あらすじ
第21話は、姜母の過去の罪と、義照への助けを求めることから始まる一連の出来事を描いています。若い頃、ある人を救えずに罪悪感を抱き続けてきた姜母は、義照に救いを求めます。義照は、大仏寺で祈りを捧げるよう彼女に告げます。
公堂では、裴行倹の尋問に対し、義照は姜家との関係を否定します。しかし、姜の長男は、義照と李の未亡人との関係に気づき、さらに母親の金のかんざしを義照が使っているのではないかと疑い始めます。
捜査が進むにつれ、義照は身の潔白を証明するため、双子の弟である孟二の存在を明かし、彼を連れてきます。ところが、孟二は殺害され、その遺体が公堂に持ち込まれ、真犯人は誰なのかという疑念が渦巻きます。
裴行倹は、持ち前の知性と洞察力で氷室の秘密を解き明かし、ついに真相を暴きます。
一方、このエピソードでは、琉璃と裴行倹の深い愛情、そして麴都護の嵩児への愛情も描かれ、登場人物たちの様々な人間関係が浮き彫りになっています。
ネタバレ
姜の母は、若い頃、溺れる子供を助けられなかった事をずっと悔やんでおり、熱心な仏教徒だった。彼女は義照に助けを求め、息子を救ってほしいと懇願する。裁判の場で、裴行倹の尋問に対し、義照は姜の母を知らないと主張し、僧侶が証人になれると言う。しかし、裴行倹は姜の母に話を続けさせる。翌日、姜の母は大仏寺に参拝に行くと、仏像が涙を流しているのを目撃し、驚き気を失ってしまう。この出来事で、彼女は義照の力への確信を深める。
ある日、姜の長男は義照を尾行し、彼が李という未亡人と密会し、姜の母の形見の金のかんざしを李に贈っているのを目撃する。この場面を目にした姜の長男は、自分の病気が治ったのは義照の法力ではなく、韓という医者の腕のおかげだと悟る。李は裁判にかけられるが、義照との関係を頑なに否定し、義照も大仏寺から一歩も出ていないと主張する。
身の潔白を証明するため、義照は双子の弟の孟二の存在を明かし、彼を連れてきて証言させると申し出る。裴行倹は義照に大仏寺へ孟二を連れてくることを許可するが、白三たちに寺を監視させ、義照の逃亡を防ぐよう指示する。実は、裴行倹は既に小六と三痩にこの件を調査させており、義照に双子の兄弟がいることを知っていて、孟二が義照になりすましているのではないかと疑っていた。
間もなく、孟二の訃報が届き、遺体が裁判所に運ばれる。義照は悲しみに暮れるが、裴行倹は死んでいるのが本当に義照なのか、生きているのが孟二ではないかと疑う。大仏寺の住職は生きているのが義照だと断言するが、裴行倹は李に遺体の確認をさせることにする。
麴崇裕が李を尋問すると、彼女は当初妊娠を否定するが、韓が妊娠の兆候を指摘すると、ついに孟二の子を身ごもっていることを認める。麴崇裕は李に衙門で遺体を確認することを勧め、事態の解明に協力するよう促す。李はこれに感謝する。
翌日、李は遺体が孟二であると証言し、足のあざを証拠として提示する。孟二は金銭を騙し取ったことは認めるが、殺人は否定する。裴行倹は孟二が李との関係のもつれから殺意を抱いたのではないかと推測するが、遺体に死斑がないため、直接的な証拠がない。夏の遺体は通常腐敗しやすいはずなのに、裴行倹は腑に落ちない。
麴崇裕は大仏寺に滞在中、氷室の存在に気づき、自分の部屋が異常に涼しいことに気づく。彼はこの情報を裴行倹に伝え、裴行倹は銅の壺と氷を使った実験で、遺体に死斑がない理由を解明する。氷室が遺体を低温に保っていたのだ。
翌日、孟二は大仏寺で仏像に、義照を殺していないと誓う。裴行倹は孟二の口を塞ぎ、仏像に冤罪を訴えさせるよう命じる。すると突然、仏像が涙を流し、民衆は孟二が義照を殺した証拠だと考える。
一方、琉璃は予定より二日早く慕容儀親子を連れて帰ってくる。裴行倹は彼女を迎え、二人は再会の喜びを分かち合う。麴都護は嵩を可愛がり、裴行倹と琉璃の嵩への救命の恩に感謝し、宴を設ける。
このエピソードは真相を明らかにすると同時に、登場人物たちの複雑な人間関係を描いている。
第21話の感想
「風起西州~烈風に舞う花衣~」第21話は、息詰まる展開で、真相が明らかになるまで目が離せませんでした。特に、義照と孟二の双子の兄弟という設定が巧妙に利用され、視聴者を翻弄する展開は見事でした。
孟二が金のかんざしを李未亡人に贈る場面は、彼の浅はかな性格を象徴するようで、後の悲劇を予感させました。李未亡人の妊娠が発覚し、それが事件解決の糸口となる展開も、物語に深みを与えています。
裴行倹の冷静な推理と機転、そして麴崇裕の鋭い観察眼が、複雑に絡み合った事件の真相を解き明かしていく過程は、まさに圧巻。特に、氷室の存在が遺体の状態を説明する鍵となる場面は、科学的な視点を取り入れた巧みな演出だと感じました。
つづく