あらすじ
第14話では、琉璃と裴行倹は物価調査の途中で出会い、経典の印刷に適した紙を偶然発見します。二人は協力して、琉璃が発明した雕版印刷術を用いて経典を大量生産することを決意します。麴崇裕の妨害や白三による経典見本の盗難といった騒動もありましたが、計画は無事に進展していきます。裴行倹は白三の問題を解決し、琉璃は麴崇裕の追及を巧みにかわします。一方、麴鏡唐は琉璃に化粧を依頼し、二人の友情を深めます。彼女は琉璃を寺に連れて行き、共に仏様に祈りを捧げ、自身の信仰について語り、互いの理解を深めました。物語全体を通して、登場人物たちの複雑な人間関係や、それぞれが困難に立ち向かう知恵が描かれています。
ネタバレ
琉璃は物価調査のため街に出たところ、同じく調査中の裴行倹と出会う。二人は経典を売る店へ行き、紙の質を確かめる。粗麻紙と細麻紙の違いを確認し、三娘の紙をここで売れば損はしないと判断する。もし損が出ても、裴行倹は自分が補塡すると申し出る。
その後、二人は市坊で情報収集を行い、裴行倹は単独で三娘の元へ向かう。三娘は麴崇裕と話し込んでおり、麴崇裕は紙を衙門で処理することを提案するが、裴行倹は自分の屋敷に置くことを提案する。三娘は紙の価値を低く見て自分で処理しようとするが、裴行倹の説得により、彼の屋敷に預けることに同意する。
裴行倹の屋敷に戻ると、琉璃は既に版木を使って経典を大量に印刷する方法を考案していた。裴行倹は喜び、琉璃を娶ったことを幸運だと感じる。彼らは以前家具の彫刻職人をしていた職人を呼び、版木の彫刻を依頼する。三娘は販売を担当したいと申し出て、琉璃はそれに同意するが、三娘が納得するように利益の三割だけを受け取ると主張する。
墨の試作では、松煙墨が最適だと琉璃は見つける。裴行倹は利益を受け取らないつもりだったが、琉璃はそれでは三娘が納得しないと考え、二人で協力することに決める。裴行倹は琉璃を励まし、十分な休息を取るように忠告する。
ある日、印刷したばかりの経典が屋敷からなくなる。裴行倹は白三の仕業だと疑い、麴崇裕がすぐに印刷のことを知ると予感する。案の定、麴崇裕は経典を手に入れ、琉璃の作だと見抜く。彼は王君孟に三娘の様子を探らせるが、琉璃は既に策を講じており、三娘にどう答えるべきかを教えている。
麴崇裕は三娘に経典販売を続けさせ、琉璃の技術だと認める。琉璃は大方に出向き、麴崇裕に彫刻方法を説明するが、肝心の版木の処理方法は隠す。麴崇裕と王君孟は琉璃を疑うが、彼女の巧みな返答に言葉を失う。
裴行倹は白三と三日以内に怪我をするという賭けをする。白三が再び裴府に侵入した際、油が塗られた床で転倒し、阿成に尻を射られる。裴行倹は白三に真実を話すように迫るが、白三は正直に話せず、賭けに負けたと認める。裴行倹は白三を家に帰らせ、白三は裴行倹の命令に従うことを約束する。
麴鏡唐は琉璃に化粧を頼み、彼女に親近感を抱く。麴鏡唐は琉璃を寺に誘い、小檀と戯れる。小檀は驚きながらも感動する。
裴行倹は柳如月のいとこ探しを手伝うという名目で、屯軍の守衛名簿を確認する。夜、麴鏡唐は王君孟に新しい化粧を見せびらかすために羹を届け、琉璃が化粧したと知ると、王君孟に琉璃を傷つけないように警告する。
翌日、麴鏡唐は琉璃と寺へ行き、自分は仏様に守られていない人間だと語る。この出来事で二人の友情は深まる。
第14話の感想
第14話は、琉璃と裴行倹の知恵と機転が光るエピソードでした。特に、印刷技術を応用して経典を作り、さらにはその技術を麴崇裕に利用される危機を巧みに回避する展開は、見ていて爽快感がありました。琉璃の頭の回転の速さと、裴行倹の冷静な判断力は、まさに最強のコンビと言えるでしょう。
二人の関係性も、より一層深まっているように感じられました。印刷事業を通して、お互いを信頼し、支え合う姿が印象的でした。裴行倹が琉璃の才能を認め、彼女を尊重する態度は、見ていて微笑ましいです。琉璃もまた、裴行倹の優しさと思いやりに触れ、心を開いているように見えます。
つづく