あらすじ
第33話は、蘇南瑾が表向きは困難を装いながら、実際は兵糧を奪取しようと企んでいる様子を描いています。西州百官会議を通じて、張懐寂に兵糧の輸送責任を負わせます。蘇海政は馬賊を送り込んで兵糧を奪おうとしますが、失敗に終わります。裴行倹は事前に精鋭部隊を配置しており、馬賊を殲滅しました。裴行倹と麴崇裕は、黒幕が蘇海政であることを知っていましたが、決定的な証拠がありませんでした。
一方、張敏娘が琉璃を訪ねます。彼女の言動からは、蘇南瑾の陰謀を知っていることが窺え、さらに阿紅と琉璃に近づこうとする様子も見られます。この行動は、二人の警戒心を呼び起こします。
最後に、裴行倹は無事に帰還し琉璃と再会を果たします。麴崇裕は、張敏娘の行動に不快感を示します。
ネタバレ
蘇南瑾は裴行倹を陥れるため、軍糧輸送を妨害しようと企んでいた。西州の会議で、王君孟は行商による輸送を提案したが、蘇南瑾は馬賊の危険を理由に難色を示した。麴崇裕は蘇南瑾の保身的な態度を非難した。
王参軍は輸送の責任は麴都護にあるべきだと主張し、麴崇裕は張懐寂に任務を命じた。張懐寂は渋々ながらも引き受け、裴行倹と麴崇裕も同行することになった。しかし、兵力は少なく、大半は蘇南瑾と張懐寂が指揮していた。琉璃は不安を抱くが、裴行倹は秘策があると告げ安心させた。
一方、蘇海政は亀茲付近で輸送の遅延を待ち、西州の役人を罪に陥れようとしていた。輸送開始の報を受け、蘇海政は600人の偽馬賊を送り出した。輸送中、蘇南瑾は隙を見て離脱し、裴行倹と麴崇裕だけが進んだ。偽馬賊に襲撃されるも、裴行倹は事前に方烈に援軍を要請しており、撃退に成功した。
馬賊と蘇海政の繋がりを証明する証拠がないため、裴行倹と麴崇裕は馬賊の首を蘇海政に送り警告とした。蘇海政は激怒するも、表面上は平静を装った。挑発されたと感じ、裴行倹への憎しみを募らせた。
その後、張敏娘が琉璃を訪ね、阿紅に絵の位置を尋ね、何かを企んでいる様子だった。琉璃と麴鏡唐は張敏娘の真意を疑った。阿紅は邪魔を嫌がり、書斎に戻ると、張敏娘が追いかけてきて謝罪した。阿紅は謝罪を受け入れたが、張敏娘はなかなか帰らず、琉璃を褒めたり絵の話をしたりして、阿紅をうんざりさせた。麴崇裕が戻ると、阿紅はすぐに駆け寄り、居づらくなった張敏娘は帰っていった。麴崇裕は麴鏡唐に張敏娘を送り届けさせた。
夜、琉璃は月を眺めながら裴行倹の好物を用意していた。すると裴行倹が戻り、二人は抱き合った。麴崇裕は阿紅に張敏娘と絵を見た件を尋ねた。阿紅は説明したが、麴崇裕は既に全てを察しているようで、阿紅は自分が何か間違えたのではないかと不安になった。
第33話の感想
第33話は、蘇南瑾の狡猾さと裴行倹の機知がぶつかり合う、緊張感あふれる展開でした。蘇南瑾は表向きは裴行倹に協力的な姿勢を見せながら、裏では軍糧輸送を妨害し、彼を陥れようと画策します。馬賊を利用した策略は巧妙でしたが、裴行倹は先手を打って方烈に援軍を要請し、危機を脱します。このシーンは、二人の知略の差を際立たせており、非常にスリリングでした。
また、蘇海政との駆け引きも見どころの一つです。直接的な証拠がない中で、馬賊の首を送りつけるという裴行倹の行動は、大胆かつ効果的な警告となりました。蘇海政の怒りながらも何もできない様子からは、彼の焦りと裴行倹への憎悪がより深く感じられました。
一方、西州では、張敏娘の不可解な行動が波紋を広げます。琉璃を訪ね、阿紅に絵の場所を尋ねる彼女の真意は何なのか?単なる好奇心とは思えず、今後の展開に不安を感じさせます。阿紅とのやり取りからも、彼女の思惑が何かあることを匂わせており、今後の動向に注目したいところです。
つづく