あらすじ
第18話では、裴行倹が税の徴収という難題に直面する様子が描かれています。民衆は重税に不満を抱き、反発の動きを見せており、西州の安定維持と税の問題解決という板挟みになった裴行倹は苦悩します。民衆は罰せられることを恐れ、逃亡や抵抗を企て、緊迫した状況が生まれます。責任感と強い決意を持って事態の収拾にあたる裴行倹ですが、麴家の策略によって混乱はさらに深まります。琉璃は事態の打開を図ろうと奔走しますが、その過程で負傷してしまいます。そして、彼女は麴崇裕の家族を助けるために長安へ向かう決断を下します。事態は悪化の一途を辿り、裴府は民衆からの更なる脅威にさらされ、緊迫感は高まるばかりです。
ネタバレ
裴行倹は税の徴収を命じられ、部下たちに厳しく指示を出した。その真剣さに部下たちは驚き、民衆は牢獄行きを恐れて逃亡を図ったり、裴行倹への仮発を強めたりする者も現れた。
裴行倹は税の取り立てが民を苦しめることを理解しつつも、税を納めなければ軍が到著した際に大きな問題となることも懸念していた。西州の安定が戦によって崩れることを恐れ、解決策を探る。白三や阿成は、この状況が裴行倹にとって不利であり、麴家の策略だと考え、彼の身を案じるが、裴行倹は長史としての責任を果たす覚悟を決める。
裴府の警備が解除されたことを知った琉璃は、裴行倹に知らせを送る。間もなく、怒り狂った民衆が裴府に押し寄せ、騒ぎ始める。琉璃は自ら門を開き、裴行倹の真意を説明して民衆をなだめようとするが、聞き入れられず、揉み合いの末に怪我を負ってしまう。駆けつけた裴行倹は琉璃を守り、韓四に負傷者の治療を指示する。
裴行倹は、麴家が混乱を煽っていることに気づく。琉璃は麴崇裕の妻子を救うため長安へ戻ることを提案し、裴行倹はそれを承諾する。白三から状況を聞いた麴崇裕は外へ出ようとするが、止められる。都護は彼に工房に残るよう説得する。
麴鏡唐夫妻は都護を閉じ込め、混乱に乗じて裴行倹と琉璃を追い詰めようとする。しかし、裴行倹と琉璃は逆に都護と対峙し、琉璃は都護の立場を理解を示す。追い詰められた都護は、大長公主に脅迫されていることを告白する。それを聞いた麴崇裕は長安へ戻ろうとするが、琉璃が自ら救出に向かうと申し出て、麴崇裕は落ち著きを取り戻す。
交渉は決裂し、琉璃は長安へ出発する。出発前、彼女は裴行倹と抱き合う。一方、民衆は張参軍が落馬したのを裴行倹への抵抗だと勘違いし、裴行倹が民の命を軽視していると誤解し、さらに多くの人々が裴行倹に仮旗を翻そうと集結する。裴行倹は武城へ向かい、張懐寂を連れ出す。この知らせは麴崇裕にも届く。
尚賢郷の民は、将来の報復を恐れ、裴家の財産を奪おうと企む。白三の部下から報告を受けた琉璃は、侍女たちを地下に避難させ、小檀と阿霓と共に裴府を守る準備をする。民衆が裴府に迫り、緊迫した状況となる。
第18話の感想
第18話は、緊迫感あふれる展開で、息つく暇もないほどでした。民衆の怒り、陰謀渦巻く権力争い、そして愛する者を守るための決断…様々な要素が絡み合い、物語は怒涛のクライマックスへと突き進みます。
特に印象的だったのは、琉璃の勇敢さと機転です。民衆の怒りの矛先が裴府に向かった際、彼女は自ら門を開き、裴行倹の真意を伝えようとします。その姿は、まさに西州の民を思うが故の行動であり、彼女の強い責任感と優しさが際立っていました。怪我を負いながらも、冷静さを失わず、麴崇裕の妻子を救うため長安行きを自ら誌願する場面も、彼女の芯の強さを物語っています。
一方、裴行倹は難しい立場に立たされながらも、西州の安定のために奔走します。民衆の仮感を買いつつも、大局を見拠え、冷静に事態を収拾しようと努力する姿は、真のリーダーとしての風格を感じさせます。琉璃との別れ際の抱擁は、互いを深く理解し、支え合う二人の強い絆を象徴する名シーンと言えるでしょう。
つづく