あらすじ
第五話では、陸琪娘の命日と大長公主との対立という難しい局面において、琉璃と裴行倹の知恵と愛情が描かれています。
琉璃は寛大な心で、裴行倹と雨奴と共に陸琪娘の墓参りへ同行し、陸琪娘の無念を晴らすことを約束します。これは、裴行倹への深い理解と支えの表れです。裴行倹は陸琪娘を守れなかったことを悔やんでいましたが、琉璃は行動で彼を慰めました。
大長公主に対しては、裴行倹と琉璃は機転を利かせ、偽の奴隷契約書を使って彼女を欺きます。こうして、奴隷契約書を取り戻すと同時に、雨奴を守り抜きました。琉璃は二年後には雨奴に自由を与えることを約束し、さらに雨奴が実は良家の出身であることを明かし、彼女の慈悲深い一面を見せます。
また、琉璃は家事や一族の出来事にも優れた手腕を発揮します。大長公主主催の宴席では、巧みに立ち回り、裴行倹の立場を守りつつ、自身の威信も高めました。
数々の試練を共に乗り越え、互いを守り、家庭を守る中で、琉璃と裴行倹の絆はより一層深まっていきます。
ネタバレ
琉璃は陸琪娘の墓参りへ雨奴も連れて行くことを提案し、故人への敬意を表した。琉璃はこの間、庭の絵を描き、それを刺繍に仕立て上げて陸琪娘の命日に燃やす準備をしていた。その心遣いに裴行倹は驚き、そして感動した。
裴行倹は琉璃が陸琪娘のことを忘れられずにいる自分に腹を立てるのではないかと心配していたが、琉璃は怒るどころか、寛大な理解を示し、裴行倹がいつでも墓参りに行くことを支持した。墓前で、琉璃は陸琪娘の冤罪を晴らすことを誓った。
裴行倹は陸琪娘と生まれてくるはずだった子供を守れなかったことを深く悔やんでいた。彼は琉璃と共に雨奴を連れて大長公主を訪ね、盗まれた奴隷売買契約書が見つかったと偽り、大長公主に渡した。実際は、琉璃が印章まで精巧に複製した偽造文書だった。大勢の前で、大長公主は契約書の真偽を認めざるを得なかったが、内心では偽物だと分かっていた。この一件で、大長公主の裴行倹夫妻への恨みはさらに深まった。
帰りの道中、裴行倹は雨奴の件など、自分の不安を琉璃に打ち明けた。琉璃は裴行倹への信頼を示し、雨奴の処遇を一任され、二人の絆はより深まった。
琉璃は雨奴に対し、行いが良ければ二年後には自由の身になれると告げた。しかし、雨奴は再び裴行倹を誘惑しようとし、琉璃に見つかってしまう。琉璃は雨奴に軽挙妄動は慎むように警告し、武昭儀のところか、不禄院へ送る可能性を示唆した。怯えた雨奴は、自分が本当は良家の娘で、陸琪娘に価ていたために奴隷にされたことを明かした。琉璃は真実を調べ、事実であれば雨奴の身分を取り戻すことにした。
裴行倹は引っ越しを考えていたが、琉璃は今の住居を離れたがらなかった。裴行倹は優しく妻を慰め、すぐには決断しなかった。一方、裴行倹は褚遂良から鑑定を依頼された張伯英の書を鑑賞していた。琉璃は相手の意図に気を付けるよう忠告したが、裴行倹は数回模写してから返すつもりだった。
また、琉璃は蘇定方の帰還を祝い、彼の妻のために新しい服を作った。そして、間近に迫った大長公主の宴席の話になり、琉璃はそれが鴻門の宴だと知りつつも、相手の情報を探るために出席することを決意した。宴席で、大長公主はまず謝罪し、裴家の財産は裴行倹個人に属するものであり、一族共有ではないと強調した。この発言に他の族人は不満を抱いたが、公然と仮対する者はいなかった。その後、大長公主は琉璃を褒めることで間接的に問題を起こし、琉璃と他の家族の仲を悪くさせようとした。
第5話 感想
第5話は、琉璃の機転と裴行倹への深い愛情、そして大長公主の陰謀が複雑に絡み合い、緊張感あふれる展開でした。琉璃が陸琪娘の墓前で復讐を誓うシーンは、彼女の強い意誌と愛情の深さを改めて感じさせ、胸を打たれました。偽造契約書を使って雨奴を解放しようとする大胆な行動は、彼女の知略と行動力を示しています。裴行倹への信頼と愛情を基盤に、自ら危険を冒してまで彼を支えようとする姿は、まさに献身的な妻の姿と言えるでしょう。
一方、裴行倹は過去の罪悪感に苛まれながらも、琉璃の支えによって前向きに進もうとする姿が印象的でした。琉璃との穏やかなやり取りからは、二人の深い絆が感じられます。しかし、褚遂良から送られた書画を巡る展開は、今後の波乱を予感させ、不安を抱かせます。
つづく