あらすじ
第24話は、阿紅が聖なる宝珠を失くしてしまうところから始まります。琉璃は阿紅を手伝い、宝珠探しに奔走します。
一方、張敏娜は麴崇裕の工房を訪ね、白叠布の普及に協力したいと申し出ます。琉璃は工房の生産上の問題を解決し、製品の質を向上させるために、より良い風水のある場所へ工房を移すことを提案します。
前線で戦う裴行倹はしばらく家に帰ることができません。そこで麴崇裕は、税の代わりに白叠布を納めることを決意します。
そんな中、麴崇裕は阿紅と出会い、一目惚れしてしまいます。しかし、阿紅は麴崇裕に良い印象を抱きません。麴崇裕は王君孟に阿紅の素性を調べるよう依頼します。
さらに麴崇裕は都護に対し、戦場で敵軍を策略で出し抜いた経緯を報告します。
ネタバレ
阿紅は急いで宝石店に戻ったが、父親の形見の珠が漢人のような男に売られてしまっていた。悲しみに暮れ、部屋に閉じこもって泣く阿紅。琉璃は小檀に阿紅を見守るよう頼み、珠を買った男を探す。苦労の末、男を見つけ出し、長安で売るつもりだと知る。その珠は阿紅の父が多くの戦いで勝利を収めた際に身につけていた、部族の聖なる物だった。珠を失ってから父は敗戦続き、部族は苦難に陥ったという。阿紅は珠を取り戻したらもうわがままを言わないと誓い、琉璃は必ず取り戻すと約束する。
男の家で珠は見つかったが、妻が気に入っているため売ってくれない。琉璃は武后から裴行倹への贈り物である玉佩を交換に差し出す。裴行倹は玉佩の価値を理解しつつも、愛情は物に左右されないとして同意する。二人の深い愛情に阿紅は涙を流し、琉璃に感謝を述べる。
一方、工房で作られる白畳糸の品質が安定しない。困った麴崇裕は再び琉璃に助けを求める。琉璃は雨の日に糸を紡ぐ方が良いことに気づくが、すぐには解決策を明かさず、工房の将来について話し合う。そして、風水の良い場所に新しい工房を建てることを提案し、高凳を作る安三娘を手伝わせるため、一時的に職人を貸してほしいと頼む。技術流出を懸念する麴崇裕だが、最終的に琉璃に利益の4割を与えることを条件に同意する。琉璃の真意は安三娘を助けることであり、麴崇裕は安堵する。
その頃、蘇定方は北方の戦いで勝利を収めるが、寒さによる食糧不足に悩まされていた。裴行倹は琉璃に手紙で状況を伝え、しばらく帰れないと告げる。麴崇裕は琉璃にこの知らせを伝え、来年は白畳布を一部税の代わりにすると宣言し、技術を広めて民を豊かにすると約束する。琉璃は自ら地方へ指導に行くことを申し出て、麴崇裕は喜ぶ。
その時、麴崇裕は阿紅と出会い、微妙な感情が芽生える。琉璃は二人を紹介し、阿紅は麴崇裕の容姿は良いが、話し方が少し理解しづらいと感じる。それを偶然聞いてしまった麴崇裕は気まずくなる。その後、王君孟に阿紅の身元を調べるよう依頼する。
家に帰った麴崇裕は都護と戦況について話す。都護は1万の精鋭がどのように敗れたのか疑問に思うが、麴崇裕は実際は敵2万に対し味方は2千で、力ではなく知略で戦ったと説明する。蘇定方と裴行倹の戦略、特に敵の食糧を焼き払ったことが勝利の鍵だった。知恵と勇気の大切さが示された戦いだった。
第24話の感想
第24話は、登場人物たちの様々な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。阿紅の父の形見の珠をめぐる物語は、彼女の悲しみと琉璃の優しさが際立っていました。琉璃が裴行倹から贈られた大切な玉佩を躊躇なく交換に差し出すシーンは、二人の深い愛情を感じさせ、胸を打たれました。阿紅の純粋な涙も印象的で、彼女が琉璃に心を開いている様子が伝わってきました。
一方、工房での琉璃の活躍も光っていました。白畳糸の品質問題を解決するだけでなく、工房の将来を見拠えた提案をするなど、彼女の知性と機転には感服します。また、安三娘を助けるために麴崇裕を説得する場面では、彼女の優しさと思いやりが垣間見えました。麴崇裕も技術流出を懸念しながらも最終的に同意したことで、彼の懐の深さを感じることができました。
そして、戦場での蘇定方と裴行倹の活躍も描かれていました。少ない兵力で多くの敵を相手に勝利を収めたのは、彼らの知略と勇気の賜物でしょう。裴行倹が琉璃に宛てた手紙からは、戦場の厳しさの中でも彼女を想う気持ちが伝わってきて、二人の絆の強さを改めて感じました。
つづく