あらすじ
第12話は、琉璃と裴行倹が西州に到著してから巻き起こる一連の出来事を描いています。都護は裴行倹に対し表面的には非常に熱心に接しますが、内心では彼を唐から派遣された自らの権力に対する脅威とみなし、排除しようと企んでいます。しかし、麴崇裕と王君孟の説得により、都護は裴行倹への行動を一時見送ることにします。
一方、琉璃は現地の女性賓客たちと良好な関係を築き、特に麴鏡唐とは親しい間柄になります。裴行倹は宴会の席で、酒に酔ったふりをして乾杯を避け、その機に琉璃への想いを伝えます。
それと同時に、裴行倹は西州の政務に取り組み始めます。麴崇裕が仕掛けた財政問題や地方官吏からの挑戦など、様々な難題に直面します。就任初日から多くの困難に遭遇しますが、裴行倹は臆することなく、むしろ職務に一層専念します。
ネタバレ
西州に到著した琉璃一行。都護は裴行倹に対し、過剰なほどの歓迎ぶりを見せ、王君孟はそれを皮肉る。一方、麴崇裕はその対応を当然と捉える。都護夫人は琉璃をもてなし、狩りから戻った麴鏡唐は、兄麴崇裕から聞かされていた琉璃への悪評とは裏腹に、琉璃の化粧を褒め、琉璃も麴鏡唐の素直さに好感を抱く。
宴の席で、裴行倹は酔った振りをし、退出する。琉璃が見舞うと、裴行倹は役人からの酒を避けるための演技だったと明かし、琉璃を抱きしめ、西州に著いた初日から酔った姿を見せたくなかったと語る。王君孟は麴鏡唐の動向を気にかけ、彼女が無事で安心する。
都護は唐の勢力均衡を保つ裴行倹の排除を企むが、麴崇裕と王君孟に諫められ、一旦手を引く。裴行倹は琉璃のために屋敷を用意していたが、琉璃は既に曲水坊に家を購入しており、そのことを得意げに麴崇裕に告げる。
琉璃は事前に西州で家を購入し、親戚や知人を訪ねる予定だった。裴行倹は琉璃の計画に興味を持ち、二人は小さな庭を眺めながら、家庭の温かさを感じる。侍女と外出中の琉璃は、馬で暴走する麴鏡唐と遭遇する。麴鏡唐は琉璃に図案を要求し、琉璃は機転を利かせて対応し、後日図案を描くことを約束する。麴鏡唐は琉璃を屋敷に招待し、店の店主も琉璃に感謝する。
王君孟は都護を説得し、裴行倹への攻撃を一時的に止めるが、新任の役人が麴崇裕にとって不利になる可能性を指摘する。麴崇裕は裴行倹の対応を見守る姿勢を示す。王君孟が去った後、麴崇裕は何かを隠しているのではないかと疑うが、王君孟は否定する。
裴行倹は正式に職務を開始し、王君孟は役所を案内し、役人たちを紹介する。その中には、問題児の白家兄弟も含まれており、これは麴崇裕が裴行倹に仕掛けた最初の難題だった。裴行倹は軍糧徴収の課題に直面し、王君孟らは人件費や役人の俸禄など、様々な困難を提示する。麴崇裕は表向きは裴行倹の緊縮財政を支持し、朝廷の西徴を支援する姿勢を見せる。
蕭淑妃と王皇后が廃され、武昭儀が新たな皇后となる。裴行倹の復権は絶望的だという噂が流れるが、裴行倹は帳簿の調査に集中する。
夜、白三は仲間と酒を飲んでいたが、麴崇裕に呼ばれ、裴行倹の屋敷の屋根に登り、会話を盗み聞きする。裴行倹は琉璃と支出削減について話し合い、琉璃の姉が紙と磨錠を持ってきたかどうか尋ねる。白三はそれを聞いて立ち去る。
王君孟は裴行倹が支出を削減するには、役人の給料か紙の価格を下げるしかないと考え、いずれも不満を生むと予想する。王君孟はそれを喜ぶが、麴崇裕は事態が順調すぎることに不安を抱く。
第12話の感想
西州に到著した琉璃と裴行倹。新たな地での物語が幕を開けました。都護の過剰な歓迎は、今後の波乱を予感させ、王君孟の皮肉もどこか不穏な空気を漂わせています。一方、麴崇裕の静観する態度は、彼が何を考えているのか、その真意を測りかねさせます。
琉璃と麴鏡唐の出会いは、今後の展開にどう影響していくのでしょうか。兄からの悪評とは裏腹に、好意的な出会いとなった二人。素直で天真爛漫な麴鏡唐と、聡明な琉璃。二人の関係がどのように変化していくのか、見守りたいところです。
裴行倹の偽りの酔いには、彼の思慮深さと琉璃への愛情が感じられました。西州に著いたばかりの琉璃に心配をかけたくないという配慮が、二人の絆の深さを物語っています。
つづく