あらすじ
第七話では、琉璃と裴行倹の愛情、そして琉璃が困難に立ち向かう知恵と決意が描かれています。
裴行倹は琉璃を深く気遣い、自分のせいで窮地に陥りながらも文句一つ言わない琉璃を見舞い、彼女が自分の帰りを待ちわびて一晩中眠れなかったことを不憫に思います。一方、大長公主は裴行倹が間もなく都を離れることを喜び、支出が減り、琉璃の勢力も弱まると考えています。裴行倹は杨夫人から事態の収拾を頼まれますが、自分の立場を貫き、それを拒否します。
琉璃は持ち前の聡明さを発揮し、洛陽の荘園売却問題を巧みに処理し、周囲からの賞賛を集めます。そして最終的に、売却益を軍費として寄付することを決意し、裴行倹を探し出す決意を表明します。杨夫人も琉璃の決断を支持し、彼女を励まします。
ネタバレ
裴行倹は琉璃への武昭儀の深い情を認め、琉璃を見舞う。琉璃は裴行倹の行動の真意を問いただそうとはせず、今はその時ではないと理解している様子。裴行倹は、夜通し自分を待っていた琉璃を気遣い、寝室へと抱きかかえる。
大長公主は裴行倹の西州行きを喜び、出費が減ると安堵する。阿盧も琉璃は洛陽の荘園どころではないだろうと考える。大長公主はそもそも荘園を買う気はなく、武昭儀の後ろ盾を失った琉璃はもはや脅威ではないと高を括っている。
武昭儀の母、杨夫人は裴行倹を呼び出し、まずは叱責、そして事態の収拾を頼むが、裴行倹は武昭儀は皇后に相応しくないと拒否し、杨夫人を再び激怒させる。
一方、阿盧は琉璃に一万銭を渡し、残りは後日と言い繕うが、実際には払うつもりはない。琉璃は瞭承するが、誤解を避けるため、取引は公衆の面前で行うよう要求する。阿盧は仕方なく大長公主に報告。
蘇定方は裴行倹の西州行きを知り、過酷な環境を心配する。蘇夫人も琉璃のことを案じ、西州は彼女には適さないと言う。二人の会話を偶然耳にした裴行倹は、自分が琉璃の負担になっていると気づき、二人に別れを告げずに立ち去る。
翌日、裴行倹は琉璃と長安の街を散策し、楽しいひとときを過ごす。夜、疲れた琉璃は帰路で眠りに落ち、裴行倹は優しく彼女を見つめる。
翌朝、琉璃が目覚めると裴行倹は既に旅立ち、手紙と朝食だけが残されていた。悲しみに暮れる琉璃だが、阿霓に慰められ、徐々に現実を受け入れる。
その後、琉璃は陸瑾娘と共に宗婦たちと大長公主を集め、洛陽の田産売却の相談をする。十二の荘園を売却すると宣言するが、買い手は現れない。大長公主は二千金で買うと得意げに申し出るが、琉璃は最高値で売ると譲らない。最終的に陸瑾娘が二万金で落札。大長公主の妨害にも、琉璃は資金を用意していた。そこに杨夫人が現れ、自分が陸瑾娘の後ろ盾であることを明かし、琉璃と武昭儀の繋がりを改めて示す。琉璃は売却益を軍費として朝廷に寄付することを宣言し、称賛を集める。大長公主は計画が失敗し、気を失う。
杨夫人を見送る際、杨夫人は琉璃を褒め称え、武昭儀に従い続ければ裴行倹にも劣らぬ活躍ができると励ます。琉璃は謝意を示し、裴行倹を追うことを伝える。杨夫人は微笑みながら承諾し、裴行倹の過去の行いを不問にする。
第7話の感想
第7話は、琉璃と裴行倹の切ない愛と、琉璃のしたたかな一面が際立つエピソードでした。二人の未来への不安がひしひしと伝わってくる一方で、琉璃の知略と行動力に感嘆させられます。
裴行倹は琉璃への愛と責任感の間で揺れ動き、最終的に西州行きを決意しますが、その決断は決して容易なものではなかったでしょう。琉璃を想うからこそ、別れを選んだ彼の苦悩が胸を締め付けます。一方、琉璃は悲しみに暮れながらも、裴行倹の決断を受け入れ、前を向こうとする強さを見せてくれます。二人の愛の深さと切なさが、この物語の魅力をさらに引き立てています。
また、琉璃は洛陽の田産売却を巡り、大長公主との駆け引きを繰り広げます。大長公主の浅はかさを逆手に取り、見事な策略で勝利を収める琉璃の知略には、ただただ感服するばかりです。武昭儀の後ろ盾を失ったと見下していた大長公主を出し抜く姿は、痛快でありながらも、彼女のしたたかさを改めて認識させられます。杨夫人の登場も効果的で、琉璃と武昭儀の揺るぎない関係を印象付け、大長公主に止めを刺しました。
つづく