あらすじ
第15話は、麴鏡唐の願いと琉璃の遭難を中心に展開します。麴鏡唐は長年子供に恵まれないことを深く悔やみ、夫の王君孟が妾を迎えることを頑なに拒むことにも心を痛めていました。そんな彼女を慰めようと、琉璃は祈願を提案し、小檀も加わり、三人の友情が垣間見えます。しかし、琉璃が外出中に何者かに襲われ怪我を負ってしまいます。麴鏡唐は身を挺して琉璃を救出し、事なきを得ました。この一件に激怒した裴行倹は、妻を傷つけられた怒りを麴崇裕にぶつけ、二度と琉璃に危害を加えないよう警告します。同時に、麴鏡唐も都護への牽制として王君孟に怒りをぶつけます。麴崇裕はこの場を収め、裴行倹に対し卑劣な手段を用いないことを約束しました。
琉璃は襲撃事件の後、侍女たちに付きっきりで警護され、かえって窮屈な思いをします。翌日、王君孟は柳如月の従兄の件を裴行倹に報告します。一方、琉璃は麴鏡唐から怪我の回復を願う薬材を受け取り、命の恩人への感謝の気持ちを新たにします。また、韓四が誤って白三の薬に雪蛤を入れてしまい、白三の怒りを買ってしまうという一幕も。
最後に、麴崇裕は琉璃の保護という名目で護衛を付けますが、その真意は裴行倹の動向を探ることでした。裴行倹は牛泥棒事件の解決に尽力しており、早期解決の必要性を訴えますが、王君孟はこれに異議を唱えます。
ネタバレ
麴鏡唐は子供を授からず、長年悩んでいました。夫の王君孟は妾を迎えることを拒否しており、鏡唐は君孟への申し訳なさで胸を締め付けられていました。
琉璃は鏡唐を誘い、共に寺へ参拝に行きました。琉璃は鏡唐の願いが葉うよう祈ると言い、小檀も琉璃と共にと祈りを捧げ、鏡唐の幸せを願いました。しかし、小檀は琉璃の傍から離れることを望みませんでした。
ある日、鏡唐と琉璃が馬車で帰る途中、馬車が襲撃されました。その時、馬車には琉璃だけが乗っていました。鏡唐は身を挺して琉璃を救いましたが、琉璃は怪我を負ってしまいました。怪我をした琉璃を見た裴行倹は激怒し、麴崇裕の元へ行き、もし琉璃に危害が加えられるようなことがあれば、官職を辞して麴家と敵対すると警告しました。
帰宅後、鏡唐は君孟を庭に引きずり出し、都護府が琉璃を襲ったことに対する警告として、君孟を責め立てました。その後、駆けつけた崇裕は争いを止め、都護府と話し合いました。崇裕は裴行倹に屈することは本意ではないものの、大長公主に逆らうことの方が更に望ましくないため、都護府に琉璃への危害を加えないよう要求しました。都護府はこれ以上の事件を起こさないことを約束し、裴行倹に対抗する際は正々堂々戦うと誓いました。
琉璃が襲撃された後、侍女たちは琉璃を片時も離れず警護し、琉璃は窮屈に感じていました。翌日、君孟は裴行倹に柳如月の従兄弟の件を報告しました。冷淡な対応を受けながらも、君孟は報告を続けました。裴行倹は琉璃が襲撃された件で君孟を責めませんでした。
鏡唐は高価な薬材を持って琉璃を見舞いに来ました。琉璃は命を救われたことに感謝し、鏡唐を疑ったことはないと伝えました。韓四は誤って雪蛤を白三の薬に入れてしまい、白三の唇はソーセージのように腫れ上がり、怒り狂った白三は韓四を殺すとわめき散らしました。
崇裕は琉璃の警護を名目に護衛を配置しましたが、実際は裴行倹の動向を探り、問題を起こさせることが目的でした。裴行倹は最近牛が盗まれた事件を捜査し、犯人は張二だと突き止めました。裴行倹は事件を速やかに解決すべきだと考えました。一方、君孟は事件は複雑で、一人に罪を負わせるべきではないと考え、簡単な事件がなぜこんなに長く未解決なのか疑問を抱いていました。
第15話の感想
第15話は、登場人物それぞれの苦悩や思惑が交錯し、緊張感漂う展開でした。特に印象的なのは、麴鏡唐の焦燥感です。子供を授かれないことへの罪悪感、そして夫への申し訳なさから、彼女の心は深く傷ついていることが伝わってきました。琉璃を救う際の勇敢な行動も、その裏にある不安定な精神状態を闇示しているように感じられます。
一方、琉璃への危害が続くことで、裴行倹と麴家の対立はより鮮明になりました。裴行倹の琉璃への愛情は深く、彼女を守るためならば官職を捨てる覚悟も示しています。麴崇裕もまた、大長公主との関係を考慮しながら難しい立場に立たされています。二人の対立は、今後の物語に大きな影を落とすことは間違いありません。
王君孟は、妻の苦悩を理解しつつも、どうすることもできない無力感に苛まれている様子が見て取れます。裴行倹への報告シーンでは、冷遇されながらも職務を全うしようとする真面目さが描かれていました。
つづく