれで倒れていた。緊急事態の中、荀御医に助けを求めたところ、麒麟の血だけが短時間で彼女の命を救えることが分かった。凌長風は一刻を争い、大尉府へ麒麟の血を請いに行った。幾多の困難を乗り越え、ついに麒麟の血を手に入れた。
唐千月は麒麟の血を飲んで目を覚ましたが、体は依然として弱々しく、凌長風と本当の夫婦になれなかったことを悔やんでいる様子だった。そして突然、夷瀾蝶奴へと変貌し、凌長風を襲った。しかし紅い光の影響で正気を取り戻し、凌長風の腕の中で気を失った。
翌朝、目を覚ました唐千月は凌長風に羽織をかけようとしたが、昨夜の出来事の衝撃から立ち直れない凌長風は警戒心を解かなかった。唐千月は昨夜何が起きたのか分からず不安を抱え、二人の間には微妙な空気が流れた。
ネタバレ
凌長風が駆け戻ると、唐千月は既に血まみれで倒れていた。今回は魂変ではなく、出血多量で命が危ない状態だった。凌長風は急いで唐千月を抱え、荀御医の元へ治療を乞う。荀御医は麒麟血のみが唐千月を救えると断言し、半時辰以内に体内に取り込まねばならないと告げる。凌長風はすぐさま手配をし、唐千月を任せて外へ出た。
その時、太尉に花陵城の異変が報告される。襲撃犯は目が血走り、顔に奇妙な模様があり、猛虎のような速さと力で襲いかかるまるで野獣のような人間離れした存在だった。太尉は夷瀾蝶奴ではないかと疑い、甯承司と協力して徹底的に捜索するように命じた。
凌長風は太尉府に押し入り、侍衛たちは彼を傷つけることなく追いかける。凌長風は唐千月の傷を思い焦り、太尉に麒麟血を要求する。太尉は凌長風の態度に不快感を示すが、凌長風は唐千月の時間が無いと跪いて懇願する。太尉は麒麟血の用途を尋ねるが、凌長風は焦りのあまり自ら取りに行こうとする。太尉は怒りを覚えながらも、麒麟血は元々凌長風の物だと考え直し、侍衛を止め、白い瓶の方だと教えた。
麒麟血を服用した唐千月は目を覚ますが、依然として衰弱しており、荀御医も手の施しようがない。唐千月は燃え尽きかけた香を思い、凌長風の本当の妻になれなかったことを悔やむ。そして、凌長風の腕の中で静かに息を引き取ったかに見えた。凌長風は悲しみに暮れ、麒麟血を思い出して再び与えようとするが、振り返ると唐千月はベッドから消えていた。
唐千月は紅い目をしたまま宙に浮き、鋭い爪と素早い動き、そして顔の模様から、まさしく夷瀾蝶奴と化していた。凌長風は彼女を抑え込みながら呼びかけ続けると、床に落ちた花から赤い光が放たれ、唐千月は尸山血海の中で凌長風に救われた記憶を取り戻し、正気を取り戻して凌長風の腕の中で気絶する。すると、体から異様な特徴も全て消え去った。
翌日、唐千月は驚きから目を覚ます。凌長風に披風をかけようとするが、凌長風は無意識に剣を抜いて自分で著ると言う。しかし唐千月は気にせず披風をかけ、断片的な記憶が頭をよぎる。昨夜の出来事を聞きたいが、勇気が出ない。凌長風が出仕しようとすると、今日は唐千月が裸足であることに気づかない。唐千月は違和感を覚えるのだった。
第2話感想
第2話は、唐千月の生死を巡る緊迫感と、夷瀾蝶奴の謎が深まる展開で、息もつかせぬストーリーでした。唐千月への愛ゆえに必死になる凌長風の姿は、胸を締め付けられるものがありました。麒麟血を求めて太尉に直談判するシーンは、彼の強い意誌と深い愛情が伝わってきて、特に印象的でした。
唐千月が夷瀾蝶奴に変貌してしまう衝撃的な展開は、物語に新たな謎を投げかけました。紅い目、鋭い爪、そして顔の模様…愛する人が突然怪物になってしまう恐怖は想像を絶するものがあります。しかし、凌長風の声と、花から放たれた赤い光によって正気を取り戻すシーンは、二人の絆の強さを感じさせ、感動的でした。
つづく