あらすじ

第36話は、麴崇裕きく・すうゆう裴行倹はい・こうけんが庭州の包囲を解くために行った一連の行動を描いています。

まず、麴崇裕きく・すうゆう蘇南瑾そ・なんきんに対し、麴家への誣告をやめるよう厳しく警告しました。そして、裴行倹はい・こうけんと共に兵糧を集め、庭州へと出発しました。琉璃るりは密かに伝符を作り、裴行倹はい・こうけんの情報伝達を助けます。

裴行倹はい・こうけんは天候 conditions を利用して敵の兵糧を焼き払い、吐屯ととんを説得して退兵させました。さらに、刺史の遺体の返還も要求しました。

最終的に、蘇南瑾そ・なんきんの陰謀は露見し、逮捕されました。庭州の危機はこうして解除され、人々は勝利を喜びました。しかし、裴行倹はい・こうけんは北部の情勢に依然として不安を感じていました。

ネタバレ

麴崇裕きく・すうゆうは蘇家に対し、国への忠誠を誓う一方で、これ以上の麴家への危害は許さない、と釘を刺しました。蘇南瑾そ・なんきんは脅威を感じます。王参軍おうさんぐんは、麴崇裕きく・すうゆうが外敵と通じている証拠を集めるため、兵を率いて向かうことを提案します。同時に、裴行倹はい・こうけんは流血を避け庭州を救う策を練ります。

裴行倹はい・こうけん琉璃るりに、情報漏洩を防ぐため全ての伝符と印章を破棄したと告げ、琉璃るりに仏堂で祈るよう促します。琉璃るり裴行倹はい・こうけんの衣服を用意する際、密かに靴の中に伝符を隠しました。この伝符を見つけた裴行倹はい・こうけんは、琉璃るり麴崇裕きく・すうゆうと密かに伝符を作っていたことに気づきます。

救出作戦のため、麴崇裕きく・すうゆう裴行倹はい・こうけんは500の兵と十分な食糧を集め、庭州へ向かいます。阿紅あこう麴崇裕きく・すうゆうの身を案じ、琉璃るり裴行倹はい・こうけんを見送ります。出発前、裴行倹はい・こうけん阿成あせいに書状と伝符を長安へ送り、援軍を要請させます。

一ヶ月後、年の瀬に、白三はくさんは敵の食糧庫を焼き払うことに成功。さらに大雪で補給路が断たれ、裴行倹はい・こうけんの戦略が功を奏し始めます。裴行倹はい・こうけんは再び長安へ援軍要請の書状を送り、単身で吐屯ととんに会い、500車の食糧と引き換えに刺史の遺体を取り戻し、10日以内に蘇海政そかいせいも撤退することを条件に、敵の撤退を約束させます。

その間、琉璃るりは麴都護とごの門番を排除する手助けをします。間もなく、前線から敵撤退の吉報が届きます。蘇南瑾そ・なんきんはその行いのため投獄され、裁きを待ちます。張敏娘ちょうびんじょうが実家に戻ったと聞き、蘇南瑾そ・なんきんは苦笑するしかありませんでした。麴崇裕きく・すうゆうの命令で、蘇南瑾そ・なんきんは正式に牢獄に入れられます。

裴行倹はい・こうけん麴崇裕きく・すうゆうは朝廷の最終決定を待ってから蘇南瑾そ・なんきんを処決することにします。琉璃るりは無事帰還した裴行倹はい・こうけんと再会し、皆が勝利の喜びに浸ります。一方、麴崇裕きく・すうゆう阿紅あこうは互いに見つめ合い、愛を確かめ合います。

第36話の感想

第36話は、緊張感と安堵感が巧みに織り交ぜられた、見応えのあるエピソードでした。裴行倹はい・こうけんの知略と琉璃るりの機転、そして麴崇裕きく・すうゆうの決断力が、庭州の危機を救う鍵となりました。

特に印象的だったのは、裴行倹はい・こうけん琉璃るりの隠した伝符を発見するシーンです。互いを信じながらも、それぞれの立場で最善を尽くそうとする二人の葛藤が、静かに、しかし力強く描かれていました。琉璃るりの行動は、愛する人を守りたいという一心からのものでしたが、同時に裴行倹はい・こうけんの計画を危険に晒す可能性もありました。この場面は、二人の信頼関係の深さと脆さを同時に感じさせる、緊張感あふれる名シーンでした。

また、白三はくさんの活躍も見逃せません。敵の糧草を焼き払い、裴行倹はい・こうけんの戦略を成功に導くという重要な役割を果たしました。彼の存在は、戦の行方を大きく左右するものであり、物語に更なる深みを与えています。

つづく