あらすじ
第七話では、凌長風と唐千月の間の恋模様が大きく進展します。凌長風は唐千月が他の男と芝居見物に出かけたのを目撃し、落胆します。しかし、唐千月が戻ると二人は一緒に酒を酌み交わし、酔った唐千月は凌長風に自分の心に想う人がいることを打ち明けます。唐千月の告白に凌長風は内心で葛藤しますが、最終的に彼女を他人に嫁がせないことを決意します。
一方、凌長風が相国府との縁談を断ったことに激怒した太尉は、凌長風に唐千月のことが原因か問い詰め、彼女の身分について言及します。
その頃、唐千月は困っている人を助ける際に怪力を発揮してしまい、それがきっかけで鳶婆婆に蝶奴の印を見つけられ、印を除去されます。この処置のため、唐千月は七日間姿を消してしまいます。凌長風は唐千月を必死で探し回り、彼女の不在にひどく焦燥します。
そしてついに大晦日の夜、行方不明だった唐千月が戻ってきます。二人は孔明灯を夜空に飛ばし、その夜、夫婦の契りを結びます。
ネタバレ
太尉は何度も甯承司を訪れて、凌長風がいつ相国府に行って沈沁と会うのかを尋ねましたが、凌長風は相手に しませんでした。ある日、凌長風が街を巡回していると、街角の軒下で雪を避けている唐千月を見つけました。二人が見つめ合っている最中、若い男性が傘を買って戻ってきて、唐千月を連れて影絵を見に行きました。凌長風の目は暗くなり、彼は踵を返して街を巡回し始めました。彼は、唐千月が振り返って彼を見ていることに気づきませんでした。
その夜、凌長風はいつもより早く衙門を後にしました。彼はいつものように玄関の銅鑼を鳴らしましたが、唐千月はいつものように出迎えてくれませんでした。落胆した凌長風が門をくぐると、唐千月が彼の後ろから戻ってきました。彼女が銅鑼を鳴らした瞬間、凌長風の気分は一変し、二人は一緒に酒を飲むことにしました。唐千月は桂花酿の美味しさに気づき、次々と飲み干して酔っ払ってしまいました。そして、凌長風に自分の秘密を打ち明け、好きな人がいることを告げました。凌長風は酔っ払って彼の腕の中で眠ってしまった唐千月を抱きしめ、どうすればいいのか悩みました。彼は本を数えて、唐千月を嫁に出すべきかどうかを決めようとしました。数え終わると、最後のページには唐千月を嫁に出すことが書かれていました。凌長風は本を破り捨てて燃やしてしまいました。これで、唐千月を嫁に出さずに済むようになりました。
太尉は凌長風を相国府に呼び、婚談をしようと思いましたが、凌長風は婚約を破棄してしまいました。太尉は激怒しましたが、凌長風は全く意に介さず、相国府は太尉の後妻を迎える方が喜ぶだろうと皮肉を言いました。太尉は怒って凌長風に物を投げつけ、彼が唐千月のためにそうしたのか、彼女の身分について尋ねました。凌長風は唐千月は自分の屋敷の人間だと答えて、太尉が自分の屋敷に手出しすることを拒否しました。
唐千月は街で老婆婆が男に虐められているのを見て、怪力で男を持ち上げました。男は驚いて、唐千月を怪物呼ばわりしました。老婆婆は男に今日のことを忘れさせ、唐千月を自分の家に連れて行きました。唐千月は、その老婆婆が鳶婆婆であることを知りました。鳶婆婆は唐千月にある印を見つけて、それを消してあげると言いました。その方法はとても苦しいものでしたが、唐千月は喜んで承諾し、7日間姿を消しました。
凌長風は衙門から家に帰ると、唐千月がいないことに気づき、街中を必死に探しましたが、見つかりませんでした。陸司衛は唐千月の失踪を知ると、捜索範囲を広げ、野原や山奥まで探しました。死体も探しましたが、見つかりませんでした。凌長風は悲しみと落胆に暮れました。ある日、凌長風が家に帰ると、家の中に明かりが灯っているのが見えました。彼は喜び勇んでドアを開けると、唐千月がいました。彼は思わず彼女を抱きしめました。二人は大晦日に孔明灯を上げ、唐千月は灯に凌長風と一生を添い遂げたいという言葉を書き、凌長風は婚約書を取り出して、その夜に結婚しました。
第7話の感想
第7話は、凌長風と唐千月の二人の関係性が大きく進展する、胸が締め付けられるような甘いエピソードでした。凌長風は唐千月への想いを自覚しながらも、彼女の幸せを願い、葛藤する姿が切なく描かれています。街角での偶然の出会い、唐千月の見せるほのかな恋心、そして凌長風の揺れる心情。二人の視線が交錯するシーンは、言葉がなくても互いを想う気持ちがひしひしと伝わってきて、見ているこちらもドキドキさせられました。
特に印象的だったのは、凌長風が唐千月のために結婚を破談にした場面です。太尉との激しいやり取りの中で、唐千月を守ろうとする強い意誌が感じられ、彼の男らしさが際立っていました。また、酔った唐千月に抱きしめられながら、彼女を嫁に出すかどうかで思い悩むシーンも胸を締め付けられました。書物に運命を委ねようとするも、最終的には自分の手で運命を切り開こうとする彼の姿は、真の愛を感じさせます。
唐千月の失踪は、見ている側もハラハラさせられました。凌長風が街中を探し回る姿は、彼の唐千月への深い愛情を物語っています。そして、除夕の夜に再会を果たし、孔明灯に願いを込めて結ばれるラストシーンは、これまでの苦悩が報われた瞬間であり、とても感動的でした。二人の幸せを心から願わずにはいられません。今後の展開がますます楽しみです。
つづく