37話(最終回)
第37話は、裴行倹と琉璃の心温まる交流と、蘇海政親子への処遇を描いています。蘇海政は庶民に落とされ長安へ送還される途中、方烈に殺害されます。
二年後、麴都護が亡くなり、麴崇裕は父の喪のため長安へ戻ることになりますが、阿紅との関係は試練を迎えます。雲伊は、複雑な家庭環境が待つ長安へ崇裕と共に赴くことをためらっていたのです。
一方、裴行倹は庭州の統治に成功し、妊娠中の妻・琉璃と共に長安へ戻り、司文少卿に就任することになります。別れの時、皆が互いの深い友情と、共に過ごした日々への名残惜しさを口にしました。
36話
第36話は、麴崇裕と裴行倹が庭州の包囲を解くために行った一連の行動を描いています。
まず、麴崇裕は蘇南瑾に対し、麴家への誣告をやめるよう厳しく警告しました。そして、裴行倹と共に兵糧を集め、庭州へと出発しました。琉璃は密かに伝符を作り、裴行倹の情報伝達を助けます。
裴行倹は天候 conditions を利用して敵の兵糧を焼き払い、吐屯を説得して退兵させました。さらに、刺史の遺体の返還も要求しました。
最終的に、蘇南瑾の陰謀は露見し、逮捕されました。庭州の危機はこうして解除され、人々は勝利を喜びました。しかし、裴行倹は北部の情勢に依然として不安を感じていました。
35話
第35話は、蘇南瑾と裴行倹の緊迫した関係、そして琉璃が巧妙な手段で重要な情報を伝える様子を中心に描かれています。
琉璃は、蘇南瑾が興惜亡可汗を殺害し、麴家に罪をなすりつけようとしているのではないかと疑っていました。彼女は張敏娘の侍女である娜娜を利用し、この情報を裴行倹たちに伝えることに成功します。
一方、麴崇裕も行動を起こします。彼は守衛に矢を射ることで密かに連絡を取り、蘇海政の親衛隊が殺されたという噂を流布させ、敵の士気を揺さぶろうとしました。
そんな中、罰を受けていた張懐寂は、王参軍から麴崇裕を誣告するように言われますが、それを拒否し、琉璃に真実を伝えることを選びます。
事態はますます緊迫し、蘇南瑾は麴都護を操って圧力をかけようとしますが、 ultimately 失敗に終わります。
そしてついに、興惜亡可汗の部下の攻撃が始まり、麴崇裕は自ら庭州へ向かい、危機に立ち向かうことを決意します。
34話
第34話では、麴崇裕と阿紅の親密な関係が描かれています。しかし、聖人から兵力制限の勅書が出されたことで、蘇海政は六百の精鋭兵が殺された事実を隠蔽するため、阿史那部族の長を暗殺する計画を企てます。蘇南瑾が麴崇裕たちを捕らえようとしたその時、琉璃と阿紅たちが駆けつけ、現場は一時緊迫した状況に陥ります。王君孟の仲裁により、直接的な衝突は避けられました。
琉璃は、興惜亡可汗が蘇海政に殺されたのではないかと疑いを抱き、馮参軍の脅しにも屈することなく正義を貫き、民衆の支持を集めます。最終、琉璃たちの尽力により事態の悪化は一時的に食い止められますが、彼らはさらに大きな陰謀が渦巻いていることを感じ取ります。そこで張敏娘に助けを求めますが、拒絶されてしまいます。
33話
第33話は、蘇南瑾が表向きは困難を装いながら、実際は兵糧を奪取しようと企んでいる様子を描いています。西州百官会議を通じて、張懐寂に兵糧の輸送責任を負わせます。蘇海政は馬賊を送り込んで兵糧を奪おうとしますが、失敗に終わります。裴行倹は事前に精鋭部隊を配置しており、馬賊を殲滅しました。裴行倹と麴崇裕は、黒幕が蘇海政であることを知っていましたが、決定的な証拠がありませんでした。
一方、張敏娘が琉璃を訪ねます。彼女の言動からは、蘇南瑾の陰謀を知っていることが窺え、さらに阿紅と琉璃に近づこうとする様子も見られます。この行動は、二人の警戒心を呼び起こします。
最後に、裴行倹は無事に帰還し琉璃と再会を果たします。麴崇裕は、張敏娘の行動に不快感を示します。
32話
第32話は、麴崇裕と王君孟らが蘇南瑾や地方の豪族たちの挑戦に立ち向かい、食糧徴発問題にどう対処するかが描かれています。
王君孟は父に恩を忘れるべきではないと諭し、豪族たちが利益のために態度を変えたことを麴崇裕に伝えました。麴崇裕は私利私欲に走る者たちに憤りを感じながらも、妹が正直な王君孟に嫁いだことを幸いに思いました。裴行倹は蘇南瑾の動向を探ることを提案し、二人は蘇南瑾の暴挙への報復も計画します。蘇南瑾は裴行倹と麴崇裕を挑発しようと見せびらかしをしますが、逆に張敏娘が裴行倹の義妹である事実を暴露されてしまいます。
麴都護は病に倒れながらも、蘇家の勢力拡大を防ぐため執務を続けました。祁夫人は自らの家が十分な食糧を寄付していないことを知り、家族か都護府か、難しい選択を迫られます。麴崇裕は祁夫人を守ることを約束しますが、うっかり白叠坊に一族の持ち分があることを漏らしてしまいます。
最終的に、麴崇裕は豪族たちに食糧を寄付させることに成功し、西州の軍糧問題は解決しました。同時に、食糧を買い占めていた豪族たちは窮地に陥ることとなりました。
31話
第31話は、亀茲の仮乱と軍糧調達の緊迫した状況を中心に展開します。
蘇海政が前線の備えを指揮する中、梅参軍はこれを好機と捉え、西州に大量の食糧を要求することを提案します。その真意は裴行倹の行動を牽製することにありました。琉璃は張敏娘の肖像画を描く中で、周囲の政治的動向の微妙な変化を感じ取ります。
裴行倹は20万石もの軍糧を調達するという大きな圧力に直面しますが、これは明らかに彼を狙った罠でした。麴崇裕はこの事態が麴家と裴行倹への挑発であると認識し、慎重な対応を始めます。蘇南瑾は軍糧調達の監督のためにやって来ますが、裴行倹は常に先手を打ち、罠に嵌まることを避け続けます。琉璃は張懐寂と蘇南瑾が密会しているのを発見し、裴行倹に警告します。
宴会の席で、張敏娘の琴の演奏は蘇南瑾の心を捉え、張懐寂はこの機会を利用して求婚し、各勢力の取り込みを図ります。一方、有力者たちは水面下で話し合い、納める食糧の量を製限することで、この政治的圧力に対抗しようとします。
30話
第30話は、琉璃が病気から回復するまでの様子を描いています。阿霓と小檀の献身的な看病を受け、琉璃の体調は徐々に快方に向かいましたが、小檀は依然として彼女の健康を心配していました。というのも、阿成と小檀の間には既に子供がいるのに対し、琉璃はまだ懐妊しておらず、それが小檀の不安を掻き立てていたのです。
一方、裴行倹は琉璃が特別な療養を必要としていることを知り、予定を切り上げて帰宅しました。そして、彼女を狩りに連れて行くことを約束します。
また、麴崇裕の側室となった阿紅は、ある宴席で琉璃に付き添い、高貴な家柄の夫人たちの挑衅から彼女を守りました。裴行倹には、名家の娘との縁談話が持ち上がっていましたが、彼は張敏娘との結婚をきっぱりと断り、彼女を義妹として迎え入れることにしました。
最後に、琉璃は張敏娘との関係を巧みに処理し、絵を描くことで場を和ませ、穏やかな雰囲気を作り出しました。
29話
第二十九話は、登場人物たちの複雑な想いと運命の転換を描いています。
張敏娘は、麴崇裕が阿紅に贈った酒に気づき、彼が彼女に想いを寄せていることを悟ります。一方、琉璃は体重が増え、体調も良くなったことを喜び、裴行倹は彼女に人生を楽しむように勧めます。阿紅は麴崇裕への想いを告白し、たとえ彼が去っても後悔しないと告げます。
柳如月は、方烈と名を変えた方公子を見つけます。彼は過去に傷を負っていますが、二人は再会し、共に未来を歩むことを決意します。琉璃と裴行倹は二人の再会を喜び、結婚を後押ししようとします。
そんな中、阿紅は、故郷の部族に父親に会えないという知らせを偶然耳にし、悲しみに暮れます。しかし、麴崇裕は彼女を支えると約束し、二人の絆は深まります。
物語は六年後、裴行倹の統治によって北部の地域が繁栄している様子で幕を閉じます。時の流れと登場人物たちの成長、変化が描かれています。
28話
第二十八話は、張敏娘の訪問と、彼女が阿紅を北方の探子ではないかと疑い、そのことを麴都護に告げた出来事を中心に描いています。琉璃は昏睡状態から目覚め、裴行倹たちは安堵します。一方、阿紅は自分の身分が露見したことを心配し、麴崇裕に自分が探子ではないことを説明し、彼の保護の約束を取り付けます。それと同時に、裴行倹は万が一に備えて鍼灸術を学ぶことを決意します。琉璃の病状が快方に向かうと、彼女は裴行倹と通行証や符の作り方について話し合い、自由に行動したいという強い願望を示します。さらに、麴崇裕は阿紅の故郷を思う気持ちを慰めようと、故郷の酒を贈ります。
27話
第二十七話は、琉璃の体調を中心に展開します。阿紅の件が片付いた後、琉璃はひどく疲れ果て、裴行倹に優しく抱きかかえられて床に休みました。目を覚ました琉璃は、王文度たちの処遇を気にかけ、彼らが既に罷免され処刑されたこと、蘇定方が大総管に就任したものの、笪篤城の問題は水面下でしか解決できないことを知ります。琉璃は、裴行倹がこれから頻繁に軍営に駐屯することになるのを寂しく思い、気分が沈みます。
その後、琉璃は体調が優れないにも関わらず、都護府の同郷の人々を見舞うために無理をして出かけますが、体力が尽きて倒れてしまいます。診断の結果、琉璃は重度の傷寒を患っていることが分かり、韓四大夫は艾灸治療を提案し、裴行倹もそれを信頼し支持します。琉璃の病状は少し快方に向かいますが、裴行倹は昼夜を問わず付き添い、琉璃の回復を祈ります。
同時に、この話は琉璃と周りの人々との間の複雑な感情の絡み合いと深い友情も描いています。
26話
第26話では、米大郎の病状が悪化し亡くなったと思われましたが、実は韓四によって薬で仮死状態にされていました。蘇南瑾は米大郎の死を喜びますが、王文度は米大郎をスパイだと決めつけ、裴行倹を逮捕する口実とします。琉璃はこの事態を知ると、民衆を集め、血判によって裴行倹への支持を集めます。その結果、麴崇裕は裴行倹を釈放せざるを得なくなります。
釈放された裴行倹は琉璃と再会し、米大郎が実は生きていることを知ります。一方、阿紅は麴崇裕の性的嗜好に関する噂を払拭しようとしますが、張敏娘が阿紅に濡れ衣を着せようと、口論の末にわざと転倒します。しかし、琉璃と麴崇裕の信頼によって、最終的に事態は収束します。
25話
第25話は、麴崇裕と琉璃たちを中心に展開します。麴崇裕は父に、裴行倹の少数の兵で多数の敵を打ち破った戦績を伝え、父の賛同を得ます。村では、琉璃と麴崇裕が白畳布を広める一方、阿紅は麴崇裕に想いを告げますが、彼が少年しか好まないことを知り、悲しみに暮れます。
密偵の疑いをかけられた米大郎は、裴行倹のもとへ逃げ込みます。前線では食糧不足が深刻化し、琉璃と裴行倹はそれぞれ偽の通行証を作って支援しようと試みます。
蘇南瑾は裴行倹を軍糧問題に絡めて告発し、家宅捜索をしようとします。麴崇裕夫妻は、その監視役を引き受けることになります。琉璃は麴崇裕と会い、米大郎を捕縛から守る計画を立て、武后への手紙を託します。
蘇南瑾が米大郎を無理やり連れ去ろうとした時、琉璃は機転を利かせて正義を貫き、不当な行為を阻止します。
24話
第24話は、阿紅が聖なる宝珠を失くしてしまうところから始まります。琉璃は阿紅を手伝い、宝珠探しに奔走します。
一方、張敏娜は麴崇裕の工房を訪ね、白叠布の普及に協力したいと申し出ます。琉璃は工房の生産上の問題を解決し、製品の質を向上させるために、より良い風水のある場所へ工房を移すことを提案します。
前線で戦う裴行倹はしばらく家に帰ることができません。そこで麴崇裕は、税の代わりに白叠布を納めることを決意します。
そんな中、麴崇裕は阿紅と出会い、一目惚れしてしまいます。しかし、阿紅は麴崇裕に良い印象を抱きません。麴崇裕は王君孟に阿紅の素性を調べるよう依頼します。
さらに麴崇裕は都護に対し、戦場で敵軍を策略で出し抜いた経緯を報告します。
23話
第23話は、裴行倹と蘇南瑾の知恵比べを中心に展開します。裴行倹は、地元で人望の厚い大仏寺の住職に軍糧の計量を依頼することで、蘇南瑾が大斛を使って商人を騙そうとしていた陰謀を巧みに暴きます。この一件で蘇南瑾は罰を受け、裴行倹への敵意をさらに深めることになります。
一方、物語は裴行倹と琉璃の結婚一周年記念日にも触れ、二人が互いに贈り物交換されたし、生涯を共に歩むことを誓い合う、心温まる場面が描かれています。
また、張敏娘の麴崇裕への想いや、麴崇裕の結婚に対する考え方も描かれています。麴崇裕は、家名に影響が出ようとも、妾を迎えることも正室を娶ることもないと断言します。
最後に、阿紅の登場が物語に新たな展開をもたらします。戦場に出たいという彼女の強い思いと琉璃とのやり取りは、今後の展開への期待感を高めます。
22話
第二十二話は、王君孟が宴席にて皆への感謝を述べ、琉璃夫婦と和解する場面から始まります。
安三娘は裴行倹に食糧調達の好ましい進捗状況を報告します。一方、伊州への左遷を命じられた蘇南瑾は、裴行倹と出会います。蘇南瑾は裴行倹の食糧調達に疑問を抱き、十二万石に達しない場合は自ら徴収すると宣言します。
裴行倹は安三娘と対策を練り、調達を強化することを決定します。食糧問題解決のため、裴行倹は大仏寺の住職にも協力を仰ぎます。住職は四万石の食糧を寄付することを承諾します。
蘇南瑾は、住職による食糧寄付と裴行倹の不正の可能性に疑念を抱きますが、裴行倹は機転を利かせて対応します。そして、住職と僧侶たちの支援を得て、危機を乗り越えるのでした。
21話
第21話は、姜母の過去の罪と、義照への助けを求めることから始まる一連の出来事を描いています。若い頃、ある人を救えずに罪悪感を抱き続けてきた姜母は、義照に救いを求めます。義照は、大仏寺で祈りを捧げるよう彼女に告げます。
公堂では、裴行倹の尋問に対し、義照は姜家との関係を否定します。しかし、姜の長男は、義照と李の未亡人との関係に気づき、さらに母親の金のかんざしを義照が使っているのではないかと疑い始めます。
捜査が進むにつれ、義照は身の潔白を証明するため、双子の弟である孟二の存在を明かし、彼を連れてきます。ところが、孟二は殺害され、その遺体が公堂に持ち込まれ、真犯人は誰なのかという疑念が渦巻きます。
裴行倹は、持ち前の知性と洞察力で氷室の秘密を解き明かし、ついに真相を暴きます。
一方、このエピソードでは、琉璃と裴行倹の深い愛情、そして麴都護の嵩児への愛情も描かれ、登場人物たちの様々な人間関係が浮き彫りになっています。
20話
第二十話は、慕容儀と琉璃の知恵と勇気を中心に展開します。慕容儀は我が子を守るため、琉璃の誘いに応じ、松竹亭で麴都護の族印を受け取り、長安からの脱出計画を話し合う約束をしました。しかし、二人の会合の真意を察知した大長公主は、琉璃をその場で処刑しようとします。慕容儀が自らの命を以て脅したことで、大長公主はやむを得ず譲歩しますが、慕容儀親子を人質に取り、琉璃に翌日手紙を持って来るよう要求します。
琉璃は偽造の手紙を用いて大長公主を欺き、慕容儀親子を解放させ、無事に長安を脱出させます。一方、裴行倹と麴崇裕は友情を結び、裴行倹は麴崇裕に友情の証として剣を贈ります。その後、琉璃は武后と聖上に謁見します。最後に、裴行倹は大仏寺の僧侶、義照の詐欺事件の審理を始め、真実を明らかにしようと決意し、麴崇裕も彼を支持します。物語全体は緊張感と策略、そしてどんでん返しに満ちており、登場人物たちの複雑な関係と駆け引きを描いています。
19話
裴行倹は西州の租税問題に取り組む中で、帳簿上は良田と記録されている土地が実際には耕作不能の砂丘地であること、そして民衆が重税に苦しんでいることを目の当たりにした。そこで、民衆の負担を軽減し、民心を掌握するため、全ての借用書を焼き捨てるという大胆な決断を下した。この行為は張懐寂の不興を買ったものの、民衆からは心からの感謝を捧げられた。
しかし、この善意ある行動が思わぬ波紋を広げる。尚賢郷の民衆は裴行倹の部下である琉璃を誤解し、彼女を傷つけてしまう。この知らせを聞いた裴行倹は激昂し、刀を手に都護府へ乗り込み問いただした結果、自身も重傷を負い、民衆の反乱を扇動したという濡れ衣を着せられてしまう。
この一件は長安にも伝わり、大長公主の耳にも入った。しかし、大長公主は噂を鵜呑みにせず、真偽を確かめようとしていた。
そんな中、琉璃が全ての真相を明らかにする。彼女が刺されたことも含め、全ては大長公主を欺くための周到に計画された計略だったのだ。琉璃と裴行倹は麴都護の協力を得ることに成功し、大長公主に対抗するための布石を水面下で進めていく。裴行倹の安全と未来を守るため、彼らは静かに闘いを進めていくのだった。
18話
第18話では、裴行倹が税の徴収という難題に直面する様子が描かれています。民衆は重税に不満を抱き、反発の動きを見せており、西州の安定維持と税の問題解決という板挟みになった裴行倹は苦悩します。民衆は罰せられることを恐れ、逃亡や抵抗を企て、緊迫した状況が生まれます。責任感と強い決意を持って事態の収拾にあたる裴行倹ですが、麴家の策略によって混乱はさらに深まります。琉璃は事態の打開を図ろうと奔走しますが、その過程で負傷してしまいます。そして、彼女は麴崇裕の家族を助けるために長安へ向かう決断を下します。事態は悪化の一途を辿り、裴府は民衆からの更なる脅威にさらされ、緊迫感は高まるばかりです。
17話
第17話は、裴行倹の公正な裁判と琉璃の機知を中心に展開します。
裴行倹は巧みな尋問によって張二を追い詰め、北部牧民と結託して子牛を盗んだ事実を自白させました。最終的に張二は、命乞いの代わりに全ての財産を返還することに同意しました。
一方、琉璃は王君孟から、大長公主が麴崇裕の家族の安全を人質に、彼を操っているという秘密を聞き出しました。そして、琉璃は彼らの救出に協力することを約束しました。
また、韓四は子牛を盗んで薬の試作をしたことを自首しました。裴行倹は寛大な態度を示し、分割での弁済を認め、彼に医業を続けることを許しました。
これらの出来事は、裴行倹の統治能力のみならず、複雑な状況下における琉璃の機転の良さを示しています。同時に、大長公主の背後に潜む政治的陰謀、そして租調の徴収における困難も浮き彫りになりました。
16話
第16話はいくつかの主要な展開を描いています。まず、裴行倹は王君孟に一ヶ月以内に事件の判決を下すよう命じ、張二を拷問にかけて早期解決を図ることを提案し、麴崇裕もこれに賛同します。
一方、琉璃は細白疊布の製作に没頭する傍ら、母の遺誌を継ぎ彈車を完成させるため麴崇裕と協力します。その過程で、琉璃は麴家と大長公主の複雑な関係、そして麴家がもしかしたら大長公主に操られている可能性を徐々に明らかにしていきます。
さらに、琉璃は麴崇裕と王君孟の行動、特に安全面に関して巧みに釘を刺し、注意を促します。
そして最後に、公堂において裴行倹は張二の事件を鮮やかに解決し、その知恵と手腕を見せつけます。
15話
第15話は、麴鏡唐の願いと琉璃の遭難を中心に展開します。麴鏡唐は長年子供に恵まれないことを深く悔やみ、夫の王君孟が妾を迎えることを頑なに拒むことにも心を痛めていました。そんな彼女を慰めようと、琉璃は祈願を提案し、小檀も加わり、三人の友情が垣間見えます。しかし、琉璃が外出中に何者かに襲われ怪我を負ってしまいます。麴鏡唐は身を挺して琉璃を救出し、事なきを得ました。この一件に激怒した裴行倹は、妻を傷つけられた怒りを麴崇裕にぶつけ、二度と琉璃に危害を加えないよう警告します。同時に、麴鏡唐も都護への牽制として王君孟に怒りをぶつけます。麴崇裕はこの場を収め、裴行倹に対し卑劣な手段を用いないことを約束しました。
琉璃は襲撃事件の後、侍女たちに付きっきりで警護され、かえって窮屈な思いをします。翌日、王君孟は柳如月の従兄の件を裴行倹に報告します。一方、琉璃は麴鏡唐から怪我の回復を願う薬材を受け取り、命の恩人への感謝の気持ちを新たにします。また、韓四が誤って白三の薬に雪蛤を入れてしまい、白三の怒りを買ってしまうという一幕も。
最後に、麴崇裕は琉璃の保護という名目で護衛を付けますが、その真意は裴行倹の動向を探ることでした。裴行倹は牛泥棒事件の解決に尽力しており、早期解決の必要性を訴えますが、王君孟はこれに異議を唱えます。
14話
第14話では、琉璃と裴行倹は物価調査の途中で出会い、経典の印刷に適した紙を偶然発見します。二人は協力して、琉璃が発明した雕版印刷術を用いて経典を大量生産することを決意します。麴崇裕の妨害や白三による経典見本の盗難といった騒動もありましたが、計画は無事に進展していきます。裴行倹は白三の問題を解決し、琉璃は麴崇裕の追及を巧みにかわします。一方、麴鏡唐は琉璃に化粧を依頼し、二人の友情を深めます。彼女は琉璃を寺に連れて行き、共に仏様に祈りを捧げ、自身の信仰について語り、互いの理解を深めました。物語全体を通して、登場人物たちの複雑な人間関係や、それぞれが困難に立ち向かう知恵が描かれています。
13話
第13話は、裴行倹と麴崇裕の知略を巡る駆け引きを軸に、登場人物たちの心の機微を丁寧に描いています。裴行倹は麴崇裕の策略を見破り、それを逆手に利用する巧妙さを見せます。一方、麴崇裕は酒に酔い、母の遺言、特に失伝してしまった細白疊布の技法への思いに囚われ、それが大きな心の負担となっている様子が描かれています。
また、琉璃と麴鏡唐の複雑な心の交流も描かれています。琉璃が作った粥が麴鏡唐の心を打ち、二人は母の思い出を語り合う中で、深い絆を育んでいきます。
さらに、裴行倹は捜査の中で、医術に長けているものの偏屈な性格の韓景之と出会います。韓景之は貧しい人々を無料で治療するなど、当時の社会背景における人々の温かい一面を象徴する存在として描かれています。
最後は、裴行倹と琉璃の心温まる情景で幕を閉じます。雪の夜に琉璃の母を偲び、深い想いを馳せる二人の姿が印象的に描かれています。
12話
第12話は、琉璃と裴行倹が西州に到著してから巻き起こる一連の出来事を描いています。都護は裴行倹に対し表面的には非常に熱心に接しますが、内心では彼を唐から派遣された自らの権力に対する脅威とみなし、排除しようと企んでいます。しかし、麴崇裕と王君孟の説得により、都護は裴行倹への行動を一時見送ることにします。
一方、琉璃は現地の女性賓客たちと良好な関係を築き、特に麴鏡唐とは親しい間柄になります。裴行倹は宴会の席で、酒に酔ったふりをして乾杯を避け、その機に琉璃への想いを伝えます。
それと同時に、裴行倹は西州の政務に取り組み始めます。麴崇裕が仕掛けた財政問題や地方官吏からの挑戦など、様々な難題に直面します。就任初日から多くの困難に遭遇しますが、裴行倹は臆することなく、むしろ職務に一層専念します。
11話
第11話は、裴行倹と麴崇裕の知略を巡る駆け引きが中心となります。裴行倹は穆三郎が自分の恋敵になることを懸念し、穆三郎が麴崇裕の絡みから逃れるように仕向け、同時に麴崇裕の真意を探ろうとします。宴会の席で、裴行倹の忠告を無視して穆三郎が出席したため、麴崇裕は彼に強い関心を示します。翌日、裴行倹は穆三郎を麴崇裕に差し出すふりをして、巧妙な計らいで彼を帰還させ、穆三郎を無事に逃れさせました。
一方、黒衣の刺客集団が裴行倹の暗殺を企てますが、麴崇裕が間一髪に琉璃を救出します。この行動は、麴崇裕の複雑な立場と真意を窺わせます。事件後、麴崇裕は裴行倹夫妻に謝罪し、警備を強化します。王君孟は刺客を逃がしたことを認めつつも、共謀を否定し、皇城の人間が借刀殺人を企てたのではないかと疑念を抱きます。裴行倹は麴家と大長公主の間に繋がりがあるのではないかと疑い始めますが、麴崇裕の行動は依然として不可解です。物語が進むにつれ、一行は西州へと着実に近づいていきます。
10話
第10話では、裴行倹が蘇南瑾に付き添われ阿成と面会し、様々な策を講じて琉璃を守る様子が描かれています。彼は蘇南瑾に不満をぶつけるために酔った振りをしますが、実際は相手の警戒を解くための演技でした。また、裴行倹は自身が西州の長史に任命されたことを明かします。
敦煌に着くと、麴崇裕は裴行倹を歓迎し、侍女たちを贈りますが、この行為は琉璃の怒りを買います。裴行倹は侍女たちを受け取らず、琉璃の気持ちを落ち着かせようと努めます。宴会の席では、琉璃が胡服姿で現れ、裴行倹と共に麴崇裕をからかいます。
こうした出来事を通して、裴行倹と琉璃の関係はさらに深まり、最終的に二人は和解します。
9話
第九話は、涼州における琉璃と穆三郎の窮状を中心に描かれています。商隊の一員として旅をしていた二人は、蘇南瑾に疑いをかけられ、荷物検査を受けます。琉璃は身分を隠すため、男装して街に紛れ込みます。しかし、街中で乞食たちに財布を奪われそうになり、その中の一人、女乞食のイースドゥオが財布の中の離縁状を読み上げてしまいます。これが官兵の注意を引き、琉璃は牢獄に入れられてしまいます。
一方、米大郎から知らせを受けた裴行倹は、穆三郎たちと琉璃の救出計画を練ります。裴行倹は機転を利かせ、スパイではなく、この地の長史として赴任してきたと偽り、蘇南瑾を欺きます。琉璃と対面した裴行倹は、好色漢を装い、蘇南瑾に琉璃を献上すれば機嫌を取れると思わせます。蘇南瑾は大長公主の手紙に裴行倹のことが書かれていなかったことに疑念を抱きますが、裴行倹は逆に蘇南瑾を叱責し、琉璃を連れて行くと見せかけて救出を実行します。その間、阿成が外で騒ぎを起こし、裴行倹の琉璃救出を助けます。
8話
第八話では、琉璃が長安を離れ西州へ向かう様子が描かれています。表向きは商売のためですが、本当の目的は裴行倹を追いかけることでした。旅の途中、裴行倹は琉璃への想いを募らせ、酒に溺れる日々を送っていました。そんな中、阿紅という女性を助けたことがきっかけで、思いがけず琉璃と再会を果たします。裴行倹は琉璃の心を繋ぎ止めようとしますが、かつて自分が書いた離縁状が原因で、琉璃は深く傷つき失望しており、彼との距離を縮めることができません。再会は喜びよりも苦しみを伴い、複雑な感情が渦巻く中、琉璃は再び裴行倹の元を去ることを決意します。一人残された裴行倹は、自らの過ちと後悔に苛まれるのでした。
7話
第七話では、琉璃と裴行倹の愛情、そして琉璃が困難に立ち向かう知恵と決意が描かれています。
裴行倹は琉璃を深く気遣い、自分のせいで窮地に陥りながらも文句一つ言わない琉璃を見舞い、彼女が自分の帰りを待ちわびて一晩中眠れなかったことを不憫に思います。一方、大長公主は裴行倹が間もなく都を離れることを喜び、支出が減り、琉璃の勢力も弱まると考えています。裴行倹は杨夫人から事態の収拾を頼まれますが、自分の立場を貫き、それを拒否します。
琉璃は持ち前の聡明さを発揮し、洛陽の荘園売却問題を巧みに処理し、周囲からの賞賛を集めます。そして最終的に、売却益を軍費として寄付することを決意し、裴行倹を探し出す決意を表明します。杨夫人も琉璃の決断を支持し、彼女を励まします。
6話
第六話では、大長公主の退去後、琉璃が見事に一族内のいざこざを収め、皆から認められる様子が描かれています。裴行倹は琉璃を支持しますが、琉璃は彼が何か大きなことを隠していると感じ取ります。洛陽の荘園の管理人は、大長公主との関係を避けるため、身契を琉璃に渡したいと申し出ます。琉璃は荘園を売却することを提案し、最終的に大長公主が購入に同意します。蘇定方が都に戻り、裴行倹は彼と政局について話し合い、武昭儀が皇后になることへの懸念を表明します。夜、裴行倹は宮中に召し出され、武昭儀を皇后に立てることに反対したため、西州へ左遷されることになります。最後に、裴行倹が戻り、琉璃は彼と共に西州へ行くことを決意します。
5話
第五話では、陸琪娘の命日と大長公主との対立という難しい局面において、琉璃と裴行倹の知恵と愛情が描かれています。
琉璃は寛大な心で、裴行倹と雨奴と共に陸琪娘の墓参りへ同行し、陸琪娘の無念を晴らすことを約束します。これは、裴行倹への深い理解と支えの表れです。裴行倹は陸琪娘を守れなかったことを悔やんでいましたが、琉璃は行動で彼を慰めました。
大長公主に対しては、裴行倹と琉璃は機転を利かせ、偽の奴隷契約書を使って彼女を欺きます。こうして、奴隷契約書を取り戻すと同時に、雨奴を守り抜きました。琉璃は二年後には雨奴に自由を与えることを約束し、さらに雨奴が実は良家の出身であることを明かし、彼女の慈悲深い一面を見せます。
また、琉璃は家事や一族の出来事にも優れた手腕を発揮します。大長公主主催の宴席では、巧みに立ち回り、裴行倹の立場を守りつつ、自身の威信も高めました。
数々の試練を共に乗り越え、互いを守り、家庭を守る中で、琉璃と裴行倹の絆はより一層深まっていきます。
4話
この回では、琉璃の知恵と胆力が際立っていました。大長公主が琉璃を刁難するため農民たちを送り込んできた時、琉璃は怯むことなく、女主人の立場から彼らに褒美を与えつつ、巧みに過去の不正行為を暴き、五万仮の布の契約書を差し出すよう迫りました。この一件は、琉璃が裴家の家政を掌握していることを示すだけでなく、彼女の地位に挑戦しようとする者への警告ともなりました。琉璃の行動に大長公主は激怒しましたが、同時に彼女が手強い相手であることを思い知らされました。
一方、琉璃は裴行倹と協力し、雨奴が香丸を使って陥れようとした陰謀を暴きました。そして、雨奴を屋敷に残し、陸琪娘のために経を写させて祈福させ、さらに一連の仕事を課しました。最後に、裴行倹の休日に、琉璃は陸琪娘の墓前に供え物を持って墓参し、故人への敬意を表すとともに、雨奴へのわだかまりがないことを示し、その度量の広さと懐の深さを示しました。
3話
第三話では、珊瑚が裴炎と琉璃の不義密通を糾弾し、大騒動を引き起こす様子が描かれています。裴炎の妻、岑娘は冷静に事態を収拾しようと、翠竹の証言によって事実を明らかにし、珊瑚の誣告を暴きます。琉璃は見事に身の潔白を証明し、阿崔から洛陽の田地と引き換えに沈黙を守るよう持ちかけられますが、裴家の名誉を守るため、これを拒否します。この事件により珊瑚は罰を受け、琉璃の屋敷に送り返される頃には重傷を負い、口を封じられて余命わずか二日となっていました。大長公主はこの責任を珊瑚に押し付けようとしますが、計画は失敗に終わります。そして、珊瑚は琉璃の屋敷で息を引き取ります。母の阿曹は琉璃を深く恨み、琉璃は深い悲しみとやるせなさを抱えます。裴行倹は琉璃を慰め、彼女への支えといたわりを示します。
2話
第二話では、琉璃が雨奴の帰りが遅いことを心配する様子から始まります。雨奴は帰ってくると傲慢な態度を取り、裴行倹に留め置かれたことを明かします。裴行倹は帰宅後、琉璃の不安を和らげようとしますが、二人の間には緊張感が漂います。
その後、裴行倹と琉璃は長公主の邸宅での宴に招待されます。宴では、長公主が琉璃の異母妹である珊瑚を世子の媵妾にしようと企んでいることが明らかになり、琉璃と珊瑚の間に亀裂を生じさせようとする長公主の思惑が垣間見えます。
長公主の宴では、様々な陰謀が渦巻きます。噂を流されたり、罠に嵌められそうになったりする琉璃ですが、持ち前の機転と勇気を発揮し、窮地を脱していきます。この一連の出来事を通して、琉璃の知性と強さが際立つとともに、彼女を取り巻く複雑な人間関係が浮き彫りになっていきます。
1話
第一話では、庫狄琉璃の出自と幼少期の経験が描かれています。彼女の母、安氏は、最高の刺繍技術者であることを示す「金針」の栄誉を授かったことで、卓錦娘の嫉妬と陥れにあい、宮中で非業の死を遂げます。息を引き取る間際、安氏は琉璃を孫徳成に託し、身の安全を守るため男装して生きるよう言い残しました。
十年後、琉璃が医師として宮中で働いていたところ、卓錦娘は彼女の正体に気づき、再び危害を加えようとします。そのため、琉璃は宮廷の外へ逃れ、そこで裴行倹と出会い、二人は次第に惹かれ合っていきます。卓錦娘が再び琉璃に迫った時、裴行倹は琉璃の家の名誉の象徴である金針を渡すことで彼女を救いますが、この行動が二人の間に誤解を生んでしまいます。
様々な出来事を経て、琉璃と裴行倹は卓錦娘が琉璃の母を陥れた証拠を見つけ出し、母の汚名をすすぎます。琉璃は尚服局で重要な役割を担うようになります。そしてついに、皇帝の計らいで琉璃と裴行倹は結婚しますが、二人の試練はまだ終わりません。長公主は侍女の雨奴を裴家に送り込み、二人の仲を裂こうと画策します。雨奴の出現は琉璃の心に疑念を抱かせ、今後の波乱を予感させます。