あらすじ
第二十話は、慕容儀と琉璃の知恵と勇気を中心に展開します。慕容儀は我が子を守るため、琉璃の誘いに応じ、松竹亭で麴都護の族印を受け取り、長安からの脱出計画を話し合う約束をしました。しかし、二人の会合の真意を察知した大長公主は、琉璃をその場で処刑しようとします。慕容儀が自らの命を以て脅したことで、大長公主はやむを得ず譲歩しますが、慕容儀親子を人質に取り、琉璃に翌日手紙を持って来るよう要求します。
琉璃は偽造の手紙を用いて大長公主を欺き、慕容儀親子を解放させ、無事に長安を脱出させます。一方、裴行倹と麴崇裕は友情を結び、裴行倹は麴崇裕に友情の証として剣を贈ります。その後、琉璃は武后と聖上に謁見します。最後に、裴行倹は大仏寺の僧侶、義照の詐欺事件の審理を始め、真実を明らかにしようと決意し、麴崇裕も彼を支持します。物語全体は緊張感と策略、そしてどんでん返しに満ちており、登場人物たちの複雑な関係と駆け引きを描いています。
ネタバレ
麴崇裕の妻、慕容儀は琉璃からの連絡を受け、夫の族印を受け取った。琉璃との待ち合わせ場所は松竹亭。大長公主の危険を承知の上で、長安での麴家の立場と息子の嵩児の安全のため、慕容儀は待ち合わせ場所へ向かった。
松竹亭で、琉璃は慕容儀に母子の窮地からの脱出を提案し、説得に成功する。しかし、大長公主に見つかり、二人は包囲される。琉璃の処刑が迫る中、慕容儀は自らに簪を突きつけ、大長公主を牽製。大長公主は嵩児を人質に慕容儀を脅迫する。琉璃は麴都護から託された箋封を見せ、中身の手紙こそ見せなかったものの、自分が戻らなければ蘇定方が聖上に手紙の内容を報告すると仄めかし、大長公主は一時琉璃を解放する。しかし、慕容儀親子は人質として残され、翌日、手紙と交換することを条件とした。
麴崇裕と裴行倹は琉璃の成功を案じていた。裴行倹は琉璃を信じ、麴崇裕は裴行倹の助力に感謝する。二人は語り合い、友情を深めた。
琉璃は全てを見越していた。大長公主は麴都護からの手紙がないため、慕容儀親子に手出しできないと読んでいた。翌日、大長公主府を訪れた琉璃は、慕容儀に会わせてもらえず、外出中だと告げられる。慕容儀が隠されていると察した琉璃は、慕容儀が朝廷命官の妻であり、蘇定方将軍の義女でもあることを強調し、大長公主に警告する。ちょうど聖上からの使者が到著し、琉璃は偽造した手紙を見せ、大長公主を追い詰める。
その手紙は裴行倹が大長公主の筆跡を真価て書いたものだった。焦る大長公主は見破ることができず、部下の進言もあり、慕容儀親子の解放を認める。琉璃は王内侍の協力を得て慕容儀親子を連れ出し、武后と聖上に謁見するため宮中へ向かった。
裴行倹と麴崇裕は琉璃の成功を祝い、麴崇裕は裴行倹の人柄に感服する。裴行倹は自らの剣を麴崇裕に贈り、友情の証とした。琉璃は慕容儀親子を西州へ送り届け、嵩児は大喜び。一方、手紙が偽物だと気づいた大長公主は怒りで倒れてしまう。
翌日、裴行倹は大仏寺の僧侶、義照による詐欺事件の審理を開始する。麴崇裕は裴行倹への全面的な支援を約束する。姜大郎は、義照が菩薩のお告げと称して母親を騙したと訴え、自身の病気は母親のせいだと義照に言われたと証言する。捜査が進むにつれ、大仏寺の更なる問題が浮き彫りになり、裴行倹は真相究明を決意する。
第20話の感想
第20話は、緊迫感あふれる展開と登場人物たちの知略が際立つエピソードでした。特に琉璃の機転と勇気、そして裴行倹の友情と知性が印象的です。
大長公主の策略によって窮地に陥った慕容儀親子を救うため、琉璃は周到な計画を立てます。大長公主の猜疑心を利用し、偽造の手紙で揺さぶりをかける大胆な行動は、見ているこちらも手に汗握る緊張感でした。琉璃の機転だけでなく、慕容儀が自らの身を危険に晒して大長公主を牽製する場面も、母としての強さを感じさせ、胸を打たれました。
また、裴行倹が琉璃の計画に協力し、見事な筆跡で偽の手紙を書き上げるシーンも印象的です。彼の知性と友情、そして義侠心は、この物語に欠かせない要素となっています。麴崇裕との友情が深まる場面も、二人の今後の関係性に期待を抱かせます。
つづく