あらすじ
第25話は、麴崇裕と琉璃たちを中心に展開します。麴崇裕は父に、裴行倹の少数の兵で多数の敵を打ち破った戦績を伝え、父の賛同を得ます。村では、琉璃と麴崇裕が白畳布を広める一方、阿紅は麴崇裕に想いを告げますが、彼が少年しか好まないことを知り、悲しみに暮れます。
密偵の疑いをかけられた米大郎は、裴行倹のもとへ逃げ込みます。前線では食糧不足が深刻化し、琉璃と裴行倹はそれぞれ偽の通行証を作って支援しようと試みます。
蘇南瑾は裴行倹を軍糧問題に絡めて告発し、家宅捜索をしようとします。麴崇裕夫妻は、その監視役を引き受けることになります。琉璃は麴崇裕と会い、米大郎を捕縛から守る計画を立て、武后への手紙を託します。
蘇南瑾が米大郎を無理やり連れ去ろうとした時、琉璃は機転を利かせて正義を貫き、不当な行為を阻止します。
ネタバレ
麴崇裕は麴都護に、裴行倹が僅か二千の兵で二万の敵兵を打ち破ったこと、そして自分が保身ばかり考えていたことを告白しました。麴都護は崇裕が己の未熟さを認識したことを喜び、西州の未来を担う人物として期待し、祝杯を挙げました。
その後、崇裕と琉璃は村で白畳布の普及に努め、綿の種を取り除いた様子を見せ、織物の技術を指導しました。一方、阿紅は庭で地楡を掘っていました。張敏娘が菓子を持って来ますが、雲伊は崇裕の健康を気遣い、地楡茶を用意していました。崇裕がそれを飲む様子に琉璃は驚きます。その後、敏娘は雲伊に崇裕への想いを尋ね、雲伊は認めました。敏娘は両家の両親が二人の仲を取り持とうとしていることを明かしますが、崇裕は誰にも興味がなく、少年ばかりを好んでいると伝え、雲伊は深く悲しみます。
米大郎は蘇南瑾に細作の濡れ衣を著せられ、裴行倹の元へ逃げ込みました。前線は戦況が緊迫し、食糧不足に陥っていました。裴行倹は米大郎を琉璃の元へ送り、支援を要請します。韓四が米大郎の治療に駆けつけ、琉璃は蘇南瑾が裴行倹に報復することを懸念します。裴行倹は夜通し偽の通行証を作り、安三娘に前線へ物資を運ばせようとします。その時、蘇南瑾が再び動き出したという知らせが届きます。
琉璃は裴行倹の身を案じ、自らも偽の通行証を作り、安三娘に持たせます。阿霓は崇裕と蘇南瑾が高圧的な態度で街にやって来たと報告します。蘇南瑾は崇裕夫妻に、裴行倹が軍糧問題で拘束されたこと、そして蘇定方が北部の探子に肩入れしているという嫌疑をかけました。さらに、裴行倹の家に隠れている探子を捕らえると言い放ちます。
崇裕夫妻は裴行倹の家の様子を見張ることに同意します。蘇南瑾が去った後、琉璃は崇裕と密会します。韓四が米大郎の治療を終えると、琉璃は韓四に米大郎を重傷に見せかけるよう頼み、追っ手から守ろうとします。韓四は特殊な薬を使うことを提案し、琉璃は同意します。
崇裕は蘇南瑾の言葉を信じ切れませんでしたが、父の意向に従い、裴行倹を助けることにしました。琉璃と会った際、米大郎は崇裕に笪篤城の商人の冤罪を訴えます。崇裕は怒りに燃え、琉璃の計画を支持することを約束します。琉璃は崇裕に書状と玉如意を渡し、長安の杨夫人に届け、武后に伝えるよう頼みます。
帰宅した崇裕は蘇南瑾に、米大郎が気が触れたと伝え、蘇家が商人たちを殺害した件について問い詰めます。蘇南瑾は一部事実を認めつつも、自衛のためだったと弁明します。崇裕はこの件に自分は関与しないと告げ、蘇南瑾自身で処理するよう要求します。蘇南瑾が去った後、崇裕は深い悲しみに暮れます。
琉璃の家の周りに多くの民衆が集まり、韓四は米大郎が重体で手の施しようがないと宣言します。蘇南瑾は部下を引き連れ、米大郎を連れ去ろうと医館に押し入りますが、琉璃は公文の提示を求め、蘇南瑾はそれを示せません。琉璃は蘇南瑾の行為が違法であると指摘し、背後に大きな陰謀があるのではないかと疑います。最終的に、琉璃は機転を利かせて蘇南瑾が米大郎を強引に連れ去るのを阻止し、正義を守り抜きました。
第25話の感想
第25話は、陰謀と策略が渦巻く中で、それぞれのキャラクターの正義と信念がぶつかり合う緊迫感あふれる展開でした。特に、琉璃の機転と勇気、そして裴行倹への深い愛情が印象的でした。蘇南瑾の悪巧みによって窮地に立たされた裴行倹を救うため、琉璃は偽の通行証を作成し、危険を顧みず行動します。彼女の知略と行動力、そして愛する人を守る強い意誌は、まさにヒロインの鑑と言えるでしょう。
一方、麴崇裕は自身の保身と正義感の間で葛藤する姿が描かれていました。父である麴都護の期待に応えたい気持ちと、蘇南瑾の不正を許せない気持ちの間で揺れ動く彼の心情は、非常に人間味あふれるものでした。最終的には琉璃の計画に協力し、正義のために立ち上がることを決意しますが、その過程で味わう苦悩は、彼の成長を物語っていると言えるでしょう。
また、阿紅の切ない片思いも胸を締め付けます。崇裕への想いを募らせながらも、彼の心には別の存在がいることを知り、深く傷つく彼女の姿は、多くの視聴者の共感を呼ぶのではないでしょうか。
つづく